戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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長話

「…雷?」「うぅ……〜〜」

 

泣き声になっている…本当に状態が悪い道だからな…すまん雷、本当に

あとでゆっくりと茶でも飲め

 

「鎮守府に帰ってきたわけだが」

「状況は把握している、提督の休みが若干の短縮を強いられてしまったのは残念だが、我々は提督がいなければ動けないからな」

 

どうも事情については聞き及んでいたようだ…というか、事前に危ぶんで備えてすらいたように感じる

 

「長門、悪いが雷が限界だ、道が悪いのでね…先に休ませてやってくれるか?」

「了解した、暁を呼ぼう」

 

「それじゃあ、荷物はこっちで預かりますね」

 

長門と大和が手早く雷を連れて行った

「アレほどまでに手際がいいと逆に怪しい」「そう言ってはいけないのよ、司令官、私たちは当事者だし、まずは状況の報告をしましょう

情報の共有は大切よ」

 

神風が大人っぽい顔になり

何やら当たり前の事を説いてくるが「最初からそのつもりだよ」[提督大人気ない]

 

[大人気ないとかいうな、俺に人気がないのは良く知っているが、大人気は十分に備えていると自負している]

[などと意味不明な供述を繰り返しており…]

[だからよせ!]

 

大和にさりげなく渡された儀装達をガチャガチャとしまいこみながら頭の中では川内と話している、無論ながらに本気で言い合ったりはしないが

掛け合いついでに、と言ったところだ

 

「まず、俺たちの出せる情報を整理しよう、不用意にあの深海組二人の話を出したら逆に危険だ」

「いいえ、司令官それは順序が逆よ、そういう非常事態だからこそ、普段見られていないあたりに視線が寄るもの、そこで下手に露見なんてしたらあの二人の抗弁なんて『深海棲艦のスパイが嘘をついている』って切り捨てられちゃうわ、だから先手を打ってこっちから情報を渡して保護を願い出るの」

 

「なるほど」

 

ヒソヒソとばかりの怪しい内緒話だが、扶桑さんはなにも聞いていない事にしてくれているらしい、

 

「お、お話は纏まりましたか?」

「無論だ、神風の説明があるから、そっちから聞いてくれ、俺が補足を担当しよう」

 

さりげなく面倒な部分を神風に任せて、俺は静観の構えを取る、面倒ごとは正直嫌いだし…深化の影響でまた侵食率が上がってしまっているのだから、あまり激しく疲労するような事をしたくない

 

「…わかったわ、では私達の別行動中について、ざっと話すわね」

 

神風は今の一瞬で頭の中の内容を一気に纏めたらしい、時折説明や写真を交えて情景が伝わるように話している

 

プレゼン上手なのね?

 

「…で、ちょうど観覧車が真上に来たところで日が沈んでね、その時の司令官ったら、もう可愛くて」

「ええい止めろっ!」

 

危なかった…なんかすごくイメージに合わない何かを植え付けられてしまうところだった

 

「…これがその時の写真ね、後で現像して鎮守府に寄贈するわ」

「おぉ〜…」

「雷ちゃん可愛い…」

「提督かっこいい…」

 

なんか予想外のリアクションが山積みだなぁ…まず、その話よりも早く

するべき話があると思うんだか?

 

「ホテルで朝食を食べた後、ちょっとお土産屋さんに寄ってから、沿岸側の街並みを見せてもらったわ、これなんだけど…ほら、とっても綺麗でしょ?」

 

その地形がほぼ廃墟なんて言えない…

 

「そのまましばらく見てたんだけど、そのあとお腹が空いてきたから、ラーメン屋さんに行ったの、そしたらそこは、ヲ級とタ級が切り盛りしてるラーメン屋さんだったのよ、狐狗家っていうラーメン屋さんだったわ」

 

「ヲ級とタ級?」

「どういう事?」

 

「そこにはドラマがあったわ…」

 

 

神風はいかにもラブロマンス風に話しているが、実際はそんなことではなく、単なる生存競争によるステージ移動で陸に来ただけであり、それが海軍に見つかることなく上陸に成功しているという大問題でもある

 

近海の制海権を確保しているのは日本海軍であって深海棲艦では無いはずなのだから

そんなところに平然と出現している訳がない……と信じ込んでいる無邪気な国民たちの夢を壊すわけにもいかないからな

 

『気づかないうちに陸上に侵入を許していました』なんて醜聞の中でもトップクラス、海軍史上最大レベルの汚点である、もちろん海軍嫌いな報道者どもは嬉々としてセンセーショナルに書き立てるだろうし、彼女らが無害だと知れば今度は深海棲艦の陸上侵入を許すな、などと騒いで群衆は石を投げるに違いない

 

無害だと知れば攻撃し、

報復のために砲を向ければ海軍を盾にする、それが『一般人』という連中なのだ

 

「立場ある軍人としてはどう振る舞うべきか…」

一応俺も中佐の階級を頂く士官、俺個人としては技師時代の方が好き勝手に動けたのだが…

 

 

「提督、我々の鎮守府で保護するというのは」

「断られたよ、それはもう俺も試したさ」

 

「そうですか」

最初からわかっていたような表情の扶桑さんは、またも、敢えて言っているような事を言い出した

 

「…周辺の鎮守府に連絡を飛ばして、彼女らが無害であると告げておいた方が…」

「残念ながら、最寄りの鎮守府は武闘派で知られる原霧鎮守府、そこを流してしまうわけにもいかないし、下手に知られれば討伐されかねない」

 

「…やはり…」

 

頭痛のタネだな、こりゃ

 

「…我々の方からも、一応ながら提言と情報がある、提督、この前の離島鬼姫、それに関連する情報で、さらに発展があった」

「…聞かせてもらおう」

 

「承った」

 

長門からの説明は非常に長く、そしてたしかに要約された…つまり、切り詰めた上で話の長くなるような、複雑な話だった

 

「…んで、その六重の連謡が大規模な活動に入る可能性がある、その前触れとして偵察が放たれた…と?」

 

「そう目されている」

 

なんともタイムリーな話だった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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