戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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囚われの

「よし!」

 

私達は提督に任された務めとして

 

「こちら制圧完了だ」

 

湾岸周辺施設の制圧を行なっていた

先ほどの爆弾には驚いたが、それはそれ、金剛との長年の二人組(バディ)でさっさと施設に侵入、深海の妖精(?)を打撃で成仏させて行く

 

「敵反応、無しです」

 

「…しかし、深海棲艦にも妖精が居たとは、長く艦娘をやっているが

知りもしなかったな」

「私は昔一度だけ見たことがありマース、外観はやっぱり普通の妖精デース」

 

捕虜でも取ろうかと思ったが

ぴょこぴょこと出てきた妖精達は

攻撃するとすぐに消滅してしまう

かといって無傷で縛りあげるような器用な真似はできない

 

「捕虜の確保は無理か…仕方ない」

「潜入中に捕虜など、持て余すだけでありますな」

 

外縁部のガレージ施設であったためか

特に護衛があるわけでもなく

突入と奇襲を繰り返すだけで済んだのだが、奥の方はこうもいかないだろう

 

「それを考えるのは提督か…」

 

フッ、因果なものだ

私が人事を操作して着任を誘導した艤装技師が、前任提督を追放し、

大本営へ帰ったと思ったら、いつの間にやら提督になっている

 

挙げ句の果てにはまるで知っていたかのように的確な作戦を用意しての海域奪還

 

どこぞの輩に仕組まれていた

と言われても納得するレベルだ

 

「…本当に、な」

 

「どうかしたでありますか?」

「いや、なんでもない」

 

あきつ丸に答えながら、

一旦下がるかと思案する

施設本体は制圧したが、万一知覚されていたら、それこそ周辺ごと焼き払うような大規模攻撃で一掃される可能性もある

 

制圧した施設に長居は無用だ

 

「ということだが、どう思う?」

「私個人としては、過去のデータを回収してから撤退したいところですが」

 

「高速の私と大淀がやれば良いデース、長門とあきつ丸は撤退してくダサイ」

「陸としては速やかな撤退に賛成であります」

 

 

総合すると、やはり速度に劣る私とあきつ丸は撤退、二人はデータの回収

大淀の案をそのまま使う事になるな

 

「よし、大淀の案で行こう

あきつ丸」

「了解であります」

 

私達は二手に分かれて

速やかに待機位置まで撤退した

 

side change

長門side out

蒼羅side in

 

「…戻ってきたな……ん?」

 

戻って来たのは二人だけ、

 

「金剛と大淀はどこだ?」

「あぁ、二人なら施設内のデータを回収している、出来るだけ回収したら

戻ってくると言っていた

私は低速だから、早めに帰らせてもらったというわけだ」

 

「なるほど、了解」

 

あの二人なら無駄な事にはならないだろう、とりあえず金剛と大淀は置いて、まずは情報を共有する所から始めよう

 

「敵基地内には霞が単独で潜入する、これはほかの人員が同行できる余裕がないので、あくまで単独での潜入になる、一応すぐ帰ってこいとは言ったから、しっかり者だし

 

引き際を見誤って大怪我、なんてことは無いと思う」

 

一応、と強調したのは

自分で帰ってくることを選択すると信じているからだ、

 

「…心得た」

 

長門の頷きを確認して

 

俺はひとまず状況を確認するため

残り二人が来るまでの間を有効活用しようと、秘書妖精との直結回線から呼びかけを行う

 

(こちら秘書妖精、機関管理妖精は回収しました、ですが機関機能は発揮せず

通常のディーゼルエンジンも使えません、現状沖津丸は推進能力を失ったと言えます)

「そうか…」

 

(機関管理妖精が復帰すれば

機関機能も復活すると思うのですが)

 

その瞬間、回線にノイズが走る

 

(ザ…ジザー……ッン!)

(こちらは、島の機関長である)

 

「!?」

俺は咄嗟に回線を切ろうとするが

(無駄ですぞ)

 

オフにしようとしても切れなくなっている、強制割り込みか何かで回線や介入されているようだ

 

(今回、貴官を招聘したのは他でも無い…)

 

声は止まることなく流れる

 

(姫を、止めて欲しいのだ)

 

「なんだと…!」

 

俺は咄嗟に長門にハンドサインを送り

一旦離れる旨を伝える

 

「了解」(小声)

 

護衛にレ級を引っ張り出して、俺は少し離れた物陰に移動し

 

(姫は、復讐の炎に囚われているのだ、あの日、鎮守府を焼いた炎に)

 

「復讐の炎…か」

 

(受けて頂けるのならば

我々は貴官に対する正式な上陸許可を与え、資材の補給、修理を行える用意がある)

「なるほど、で?沖津丸の機関を破壊したのはお前か?」

 

爺さんのような嗄れた声だが

間違いなくこの声の元は妖精

 

こいつが機関を破壊したのはほぼ確信しているのだ

どう答えるか…?

 

(いかにも、機関管理妖精の解放回線に介入し、意識を途絶させた

もっとも、任意で回復も可能だが?)

 

人はそれを脅迫と言うんだよ

とは言わず、一言で答える

 

「要求はなんだ?」

 

(この島という一体の深海棲艦の撃破、もしくはその誘導を)

「受けたいが、この島そのものは破壊困難だ、誘導の方にしよう」

「良いのか!?利用されるんだぞ!」

 

横で聞いていたレ級が

慌てた様子でこっちを睨むが

 

「いいんだよ、たとえ利用からでも和解できる、それに機関長からは敵意を感じない」

 

(見事である)

 

当然のように返されて、表情を戻す

 

(では細部を詰めよう)

「了解した」

(通信では感知される、直接話そう」

 

そして、通信から肉声に声が変わる

物陰から浸み出すように出現したのは

人間とそう変わらない体格を持った

老人のような妖精

 

「さぁ、話を再開するぞ」

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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