戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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正月休みには

「んで、お前たち、何をしているのかな?」

「あ!司令官さん!」

 

駆逐艦たちが何人かと、管理進行でもやっているのか、大和と愛宕の二人に迎えられる

 

「正月遊びといえばやっぱり福笑いとか、凧揚げとか、色々やるでしょ?

いくつかのグループを作って、それぞれのグループで遊んでるの!」

「説明ありがとう、雷」

 

ってかお前も進行側なのかよ

 

驚く間にか

雷と一緒に見て回ることになり

 

「福笑いだよ〜、提督もやってみる?」

「俺?まぁいいけど」

 

秋雲がやっていた福笑い…どうやらヤマは越えられたようだ…を受け取り

まずは手順に則ってパーツを分解

然るのちに目を瞑って…

 

「パーツを再構成する」

たった十にも満たないパーツごとき、完璧に位置を覚えて再構成すれば良いだけだ

 

「うまっ…なんで提督は完璧に再現しちゃうのかなぁ」

 

「いや、本来の福笑いの遊び方では無いのだが…やはり手に染み込んだ技師としての技能がこうさせるんだ、仕事は例え視界無くとも完璧であれ、と」

 

「それもう人間じゃ無いから」

 

ドン引き声の秋雲に指摘されたのだが

どうも俺は人間では無いらしい

…………俺としては単なる特技でしか無いのだが、人外の技なのだろうか

 

「秋雲、そんな言い方ないでしょ!提督のは特技なんだから!」

「雷?どう…って私怒られてる?」

 

雷が謎のカバーに入ってくれた

のだが、実際あんまり役に立たない

というかその言い方はどうも言い訳にしか聞こえない

 

[まぁ、ちょっと人外じみた提督ではあるし、そこは否定できないもんね]

[人外じみたは認めるが、俺より遥かに人外な人物を少なくもなく15人知ってる]

 

俺のせめてもの抵抗も

[それってどうせ一級技師さん達と一富士二鷹三茄子でしょ?]

 

ばっさりと川内に切り捨てられる

のだが

 

[一富士二鷹三茄子…一ノ瀬さんと加ニ倉さんと三鷹さんな?失礼だぞ、そんな初夢とかじゃないんだし]

[良いの良いの!いちいち間違ってる〜なんて指摘されないんだし!]

 

川内や、流石にそれは失礼すぎると思うぞ

 

「それじゃあ次に行きましょ?」

いつのまにか話が終わっていたらしい

雷に袖をひっぱられる

「了解、トランザム」

 

大人しく付いていくと

「トランザムってなに?」

「トランザムってのはな?赤くて三倍になるステキな初代さまリスペクトだ

まぁ使ったら使ったで色々

問題山積みなシステムなんだが」

 

笑いながら雷の頭を撫でて、次の説明を聞かせてもらう

 

「こっちではメンコやってるの、向こうは独楽ね!」

 

随分古典的なゲームだな

…まぁ、ずっとPCやポータブルゲーム機に向かってるよりはよっぽと健康的か

 

「なるほど…正月になったからって正月遊びか…まだ朝とも呼べない早朝だが」

朝になったらみんなに御年玉配布か

ちょっと経済的にアレだが

 

俺が見て回っていると

叫び声が聞こえた

 

「駆け抜けろっぽい!ワイルドケルベロスっぽい!」

「ペガシス!シューティングスターアタックなのです!」

 

「おまえらそれ独楽じゃないよな!」

 

特に電お前モロじゃないか!

「独楽なのです、ちゃんと貝独楽(ベイゴマ)をやってるのです……あ、負けちゃったのです…」

 

「やったっぽい!?勝ったっぽい!」

ぴょんぴょんする夕立と沈む電

…この光景だけはまともなんだが…

 

「二回戦なのです!「3.2.1…」」

「ゴー…シュート!なのです!」

「シュートっぽい!」

 

「ハイアウトーッ!!」

 

その掛け声はダメだっ!

「提督、アレはアレよ、その…別の方向性で完結してるから良いのよ

次行きましょう?」

 

「お、おう」

俺は雷にひっぱられて独楽組から離れ

メンコ組に近づく

 

「あ、司令官」

「神風?…どうした?」

 

「メンコやってるんだけど、一緒にやる?」

「飛び入りか?いや、よしとくよ

割と難しいんだよなぁ」

 

流石に神風や睦月たちがやってるメンコに俺が介入するわけにもいかないし

そこは諦めさせてもらう

 

「まぁ、お前たちもほどほどにな?朝食時に寝ぼけたままとかはよしてくれよ?」

《はーい》

 

わかってんのかなぁ…まぁいいや

[そこで諦めちゃうんだ]

[俺が介入できることじゃないし、な…俺はそろそろ寝るよ、お疲れ様]

[えぇ〜やせんは〜?]

[ない、決断的にない]

 

謎の甘えた声を出す川内を振り切って

提督用の自室へ戻り、

 

今日は寝ることにした

 

「…朝が早いなぁおい、」

ずいぶんと時間間隔が短く感じる

正直に言えばまだ眠い

 

「まぁ、寝てる時間が短いですから」

「だよなぁ鹿島、実際寝てる時間が…なぜ居るっ!?」

「提督と一緒に居たかったので…来ちゃった♪」

 

鹿島のポージングと共に

圧倒的な似合わなさが空間を凍結した

「…………帰ってくれ」

「えっ?酷いですよ先輩っ!」

 

首をガクガク揺すられる

「うぉわっ!首が!鹿島お前のパワーはバカにならないからよせって」

 

俺の必死の引き剥がし工作により

なんとか鹿島を引き剥がすことには成功したが

「先輩のバカ…」

 

なんか機嫌悪そうに見えますねぇ

[特大の好感度ガバしててよく言うよ]

[お前からRTA要素振るのかよ!?]

 

そのあと、朝食後に御年玉配布を鹿島に相談したら、練巡は貰えるのか聞かれたり

艦種ごとに相応しい額が違うだろうと額の面で口論したりも色々やって

 

「結局重巡には諭吉3、軽巡には2って辺りで決着したか…潜水、駆逐は…おのおのの要求額が違うと思うが…一律にしとくか…」

 

思考の基礎が幼い子供に大金を持たせるのは、若干の不安を覚えざるを得ないし

かといって少額では御年玉としての体面を保てない、子供にとって現実感のある大金…となると樋口さんに出撃願うか…

 

「提督っ?!流石にポチ袋は用意するべきだと思うんだけど…」

「鈴谷?……あ…確かにこの絵面は…ちょっと社会的にアレか……」

 

[ホ別大3、生中でええな?ってか!?提督見損なった!][だからそんな意図はないっ!]




そう言うことする人も、多いよね

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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