「あらかた完了、か?」
「だと思うけど…今できることはやりきったでしょう?」
伺うような俺の声に、ビスマルクが腕を組みながら答える、その胸が腕に乗り上げているのはわざとか?
「だな…戦術は艦隊編成、予備編成1.2それぞれ最適に組めたはずだ、予備プランも三つある、資材の心配はやや大きいが、一網打尽を避けるために集積を避け、三箇所に分散配置する 五十鈴を含む対潜系の艦娘による指導もすでに予定は出ている
…会議でここまでやるのは、少しやりすぎたとすら思うが、万全の備えを取っている、といえばそうなんだろうな」
長門が総括してくれたが
めっちゃ長い会議は多数の案を出しながら対策の方向性や具体的な方法、戦術、メンバーの交代までを考慮しながらさまざまな対応策を作り出した
中には既存の艦隊教義には存在しないような、全く新しい戦術まで組み上げた戦術もあったが、それらを含めた上である程度の波風程度で終わったと言えるだろう
やれることはやった、十分だ
「会議は終了、あとでメモを資料にして整理し直すから、…金剛、頼んだよ」
「了解デース!」
事務仕事に慣れている艦娘の中でもひときわ業務歴の長い金剛を指定して
とりあえず作戦資料の作成を頼む
金剛なら…ちゃんと真っ当な資料になるはずだ、語尾とか残るんだろうか?
いや、金剛の上げてきた報告書に『デース』が載っていたことはない、つまりあの語尾は報告には出てこない、資料にも謎の口語体なんかは出てこないはずだ
「…まぁいい、今できることはやったんだ、後はできることが出てくるまで待つ
対六重の連謡よ作戦は万端だ
練度上げもそろそろ頭打ちの99、資材も十分に揃っているはず、やれる」
わざと声に出しながら状況を整理する
一つ一つの状況そのものは我々に最善の道を行っている、と伝えてくるが
それでも6対の全く異なる姫が
同時に攻めかかってくるなんて悪夢すぎるイベントだ、最悪の場合は
鎮守府自体を放棄する必要にすら迫られるだろう、なにせ相手はあの鬼姫を作った張本人どもなのだから!
「一応、拠点の選定と機能の回復はしておくか…」
逃げ延びた先が廃墟じゃあ仕方がない、ちゃんと拠点として扱えるように
逃げる先のポイントの方には
手を回さなきゃならない
「よし!」
「もう出るの?まだ早いわよ?」
「向こうは姫でもひとりふたりなら迎撃、撃滅に成功するだろう強力な鎮守府
盤外戦術は卑怯かもしれないけど、ここで確実に仕留めるためには一気呵成に攻めかかって押し潰すべき」
相変わらずツンツンした性格の姫を制止して、しかし振り払われてしまう
結局のところ、メンバーとして
一応、程度に考えいるようで
そもそも私と会話するつもりはないみたい
「…しっかり弱らせてから最後の一口だけにしたほうが絶対楽なのに…わざわざ総出で行く必要もなくなると思うし、そっちの方がコスト的にも安上がりよ?」
…艦娘との関係は殺し合い以外にないとは言え、あまり積極的に殺したくはない
なんて言えない…
「諦めた方がいいわ、あの子は血気盛んだもの、ライバル視されてる貴女じゃあ、そもそも言葉を届けられないわ…それに先鋒にちょうどいい
当たって砕けるか、それとも砕くか弾き合うか、それを見届けてから出た方がいいわ」
「前半が建前で後半が本心だとはっきりわかるわ」
さっさと出ていってしまった彼女の背中を見送りながら、その姿を嘲笑う戦艦、はっきりいって貴女の方がムカつくわ
陰湿な性格が災いしてか
そもそも普段の行動が悪いのか
とにかく間や運に恵まれないと僻んでいるその女をさっさと視界から切り離すべく
私は足を…陸側へと向けた
「…これもまた、深海の意思…」
深海勢力に君臨しているけど
私はもう、ダメかもしれない
「…資材の集積は十分!戦力は予備用に残しておこうと思う、よって!
駆逐艦、潜水艦、軽巡艦による遠征サイクルは一時停止します!」
翌る日の朝
俺は食堂にて朝食をとっていた彼女たちの前に、唐突に現れて、大きな声で宣言した
それは非常事態宣言でもあるが
同時に
特に潜水艦は喜びの色が浮かんでいる
「でち公は一人でオリョクル行きたいのか?」
ナメくさった顔をしていたでち公に釘を刺しながら、ほかの艦娘達の顔を見回す
軽巡は悟っているようだ
帰ってきた直後の俺たちが
なぜ突然会議を開いたのか
なぜこのタイミングで資材集めを中止したのか、
駆逐艦は分かっている
今海に出るのは危険だと
自分達の実力では太刀打ちできないほどに強力な深海棲艦が現れたのだと
潜水艦は理解している
自分たちの最大の仕事とすら言える
「…つまりだ、近いうちに大規模な戦闘が…おそらく侵攻が起こる…それに備えるべく、普段遠方に出している戦力を回収、全力を持って防衛にあたって貰う、こういう事だ」
俺も表情が豊かな方ではないが
自分の顔がかなり強張っていることは把握できた、おそらく艦娘達にも
「…迎え撃つんだな?」
その緊張感は伝わっている
「あぁ、その通りだ」
木曽の言葉に、飾り気なく答えながら
俺は意識して声をフラットに戻し
「今回の作戦は大規模な防衛戦
作戦そのものは追って説明するが…まぁ、いつもの本土防衛が大規模になって
…一鎮守府に収束しているだけのことだ」
近づきつつあるその悪意を
ひしひしと感じながら
それでも俺は、自信満々に笑ってみせる
「毎回の事だけど、死ぬなよ?」
みんなに声をかけて
そして、俺はクールに去ろうと言うその時
「食事中に話す事じゃありません!」
視界に火花が散った
600話記念番外編は
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……