戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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(きざはし)

「あんまり炭酸飲み過ぎるなよ〜?」

 

「司令官がメロンソーダ飲むっていうから私はコーラ飲んでるだけよ」

「オレンジジュース美味しい」

 

神風と雷はどちらも酒飲める艦娘なのだが、序盤に酔ってしまって状況を楽しめないことを警戒しているのか、それとも車を使っているので酒を飲めない、そもそも飲まない俺が上官だから

上官に合わせる形で配慮している、という事なのか

 

酒は飲もうとしない、追加注文はいくつかあったが、ワインやビールはガン無視だった

 

「そういえば、酒は飲まないのか?」

 

「飲めるけど…車は揺れるでしょ?」

「司令官は飲んでないじゃない、部下が先に飲むわけには行かないわ」

 

見事に予測通りな答えを返してくれた神風と、別な意味でダメだったらしい雷

怯え顔の雷は可愛い

 

トレードマークの八重歯も引っ込んでいるが、これはこれでまたアリだな

 

「…しばらくは大丈夫さ」

 

「しばらく後は揺れるのね」

「そりゃぁまぁ、帰るときには同じ道を使わざるを得ないし、揺れるよ

それは仕方のない事だ」

 

そして俺は可愛い雷とキラキラした神風を伴って、心の友(ア○メイト)へと赴くのだった

 

「…美少女ゲームばっかね」

「需要と供給ってのがあるんだろ、そもそも店ごとに客層も違うし

女児向けゲームは数が少ないからな」

 

まぁ、ゲーム店ごとの系統や時期、その期の流行りにもよるし

一部地域においては店全体の殆どが一つのアニメに集中して、実質専門店状態だった事もあったと言われている

 

「で、どうしようかなこれ」

 

見事にフィギュアやらカードやらが並んでいる棚ばかり、まぁ今やPS3がレトロゲームにカウントされる時代、そもそもハード面の時代が隔絶しているせいでロクなソフトが無い

 

「この際だし、型落ちでもいいから別ハード揃えたほうがいいのかなぁ」

 

ハードを変えるごとにそのゲーム対応型のソフトを違う形のパッケージで売り出すのは、古いハードのカセットで新しいハードに対応してしまったら、同じゲームを『移植版』『復刻版』などと銘打って再販するときに『すでに古いバージョンのソフトを持っているから』と買わない人が多く、客層をまったく獲得できない可能性があるからだが

 

それにしたって毎回形が変わってしまうと正直買い直すのが面倒くさい上に

ソフト-ハード間の対応を気にせねばならない、ファミコンのカセットをスーファミでプレイできたように、前バージョンに対応してくれればありがたいのだが…

 

ゲーム会社的にそれはNGなのだろう

 

「…よし、あったぞ」

しかし、やはりというかなんというか

一部古ゲーのタイトルにはやはり独特の吸引力があるらしい

スーパーマリ○シリーズの作品群や、ロック○ン X EXE、流星の各シリーズ

ポケッとモンスターシリーズ、『アトリ○』作品群などは最古レベルに古いハード、DS版のカセットで売られているのが目に付いた

 

「…さすがだよなぁ…」

 

一部は箱まで残っているらしいが、さすがプレミア、かなり値が張るようだ

古ゲームもここまでくると逆に型落ちとすら呼ばれなくなって価値が出るんだな

 

「ねぇねぇ!司令官!」

「なんだ?…そもそも鎮守府の外で司令官はやめてくれ」

 

いささか注意が遅くなったが

そもそもの問題として、これは言わないわけには行かなかった

 

「俺たちは今、休暇中なんだ…ここでは司令官だの中佐だの駆逐艦だのとは呼ばないで行こう」

 

「え?…でも司令官はずっと司令官とか技師さんって呼んでたから名前…」

 

「雷……」

 

服の裾を引っ張る雷がチラチラとこちらを見てくるが、どうも俺の名前は出てこないらしい

 

「…蒼羅、神巫蒼羅だ」

「かんなぎさんね!」

「…クッソ…本格的に偽名を立てようかとすら思った…」

 

「そもそもお忍び外出に本名使う人がどこにいるのよ」

 

いつのまにか左側に来ていた神風が脇腹をつついてくる

「…じゃあ偽名立てるか?」

 

「今更じゃない、それに慣れない偽名なんて意味がないわ」

 

呆れた、と言わんばかりの表情で肩をすくめる神風に反論する

「矛盾してるぞそれ」

「根本論と言って…はぁ、まぁ仕方ないわ、神風+雷(《 私達)は今まで通りでいいから、司令官のことは神巫さんって呼びましょう」

 

「…まぁ仕方ないか」

 

「分かったわ!」

 

快活な声の雷に心を洗われつつ

店を出る

 

「隣の方はどうだよ?」

 

いわゆるレトロゲー系統の店らしいが、こちらは全国展開していないようで

屋号に見覚えはない

 

「…こっちは…なるほどね」

「この店はアレか…2010年代のゲームをハードごと集めた、みたいな感じだな」

「店の名前はエレビィボックス、宝石箱(ジュエリーボックス)とバッテリーの蓄電池(エレキボックス)を掛けてるのかしら?」

 

「なるほど…あこれ面白そう」

「そのゲームはJETコンバット、戦闘機を操る空中シューティングゲームだ

そっちはタジャドルファンタジー、自キャラのフェニックスは不死身の能力を持っているが、戦闘力が低いため、復活再挑戦を繰り返す王道とは少し離れたRPGだ」

 

ガシャッ!と鳴りそうなカセット達を指し示す雷に、その箱の裏に書いてあった説明はを暗唱してやる

 

「司令官やったことあるの?」

「いや、ないよ?裏に書いてあった、記憶力はいいんでね」

 

「へぇ…すごいわ」

「あと、神巫さんと呼んでくれ」

「あ!ごめんなさい司令…神巫さん」

 

結局いくつかの土産ゲームカセットを購入しただけで終わった…まぁレディース衣料品はやたら高価だし、むしろ金額的には低く抑えられた感じはある

 

「よし、第一関門クリア」

 

時刻は15:10、ここから移動してナイターに十分間に合う時間だった

 

「よおし二人とも、中間休憩終了だ…車移動、再開するぞ」

 

「え?」「まだ移動?」

「あたりまえだ、そもそも目的地じゃなく休憩地点だからな…土産の小物とかもあんまり買ってないだろ?」

 

「そういえば…」

 

「それじゃ移動するぞ…ナイターになるけど夜平気か?」

「大丈夫よ、夜戦なら得意だわ」

「私も大丈夫よ」

 

雷と神風の返事を受けて

半ば確認じみた言葉なのだが

それでも了承は取ったとして

 

「車出すぞ」

再度乗り込んだ車のエンジンをかけるのだった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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