戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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マッチポンプ

「新年あけましておめでとうございます!司令官!」

 

「あけましておめでとう、今年も宜しくお願いします」

 

艦娘たちが(何気に正装で)新年の挨拶をくれる…自分だけいつもの提督用士官制服では格好もつかないがそれも提督の定めと受け入れることにした

 

「提督〜?」

「ん?」

 

後ろから声をかけられて振り向くと

「じゃーん、提督」

 

俺のもう1着のほうの制服を着た北上が立っていた

 

「お前は何をやっているんだ?」

「提督の制服をお届けにね、間宮さんに頼まれたんだよー」

「そんな届け方をしろと誰が言った、誰が…結局たたみ直しじゃないか」

 

「あはは……流石に

ふざけ過ぎたかな?ごめんね」

「いや、いいよ一々怒ってられないし、むしろ洗濯物畳むとか久し振りで楽しいし」

 

制服の上に羽織っていたらしい軍服を受け取り…

「他のも全部寄越せ」

 

北上に手を伸ばす

「全部?わかったよ…ちょっとまってね」

 

後ろに置いてあった紙袋(三越)からガサガサと…明らかに容積以上の服を取り出す北上

 

「ほら…これで全部だよ」

「取り出す必要ないだろっ!?」

「あ……」

 

[ってこれ、さっきもやったよね?]

流石に川内もツッコミを入れてきた

 

「まあったく…天丼じゃないんだし、新年ってもやることは変わらないから余裕はあるけど、それでも手間は手間だぜ?」

「ごめんごめんーお詫びにわたしが畳んでおくよ」

「いやいいよ、どうせ全部たたみ直すし、しまう場所もあるからさ

 

お前はほら…そこでこっちを凄まじい目で睨んでる大井さんの方に行ってあげな」

 

俺が大井からは見えない位置で

北上の後ろを指差すと、

北上もやはり気づいていたようで、最小限の動きで首を振る

 

「新年だしおめかししましょーって絡んでくるんだよ?私はこれだけで十分なのに」

 

軽くカーディガンを引っ張る北上

「……お前まだそれ着てたのか」

「いいじゃん貰い物なんだし」

 

背伸びして軽く腕を振る北上

どうやら不満の表現のようだが…

 

腕の振られる回数に応じて大井の顔が暗くなっていくんですがそれは

 

「わかったわかったいいからお前はアレを処理してくれ、俺は執務室に戻るから」

 

 

午前とすら言えないような深夜だが、そこは鎮守府といったところか、普段とそう変わらない体制で艦娘たちが拡散しているので

新年の挨拶と同時に、ちゃんと起きているかを確認しているのだが、

これは一旦戻らざるを得ないな

 

[夜戦〜〜〜]

[はいはい、お前は寝ろ]

 

辛辣と思われるかもしれないが

俺たちの関係的にはこれくらいでいいのだ

 

「よしっと…これでOK」

 

執務室に戻って来てから、北上から渡された服をたたみ直す

 

ひさびさに服畳んだりしたな…

提督着任以来か?

 

間宮さんが鎮守府の衛生、食事管理責任者で、大体の駆逐、軽巡艦の洗濯物なども受け持っていたから、その流れで任せていたりしたのだが(流石に下着類は自分で洗う)

 

基本的には『洗濯済み』と書かれた分類籠に入れて置かれており、あとで取りに向かう形となっていた

 

パーカーやジャンパーなどの冬物上着はともかく、洗濯に出していないはずの夏物である私服の柄Tシャツ

水色に白のボーダーのポロシャツ

赤に黒のチェック柄の襟付きなどの私服まで、いつのまにか洗濯されていた

 

「…え?…うん?ちょっと真面目に理解できないんだけど、夏服の方は着てすらいないよね?どう解釈すれば良いの?」

 

なぜお気に入りのやつばかりセレクトされているのかもわからない………

なぜだ?臭いとか言われたら凹むが、やはり理由は気になる

 

俺が悩んでいると

机の陰から秘書妖精が出てきた

(でしたら、間宮さんに直接確認するのはいかがでしょうか?)

「………やっぱりそうなるか…」

 

秘書妖精に仕事を頼んで、あとを任せる、さて、間宮さんはどこにいるかな…

 

「というわけで、直接聞きに来たんだけど」

「あぁ、そのことでしたか」

 

間宮さんはいつも通り、食堂のカウンターの中にいた

 

「提督のお気に入りの私服のようでしたし、ここ最近はずっと箪笥の中でしたから、新年に当たって、一度洗濯をし直した方がいいかと思いまして」

 

もしかして、ご迷惑でしたか?

と少し悲しそうにこちらに視線を向けてくる間宮

 

「いや、そうじゃないんだ、純粋に気になっただけ、ありがとう」

とりあえず納得はいったし、

それなりの理由はあったわけだから

そこに文句をつけるような事はない

 

「…が、なぜ俺の箪笥の状態を把握しているんだ?」

「へ?あぁ、それはですね、執務室にいる…秘書妖精さんが

これもお願いします!って言って、持って来て下さったんです」

「………あぁ、なるほどね」

 

完全に自演じゃないか秘書妖精(アイツ)

いや、まぁ、結果的に害はないし

アイツも気遣いくらいの感覚だったのだろう、なんの問題もない

 

「それじゃあ、それだけだから、俺は帰るよ」

軽く手を振って、執務室へ引き揚げる、その直前に呼び止められた

 

「提督、駆逐艦の皆さんが面白いことを始めようとしているですよ?参加してみてはいかがでしょうか」

 

間宮さんによると、多目的室を占拠しているそうだが…

 

「面白いこと…ねぇ?」

俺は首を傾げながら食堂を離れる

当然、駆逐艦達の様子を見に

多目的室へ向かって

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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