戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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リストランテ

「さて、神風と雷はどこだー?」

 

しばらく歩いていると、何人かの艦娘に会ったのだが、やはりダメだ

神風と雷は見当たらない…

 

「とりあえず執務室に戻るか」

 

「あ、いたいた!司令官!」

「暁?」

 

そこに駆け寄ってきたのは、暁だった

 

「雷、神風さんと一緒に執務室で待ってるわよ、時雨はどこかに行っちゃったけど、ほらはやく行ってあげなさいよ」

 

「…おう、わかったありがとう」

「このくらいのことで気にしないでよ、別に普通のことじゃない」

「そうかも知れんけど」

 

とりあえずポス、と帽子越しに手を置いて、頭を撫でる

 

「あ、ちょっと!」

「ほんじゃあ、また二日後な!」

 

「子供扱いしないでよ!一人前のレディなんだからーっ!」

 

後ろから聞こえてくる声を無視して

俺は執務室に戻り

 

「…来たわね、司令官」

「司令官!さっき暁が呼びに出て行ったけど、会った?」

 

「あぁ、会ったよ…頭撫でたら抗議されたけど」

「うふふっ、暁らしいわね」

 

雷の笑い声が切れるとともに、

表情を引き締め

 

「それじゃあ出ようか…ってか二人も私服なんだな」

 

雷は三越のアレだが、神風はセーターにミニスカ、下はいつもの通りの色を踏襲しているが、クリーム色のセーターで印象が変わる…というか

 

「洋服、珍しいな」

「え?」

 

「神風が洋服着てるのって見たことなかったんだよ、よく似合ってる可愛いよ」

「…私は?」

 

「三越の企業宣伝だかなんだかのイベントでもらった奴だろ?それももちろん似合ってる」

「ふふっ♪」

 

雷がジト目でこちらを見ていたので、ちゃんと感想を述べる、あくまで感想であって、お世辞ではないあたり重要

 

「可愛いかぁ…うん」

「司令官に言われるとやっぱり嬉しいわね」

 

ニコニコしている二人を現実に連れ戻して、資金を思い出しつつ移動を告げる

「二人とも乗れ、なにぶん荒い道だから少々揺れるが、ドライブと行こう」

 

「「はーい」」

「意外とノッてるな…」

 

ドライブとは言えど、深海棲艦出現以後、ろくにメンテナンスされていない道路だ

アスファルトはひび割れていたり、一部欠落していたり、道の状態は悪い

 

「結構揺れるわね….」

 

はやくも雷はぐったりしている

のだが、あと少しで比較的状態の良いエリアに出るから、それまでの辛抱だ

 

「一応制海権確保以後、海軍が管理しているから、すこしずーつ復興しているんだけどね?やっぱりメンテナンスが定期的にできないから環境は劣化してしまう」

 

「メンテナンスがどれほど大切かはよくわかったわ…」

技師的に嬉しい話だが、それがこの劣悪な環境から学んだともなるとあまり嬉しく感じられないのはなぜだろうか

 

「そろそろ舗装もまともになるぞ」

 

ぐったりした雷に応えながら

俺はさらに車を進めて、徐々に落ち着いて来た足場に神風が反応を示す

「車移動が落ち着いたら、まずは酔いを抜かないとな」

 

笑いながら真っ当になって来た道を進み、一度かつて『国道一号』だった道に乗る

 

「ここから今も使われてる道だからもう揺れないよ、神風は大丈夫だったか?」

「ええ、私は意外と耐性あるみたい

…だけど雷が…」

 

「ノックアウトしてるなぁ…」

 

一度どこかで中間地点見つけて止まるか、あるいはなんらかの処置を施す必要があるな

 

「…15分耐えろ」

 

時速は40キロなので、約15分ほど移動するのだが、今向かっている先にはフードコートのあるショッピングモールがある、もちろん営業中の

 

「…念のために中間地点に目処をつけておいて良かった」

 

俺はさらに車を進める

 

 

「よし、ついたぞ…雷お前大丈夫か?」

「…大丈夫よ…問題ないわ…」

 

いやすまないがそれは明らかに大丈夫じゃない時のフラグなんだが

「全然大丈夫じゃないわ、酔い止めとか用意してる?」

 

「酔ってからも効くやつは無い、すまないが茶で耐えてくれ…雷?」

 

「大丈夫…まだ歩けるわ」

 

少しフラついているが、しっかりとした返事が帰ってきたのでとりあえず車を駐車場に止めて降りる

 

「行くぞ、店で待ち時間ありゃ酔いも落ち着くだろ…ちょっとしたカフェテラスとファミレス、どっちで食べる?」

 

二人に問うてみると、

 

「カフェなら知ってるけどファミレスっていうのは初めて聞くわね…そっちに行きたいわ」

 

「……ファミレスの方で」

 

「よし、んじゃあー三階のサイザリア行くか、ちょっと歩くぞ」

「あ、待って司令官!」

 

さっと歩きだした俺の後ろから、ぱっと手を取られる

 

「神風?」

「雷と、手繋いであげて」

 

「…?わかった、それじゃあいくぞ?」

「うん」「はい!」

 

俺は改めて二人に声をかけ

それから階段で三階に向かった

 

時間的には13:30

昼食には遅い程度の時間、お陰でわざわざ別の店を探すような事にもならず

ささっと座ることができた

 

「ご注文はお決まりでしょうか?」

「雷、神風」

 

周囲に目をキラキラさせていた神風がボタンを押して(無論用途は説明した)店員を呼んだのだが、二人はもう注文を決めたのだろうか…

 

 

「私は…ボロニア風ミートソースとほうれん草のソテー、それにコーンクリームスープとガーリックトーストで」

 

「私はこの、彩りイタリアンサラダとミラノ風ドリア、辛味チキンとフライドポテトにするわ」

 

意外と食うんだな二人とも…

 

それじゃあ俺は…[これにしよ!ねぇねぇ提督っ!][はいはいわかったよ…]

 

俺は川内の示すものを予め定めていた予算額の範囲内で…俺の胃の容積内で選定する

 

「生ハムピザとミックスグリル…あとはチキンとキャベツのサラダにするよ、あとドリンクバーを人数分と…プリンアンドティラミスを二つ、コーヒーゼリーを一つ食後に」

 

無論、食後のデザートプランアンドティラミスは二人にだ

 

「はい、ご注文確認させていただきます、ボロニア風ミートソースをおひとつ、ほうれん草のソテーをおひとつ、コーンクリームスープをおひとつ、ガーリックトーストをおひとつ、彩りイタリアンサラダをおひとつ、フライドポテトをおひとつ、パルマ…いえ、失礼しました、

 

生ハムピザをおひとつ、ミックスグリルをおひとつ、チキンとキャベツのサラダをおひとつ、ドリンクバーを三つ、食後にプリンアンドティラミスを二つ、コーヒーゼリーをおひとつ…以上でご注文は宜しいでしょうか?」

 

「はい」

「ご注文ありがとうございます、料理が届くまで少々お待ちください」

 

教育の行き届いた店員は足音も立てずに去っていった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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