戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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シロット

やってしまった、、、

食べた、、食べ過ぎた、、

これは太る、今までは貧栄養、低消費だったから極小カロリー生活ができた、だが

もう、、

大量のカロリーと養分を摂取してしまった

手遅れだ

 

まぁ、太るのは確定として

単なる脂肪以外の部分にエネルギーを使いたい

ビール腹の技師とか絵面がアレすぎる

 

というわけで、鍛える事にした

 

「で、なんで僕が呼ばれたんだい?」

 

「響だからさ」

(溢れ出るシャア感再び)

 

「僕はその理由を聞きにきたんだけどね

それは理由になっていないよ」

 

「だって響って鍛えてるんでしょ?」

「いやそんな事、、、あんまりしてないよ」

 

心当たりがおありなようだ、、

「太りたくないんだよ、、頼むよひびにゃん」

 

「僕はネコ型ロボットでも紫の鬼でも無いんだけど、、」

 

「じゃあフリーダム」

「言わせないよ」

 

速攻で割り込まれた、、何という舌の速さ

鍛えてるだけあるな!

 

ちなみに時刻は朝、普段はメンテをしている時間だが、指の抉れた跡が感覚に誤差をもたらしかねないため、精密作業は出来ない

 

「なんでメンテがダメで訓練が良いのかな」

響がため息をつく、

「まぁ、いいや、久しぶりにやろうか

ロシア式肉体改造」

「それ悪の組織じゃないの?」

 

「・・・・・そうともいう」

 

ε≡≡ヘ( ´Д`) / ε”ε”ε”(ノ* •ω• )ノ

 

訓練に先駆けたウォーミングアップとしてランニングが始まった、、

 

十分後、、

「ドナドナドーナー」

引きずられる俺が死んだ目でドナドナを唱える様子が艦娘寮で展開されたのだった

 

「さぁ、いくよ、まずは素手でナイフを折る訓練だ」

「えっ?ちょっとま」

「はあっ!」

 

粗雑な鋳鉄とはいえそれなりのサイズと厚みを持った板が空を舞うのはまるで悪夢で、、

そしてとてもヌルかった

 

「ちょっとまって、、なんでこんなに訓練が緩いの?人間向けに調整してるんだよね」

 

「え?ちゃんとした人間用だよ?」

「人間向けだったら鉄板はせめて真鋼にしなきゃ」

 

そう、彼は、、佐世保第四帰りなのだった、

「まだまだいける、、いや鈍ったか、体を作り直さないとな」

 

右手を強く握り、

 

「はっ!」

 

フォッ!という風切り音と共に拳が突き出され

鉄のナイフへ激突する

 

バキィンと一撃で折れた、、まぁ、そうなるな

 

「もろい、、もっと強度あるやつは

ないかな?」

 

「ドンビキデス」

 

まさかのアリサネタ?響ちゃんロシア繋がり?

 

「僕でも一撃じゃ折れないこともない

くらいなのに、、」

 

個人ではもっていないそうなので、訓練場へ移動

共用のやつを見せてもらう事にした

まさか対徹甲弾仕様の戦車装甲とは恐れ入る

 

これは人間では無理だ、

光の戦士くらいにならないと一撃じゃ無理だ

 

この日から装甲をひたすら攻撃するのが

習慣に加わった、、

 

3日後、、メンテは今日解禁だ、

ついに指の傷塞がったし、もう感覚も戻った

 

「♫こーの、手からなーがーれさる、

運命のすーなーを、

抱き止めて、わーらいあう、永遠のきっおーくー、薄れてかすーれ消える、貴女とのお、もーい出ー」

 

懐かしい歌を口ずさみながら、

数少ない私物であるペンダントを磨く、、

 

最近あまり手が回っていなかったから

延ばし延ばしになっていたが、

出来るときにしっかりと磨いて、綺麗にしておかないとな

 

「忘れてしまった歌を、もう一度うーたっうー

胸のおーく隠された、永遠の想い

唇から貴女へ伝う」

「ぽいっ!」

 

「優しくなっ!、、夕立?」

 

扉を突然開けて入ってきた夕立を見やる

「技師さん?艤装直して欲しいっぽい!最近また一番缶が煙出してるっぽい!」

 

「ほんとはそれが普通の状態なんだけどな、、」

 

「っぽい!」

「ぬぉわ!、、飛び付いてくるなよ

割とあぶないから」

 

艦娘とて尋常の攻撃では傷つきはしないが、

ここには火薬の類や刃物も多い

ここで騒ぐのは自殺行為といってもいいだろう

俺は物の位置を全て把握しているから問題ないが

 

「これでよし」

ペンダントを磨き上げて、首にかけ直す

 

「ぽい?技師さんのずっと付けてるペンダントっぽい?」

 

「そうだよ、さっき磨いてたんだ」

 

クロスで拭いてたというべきかもな?

「見せてっぽい!」

「ダメ」

 

昔それで渡したら放り投げられた記憶がある俺としては人に渡すのは抵抗がある

 

「じゃあ中身教えるっぽい!」

 

食い下がるな、、

「わかった、、これは俺の姉さんの写真だよ」

「写真入りのペンダントっぽい?」

 

「そうだよ?もう、会えなくなって

から十四年以上かな」

 

「お亡くなりっぽい?」

「わからない、けど、両親が離婚してから俺は妖精が見えなくなった、姉がいなくなったからかもしれない」

 

「年一で写真を届けるなんてよく考えればありえない

それに、写真は必ず素状態で送られてくる

つまり、切手を用いた郵送を行なっていないってことだ、となると」

 

「妖精さんが自力で運んで、毎年届けてた

つてことっぽい?」

 

「あぁ、その通りだ、おそらくはな、、

まぁ、気にすることはないよ、艤装は治すから休んできなさいな」

 

「おやすみっぽい!」

 

夕張が廊下に行った後、補給の頭たる

現地での修理を可能とするパーツを取り出す

「ふぅ、、仕方ない」

 

「使うか、、」

 

(金ないような頑張った発送に

妖精が介在していたとは、想定はしていたが

俺が妖精を見られなくなった時期と

姉がいなくなった時期が一致するのは

偶然だと思っていた)

 

「ふぅ、、、」

 

パーツを繊細に制御した機械で作り、

完璧に理想的なサイズのパーツで交換を行う

 

「技師さ〜ん!様子見に来たっぽい!」

「扉を急に開くな!」

 

「怒られちゃったっぽい」(´._.`)シュン

尻尾が垂れて行く映像を幻視する

 

まぁ、そばで見る程度なら問題はない

本来なら呼吸も錆を誘発するため

全力で取り組むのなら入室もお断りだが

この程度なら問題はない

 

「♪〜♪〜」

 

久しぶりのメンテに、つい鼻歌が出る

 

「っぽい?」

 

「優しく貴女にとーいかけたー

ん?どうかしたか?」

 

「その歌、誰に教わったっぽい?」

別の世界の姉に教わったなんて言えない

 

「どうするか、、よし」

 

「何っぽい?」

「夕立、これは俺の一族にのみ伝わる

超古代の恐竜のための歌だ、だから」

 

「じゃあ加賀さんも技師さんと同じ家出身ぽい?」




子犬、シオの語源ですね

あと、妖精が見えなくなったのは
かつていた世界に妖精がいなくなったからで
妖精知覚者の症状が
完治したわけではありません

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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