戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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語り合う

「おかえり、みんな」

 

ドッグに立ち、いつかのように

みんなを迎え入れながら

まずは一言、告げる

「だだいまにゃしぃ」

「ただいま!提督!」

「司令官さん!ただいまなのです!」

「もう立てるようになったのか

ただいま、提督」

 

電達、遠征艦娘が帰ってきた

「今日の旗艦は木曾か、久しぶり」

「こっちが言いたいぞ提督!久しぶりって話じゃないだろ!

一月くらい話してないんじゃないか?」

 

木曾が歩み寄ってくる

「一月は言い過ぎだよ、休業はしてないし、あの戦いから…2週間くらいだろ?」

「それでも半月だろ?

望月が新月に(いなく)なっちまうぞ」

 

「望月は関係ないにゃしぃ」

 

艦娘の方の望月が新月になったらそれはそれで困るのだが…まぁそれは流すか

 

「それはそれとして

電、雷、睦月、皐月、木曾

みんなお疲れ様」

《お疲れ様ー!》

 

みんなの返事と共に、艤装を置いてもらって…

 

「パーツ交換だけじゃ厳しくなってくる頃だろ?そろそろ本格的に手入れが必要な艦娘も出て来るころだと思ってな…」

「あぁ、それはわかりますが」

 

流石にダメだったようだ

公差や環境変化の適応のために余裕を持たせた予備パーツは、真にその艦娘に適合した、その艦娘のためのパーツとは言い難いため

 

艦娘の全力を引き出すことは出来ないのだ、その調整もそろそろ厳しくなって来る頃なのだが、それは完全復帰からだろうな

 

「すまん、ちょっとだけ我慢してくれ」

 

艤装達に向けて呟きながら

俺は艦娘達と共にドッグを後にした

 

「楽しい時が過ぎて行くと暇になるなぁ」

 

「まぁ、仕方ないでしょうね」

 

笑いながら元の位置…ベットに座る

正直、寝すぎなのだが

 

まぁ、それは仕方ないとしよう

さぁ、イメージトレーニングでもするかな

 

「それじゃあ僕は引き上げますね、何かお入り用ならナースコールどうぞ

ナースコスの龍田さんが来ますよ」

「絶対使わないや」

 

こうして、俺の日は過ぎていく

 

「……やっぱりメシマズ…」

 

今日も川内かな?

 

[また?最近食べ過ぎじゃない?体壊す原因だよそれ]

[現実側の肉体には影響しないんじゃなかったのか?]

 

[まぁ、そうなんだけどさ

雰囲気というか、空気というか…さ]

 

反転

 

「突撃!」「私の晩御飯?」

 

「そうだよ(便乗)」

 

川内に今日も夕食を作ってもらう

 

美味いからやめられないんだ

俺のせいじゃない、俺の意志が薄弱とか言うなよ?川内飯はマジで美味いんだからな

 

「川内の飯か美味いのがいけないんだ…太ったら川内のせいなんだ…」

「あ!そんなこと言うんだ?

提督にもうご飯作ってあげないよ?」

 

「すいませんでした許して」

 

超高速のレスポンスで土下座するクズの姿がそこにはあった

「ふっふぅ〜ん、許してあげても良いよ?」

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

 

俺が全力で拝んでいると

川内は困惑の表情で尋ねてきた

 

「…踏まれたいの?」

 

「そう言う意味じゃないんですよねぇ!」

返答は全力での叫びとなった

 

 

反転

 

現実側の肉体には、

里見君が付いていたようで

いつのまにかデータを取っていたのだろう、パソコンの画面にグラフを表示する

 

前回のデータと一般的な提督のデータ?

 

「全国の一般的な提督の侵食率は平均6%、提督のデータとは比較になりません」

「いや比較してくれよ」

 

流石に突っ込ませてもらう

 

「現在の侵食率は26.5%、極わずかですが、下がってはいるようですね」

「それだけ未来がひらけたってことだ、俺は嬉しいぞ」

「0.5%で喜んではいられませんよ全く、せいぜい精進してください」

 

「はいはい、頑張るよ…ある程度」

「その程度か?」

 

「勝手に程度を決めるな」

 

最初はすぐに沈黙が訪れていた掛け合いも随分と長く続くようになったな

 

「……まだまだ先は長いかぁ」

「差し当たっては2日後に行動制限解除の予定ですが、出撃は禁止ですよ?」

 

「わかってるよ」

 

あと2日かぁ……長いなぁ…

 

「…はぁ………」

結局、艦娘との面会は許可されたらしく

これ以降はため息などつく暇もなく、ひっきりなしに艦娘達が訪れるのだった

 

「テートク!心配したデース!」

「こら、飛びつくんじゃないよ

これじゃ運動禁止の意味ないじゃないか」

 

入ってくるなり飛びついてくる奴を押さえつければ

「飛びつくだけじゃありまセーン!ワタシは提督成分の補充中デース」

 

結局押し負けて時間ギリギリまで密着されたり

 

「提督?大井っちも心配してたよ、大丈夫でしょうか?って…まぁ、口じゃ言ってなかったけど、あの様子じゃ面会断られて重傷って勘違いしてたんだね」

「大井が…?」

 

正直、大井が俺の心配など想像がつかない、球磨ならば『提督心配クマー…』と言っているイメージが浮かぶが、大井は百歩譲っても

 

『ケッ!死ねば良かったのに』から

『あら?まだ死んでなかったんですか?』になるくらいだろう

 

「そもそも大井の俺に対する好感度は『殺したいほど嫌い』だったはず」

 

「提督、そんなの真にうけてたの?大井っちも意外と優しいんだよ?それに、提督が『嫌い』とは一度も聞いたことないし」

「そうだったのかぁ………」

 

新情報に混乱したり

 

「失礼するわ…このクズ提督!バカなの!?死ぬの?!」

 

「…今更言われるとウザくなってくるなぁ…俺、器がないんやなぁ…」

 

「何言ってるのよ!言いたいことがあるならもっとはっきり言ったら?」

()()

 

怒り顔で入ってきた奴が

途端に涙目になったり

 

「司令官さん、ちゃんと元気になって欲しいのです」

「お見舞いにお花…はダメなんですって、その代わりにこれ、千羽鶴!

まずは半分だけれど

駆逐艦のみんなと一緒に折ったのよ?」

 

自称レディが本当にレディしてたり

 

「提督、失礼します」

「…入って」

「はい」

 

「こちら、駆逐艦のみんなで折った千羽鶴の、残りの500羽です

…実は、一羽足りないんですよ?」

「なるほど」

 

気の利いた洒落を聞いたりした

 

そして、ついに面会時間は終了し

消灯となった

 

「…おやすみ、みんな」

[おやすみ、提督]

[お休みなさい]

[ぴぎぎきぴきぃ]

 

みんな返事するんだ?

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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