「…休暇といっても、
ここしばらく…何ヶ月だろ?休暇とか取ってないしな…暇な日もずっと艦娘と話してたりしてたしなぁ…思えば最近休んだのって入院と説教だけじゃね?」
「…あ」
時雨が凄まじいめでこちらをみている!
「…提督、それはいけないよ、ちゃんと休まないと身体を壊す」
[提督の体の方は私たちが維持してるから、病気程度だったら問題ないけど
流石に重大な損傷とかはわからないし、本格的に身体を壊しちゃったらダメだよ?]
[休める時に休む、というのも戦場の心得よ?提督は働きづめになっているけど
休まなくては効率も出ないわ]
左手に触れる輝那と頭の中の川内から声が届く
[もちろん拳銃は持ち出せないから、私は付いていけないけどね?]
[できれば一緒に来て欲しかったが、まぁ拳銃だもんなぁ]
川内のように頭の中にいるならともかく、武器に付随する陸奥、大和、島風は無理か
…大和なら随伴に指定することも可能かもしれないが
[それは無理ね、あの子達が随伴に決まってるんだもの、警護を兼ねてるんだから、おいそれと変えられるようなものじゃないでしょう]
[たしかに]
それに、簡単に変更できるんだったらそもそもそんな競争になってはいないだろう
彼女たちが決めたのだし
それは最大限尊重しよう
「随伴は雷と神風か…暁置いていっていいのかよ」
「もちろん!大丈夫よ
暁はもう回復したし、艤装は…直ってないけど、精神面はもう大丈夫」
雷の笑顔に嘘は見られない
そもそも探る必要もないが
「なら、無意味に心配するだけ逆効果になるな、よし、気にしないようにしよ
…で、どこ行こうか?」
ここは海沿いの辺境だし
深海棲艦の出現直後の陸地侵攻が起こった頃、真っ先に放棄された場所
つまり人口密集地隊とはかなり遠いのだが、艦娘の楽しめるような場所は…
「どこへ行くのかは司令官が決めるんじゃないの、シャキッとしなさい」
神風に軽く頭を叩かれる
「…大丈夫だよ、ちょっと考えがずれただけだ」
「それを大丈夫とは言わないと思うんだけど、いいのかしら」
[大問題だよ…それは社畜の思考だよ…]
「…休み取って行くようなところ知らないなぁ」
この世界に来てから三年
長いのか短いのかもわからないが
取り敢えずまずは
行き先を考えよう
「…まず、銀行に金を下ろしに行かなきゃならないから、近くの町に寄るのは確定、一泊二日なのでどこぞに宿を取る、かつ仕事に関わらない方面となると」
「山登りかしら?」
「たしかにそれもそうだが
仕事以外でわざわざ体を酷使したいようなストイックな人間じゃないからな
…大本営…ダメだな」
「それじゃあ仕事そのものじゃない」
即座に雷からダメ出しが飛ぶ
まぁ当然といえば当然だ
大本営なんて呼び出してなければこんなところから行くこともないし
そもそも息抜きに行けるような場所ではない(一部除く)
「まぁ、そうなるなぁ…」
「もっと落ち着けるところとか…そもそも、提督は着任以来仕事詰めだったものね
…昔は私たちもそうだったけど」
「その話は私も聞いたわね
前任提督を追い出したんですって?」
「そうだよ、一技師という弱い立場ながらに佐官に抗ってまで
時雨の目に色が宿り
徐々に饒舌になって行く
「提督の素晴らしさはこんなものでは終わらないよ、提督は技師時代からずっと
僕たちに最適な艤装の状態を維持してくれていてね、提督として帰って来ても
仕事が急増したのにもかかわらず、その仕事の質は全くもって落ちなかったんだ、しかもただそれだけじゃない」
時雨は途中からまくし立てると言っても過言ではない勢いになって神風に言葉の濁流を浴びせかけている
のだが、時雨の体験談がほとんどであるのと、その中でも伝聞形・推測形を多用しつつ、事実と言えなくもない程度の脚色と第三者視点からの持ち上げをさりげなく添加して細やかに美化している
プロバガンダかな?
「提督がいかに素晴らしい人物かはわかってくれたでしょう?」
「…う、うん」
すごい、神風まで引き気味だ
面倒見の良く、諦めの悪い神風をここまで引かせるとはさすがだな時雨
…それが俺の話題だと知らなければそう言えただろう
「はぁ…」
まぁ、普段海だから内陸に行こう
という発想は分からなくもない、その方向性で考えてみるべきだろうか
…だとすると
「ショッピングモール集合はいいけど、それは二日目に回したほうがよさそうだね」
[雨の日は悲惨…」
そうなったらそうなったで屋内施設に行けばいいだけの話だろう
…下調べは重要だな
「よし、俺ちょっと調べ物に行くよ」
「ついて行くわ」
「私も一緒に行くわ」
「僕は…出る幕はなさそうだね」
時雨はともかく、ついてくる気の雷と神風に、笑顔で告げる
「お前たちも待ってろ」
600話記念番外編は
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テンプレ転生者(ヘイト)
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……