戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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プロットなし、二時間クオリティ


地点甲・旗艦ビスマルク

「…配置は終わったけど…まだ遠いのかしら…?一応対空警戒だけはしておいて」

 

「了解、対空警戒を維持します」

 

「索敵を継続、敵影は怪しかろうとすぐに報告して」

《了解!》

 

ビスマルク旗艦の甲地点では

浅瀬が多く、潜水艦の機能を満足に果たせるとは言えない海底地形をしており

座礁の危険を見越して

無駄な動きを避けるように呼びかけていた

 

対空警戒の能力が高い空母と軽巡を取り入れ、浅瀬を機敏に回避して攻撃できる駆逐艦で埋めた編成の艦隊編成だ

 

メンバーはビスマルク以下、蒼龍、飛龍、木曽、陽炎、不知火

総評としては有名どころを集めたような面食いチームだが性能も練度も高い

 

弱点を強いて言えば火力特化編成に対しては砲撃戦能力に劣り、昼戦の二巡目が不利に働く可能性がある所だが、そこは空母以外のメンバー全員が回避高めなのでカバーも効くだろう

 

「…いまなんか扱き下ろされた気がしたけど…偵察隊出すよ」

 

飛龍が偵察隊を出して

敵航空機による強襲を警戒しつつ

索敵範囲を拡大する

 

「……………」

目を閉じて集中しながら

偵察に出した部隊からの情報を集め

 

「……6隻、11時の方向から接近、方角から見て敵ですね」

「索敵機は敵警戒網に掛かる前に離脱させて、生還を最重視、序盤の損耗は後に響くわ」

「了解」

 

ビスマルクも流石は戦艦といったところか、敵発見の報告に対し

そのまま強行偵察ではなく

即時離脱を宣言、待ち受ける構えを取った

 

「逃げも隠れもしないというのなら

こっちはせいぜい踊らせてあげるわ

…浅瀬の多い地帯だもの、満足に動けなくても攻撃が可能な空母系が多いと思う」

 

必然的に、どれだけの数を迎撃できるか、そしてどれ程早く中破に追い込むか

それが問題点となる速攻勝負

 

ビスマルクは冷静に戦いの全体像を俯瞰していた

 

「…射程距離に入るまでは掩蔽物に隠れて、安全なルートだと思わせて

十分に引き込んだところで一網打尽…っていうのが理想だったんだけど

空母が来るんじゃそうもいかない

わざと少しずつ下がって『釣り野伏せ』式に行ったほうがいいわね」

 

日本語が流暢すぎると言われかねないビスマルクだが、実はビスマルクはかなり頭がいい、日本語ネイティブスピーカー相手にしばらく接していれば日本語の習得および修正くらい余裕である

 

「…目視距離に入ります

一旦下がって隠れますか?」

 

不知火の言葉に、かぶりを振ったビスマルクは

 

「逆よ、微速前進、距離を詰めるわ

できるだけ直進できるコースで移動するわよ」

 

少しずつ下がって引き撃ち、からの暗礁地帯に誘い込んで一斉砲撃

それには自分側にも下がるスペースと、自由に動けると相手に錯覚させるくらいの軌道が必要、故にビスマルクは前進を指示する

 

《了解》

 

「慎重に前にでて、同時に周囲の地形をはっきり覚えておきなさい

砲戦中に突っ切るんだから

ミスって乗り上げたら的になるわよ」

 

周囲への注意喚起も欠かさずに行いながら、臨戦態勢を万全に整えて

 

《敵艦隊発見》

 

「偵察ボーナスで命中・回避upが入ってる今のうちに、木曽!」

「おう!開幕雷撃 いくぞ!」

 

甲標的と無理やり積んできたらしい5連装酸素魚雷が甲標的とのコンボで開幕雷撃を発動させ

発射された魚雷が敵艦隊へと進む

 

「今よ!航空戦に入って!」

「「了解!第一次攻撃隊、発艦!」」

 

提督の指示を待つだけでなく

旗艦自身が戦場を俯瞰し、

先頭を切って戦闘を指揮する

 

それは確実に、『提督に頼らない艦娘』を作っていたし、同時に『戦場でのレスポンス向上』を生んでいた

 

いちいち判断を委ねて問うだけではない、最善を考えて、行動に起こす

 

それができる艦娘こそが

『真に自立した艦娘》なのだから

 

(考えなさいビスマルク

次の手を、その次の手を、相手に思考速度で負けてはいけない、頭を止めない

それが勝機を見出す鍵よ!)

 

敵艦隊の編成は戦艦1、重巡2、空母2、軽巡1、奇しくも似た編成だが

 

たった今、空母の片方が脱落した

 

「よし!仕留めた!」

 

陽炎が快哉を叫ぶ

 

航空戦による強襲に対応すべく艦載機を飛ばした空母ヲ級、その足元に、木曾の放った魚雷が命中したのだった

 

「油断しない!敵は無尽蔵よ!…砲撃戦開始!」

 

脱落した片方の空母を無視して進んで来る敵艦隊、重巡と戦艦の火力を脅威と見て、戦艦を優先攻撃するビスマルクと、反対に軽巡、空母の2隻に集中攻撃をかける五人

 

「…先に対空能力を奪うわ!」

「制空権確保!」

 

「行くぞ!」

 

木曾の武装は砲戦に向かない魚雷装備、しかし、砲撃ができないわけではない

闘志をみなぎらせた木曾は

 

砲弾を手投げしてみせた

 

「よし!命中!」

「敵戦艦に注意!攻撃して来るわよ!」

「後退します!」

 

戦艦タ級の主砲射撃を散開して躱し

一旦全員でバラバラに下がる

 

「……まだよ……陽炎!」

「いよいよ私の出番ね!」

 

陽炎が単騎で突出、再反転して

相手に背中を見せたまま砲撃、それを戦艦タ級の主砲に命中させて見せた

 

曲芸射撃

 

「ふっふ〜ん♪」

「キ…貴様ァッ!」

 

そのあまりにも余裕な姿は

戦艦としての誇りを持っていたタ級をいたく傷つけ…その冷静さを奪った

 

タ級は怒りに突き動かされるままに、既に中破して、戦力を失ったヲ級とリ級をその場に置いたまま残艦を率い、突撃制圧を試みたのだった

 

「私ハ戦艦ダ!火力デ駆逐艦二負ケルワケガ無イダロウガ!」

「…その油断が命取りです」

 

不知火の言葉通り、

揺らめく陽炎のスカートに夢中になっていた戦艦タ級は、そう、当初の計画通り

 

浅瀬に誘い込まれていた

「一斉攻撃よ!」

「「第二次攻撃隊、爆撃」攻撃開始!」

 

「弱すぎる!」「沈め」

 

周囲が浅瀬では陣形を維持することすら困難、真っ当な回避運動など到底取れない

 

3分後、残っていたのは

中破のヲ級とリ級だけだった

 

「貴女達も、沈んでもらうわよ」

 

それも今、海の藻屑と消える

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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