次回で出撃です
みんなにはまだ伝えていないが
嫌な感覚は徐々に近づいている
現在はまだ遠洋だが
おそらく明日の14:00ごろに鎮守府正面海域に出てくる程度の速度で接近中
これがいかなる個体なのかは不明だが
とにかく決して弱くはない
俺の感覚は深海棲艦の中でも強力な個体を識別する程度しかできないので
必然的に鬼級か姫級しか識別できない
もし複数の姫が集団で向かっているのであれば射程ギリギリから全力で狙撃をかますのだが、相手の種別や個体、数が把握できない以上は撃ちようが無い
「これも伝えておくか」
流石に伝えずに情報を握りつぶしてしまうのは危険だ、対策を立てる時間がある
程度には金剛に伝えてはいるが
それだけで敵が来る時間を正確に把握するわけがない
そもそも強力な姫は隠蔽能力も身につけていることが多く、通常時は索敵能力持ちでも気づかせない事が大半
いくら勘が鋭かろうが
姫が接近しているという情報だけで正確な到着時間までは掴めないだほう
「うん」
まずは…するべきことを纏めよう
バラバラにやるより
段取りを考えて段階的に進めたほうが効率がいい、するべきは…
まず、敵戦力の到着までの推測時間の提示、対策としての陣形『ヘキサグラム』の開示、大規模な攻撃に備えての周知徹底および周辺鎮守府への支援要請
大きく分けてはこの三つだろう
そのほか細々とした作戦の立案や会議もあるが、要約すれば三つに絞られる
一番最初に終わったのは
最後の支援要請
これは金剛に連絡を頼んだので抜かりはないと思う、確信はないが
金剛は実力もキャリアもエースの名に恥じないだけはある上に、実務経験の長い事務適性も備えた艦娘
必要なことを抜かすような失敗はしない筈だ
B:5D『ダイヤモンド・ウェディング』の構成材質のようなどう見ても選択ミスな行動はとらないと思うし
「…まずはみんなを講堂に集めるか」
現在の時刻は昼過ぎ、12:55
昼食は済んだ頃だろう
連絡をかけなければ
「みんな、集まってくれてありがとう…とりあえず必要な情報を開示するから
静聴してくれ
近く、この創海鎮守府に、極めて大規模な深海棲艦の襲撃が来ると予測される
推定到着時刻は翌日14:00頃
この深海棲艦達は姫級6隻の艦隊を中心とした極めて大規模な勢力である」
以前食堂でも行ったことに
詳細な情報を付け加えて
正式な情報開示として宣言する
「この侵攻に対して、我々が取り得る対策はたった二つだ…①何もかも捨てて内地へ逃げ、大本営他最精鋭艦隊に後を任せる②徹底抗戦し、これを撃滅する
俺個人としては①を推すが、
この侵攻に際して、侵攻ルートを再調査したところ、侵入路として使われる危険性が高いポイントは6つに絞られた
これを6つに分割編成した艦隊で各個抑え、侵攻を迎撃する」
パッとスクリーンに表示された映像は、鎮守府周辺の地図、および海図
「このように、鎮守府を囲むように存在するポイント甲、乙、丙、丁、戊、己の6点がそれだ…なお、己については陸上ルートとなるので、そちらの専任となる艦娘を選定してある
防衛における各ポイントの人員配置についてはある程度決まっているが
各員の希望もできるだけ取り入れるつもりだ…以降、この6点防衛配置を『ヘキサグラム』と呼称する」
ここで一旦みんなの反応を見るのが普段の俺なのだが、あえて定石を崩しつつ
速攻で進行を取る
「6点においては、必ず一人戦艦が入るんだが」
「ハーイ!現在の鎮守府の戦艦は五名デース!なので私が二Pointを兼任しマース!」
「とのことだ、高速戦艦の金剛なら防衛点を二つ掛け持ちしても十分なフォロー体制があれば戦力的にカバーの範囲内であると判断した
ではここからは編成の説明に入る」
俺はそこからも一気に
戦力の配置や絶対に必要な固定メンバーなどの情報を出した上で、変更や辞退を申し出る者を待った
のだが、誰一人文句は言わなかった
「と言うわけで…戦力配置はこれで決定しようと思う!異議があるものは申し出てくれ!」
(しー…ん)
「よし!これで決定だ!
内心喜ばしくない配置になっちゃった子もいるかもしれないが、あとでこっそり言ってくれればちゃんと対応はするぞ」
プロジェクターを片付けて
配置を終了、それからは初期配置となった30人の艦娘に各々の要求される立ち回り等を簡単に説明して、時間が厳しくなってきたので夕食を先に済ませることにして一旦解散した
「と言う名の単なる移動だよなこれ」
「結局、みんな食堂に来るのは変わらないからね…」
「夕食となれば鳳翔さんの所に行くこともありますけど、今日はみんなこっちに来ていますね」
さりげなく俺の両隣を確保している扶桑と時雨が腕をホールドしてくる
「あの、久しぶりのうどんをですねぇ」
「却下するよ」
「ならリゾットを」
「だめですよ、提督」
…………どうすればいいんだ
なんとか消化のよい、久しぶりの食事でもショック症状を起こし辛いものにしようとしているのに、俺のそんな注文傾向は完全に読み切られている
「…間宮さん助けてくれないか」
「ダメです、
「楽しんでないかアンタ!」
「食事は楽しみですよ?提督、事務的に食べるだけなのは単なる補給です、楽しんでこそ食事なんですから」
「…そうだったね間宮さんはそう言う人だったよ…」
「うふふ、ご理解いただけて何よりです、さぁお二人が待ってますよ」
言わないでくれ間宮さん
せっかく現実逃避していたのに
「あぁ…なんでこうなるんだ…」
ただ久しぶりに食事しに食堂に来ただけなのに…二日ぶりの食事すら満足に出来ないなんて
こんな扱いは非人道的だ
大本営に軍規を正してもらうように連絡しなくては…
「ていとく、さぁ」
「っ!?耳元で囁くのはやめてくれないか」
「あ、扶桑ずるいよ、僕も真似しようっと…提督」
そっと耳元に口を寄せて来た扶桑と、それを真似してくる時雨のソフトボイスに思考が停止して、そのあと気づいた時には執務室の椅子に座っていたんだ
なにがあったのかは俺にはわからない
600話記念番外編は
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……