戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

332 / 649
地点乙 旗艦大和

大和の率いる艦隊は便宜上第二艦隊

 

大和以下はキャリアの長い古参艦娘で占められた実力派精鋭部隊だ

 

メンバーは大和、天龍、時雨、初春、伊58

フルメンバー6人に対しては一人欠ける形になる五人の艦隊である

 

「…31人の一斉出撃、今までなかっただけに、予備人員を含めて欠員が目立ちます

なので、私たちが各々最大限努力し、その人員の穴を埋めなくてはなりません

陸側の長門さん、明石さんたちが気になりますが、それよりまずは

この戦線を守りきることを優先してください!」

 

《はい!》でち!」

 

「今までなかった形、か…」

 

天龍が空を見上げながら呟く

ボンヤリしているように見えて

天龍の改二は対空特化型、これでも空襲や偵察機を気にしているのである

 

この艦隊は艦娘全体から見ても、鎮守府の艦娘という括りでみても数少ない改二実装者である天龍と時雨の改二による爆発的な攻撃、制圧能力が評価されメンバー一人が欠けた状態でも十分であると判断されている

 

6+5+5+6+5+4

 

特殊すぎる編成の艦隊のうち、フルメンバーなのはビスマルク=甲地点の艦隊と

金剛=丙地点の艦隊だけ

ほかはどこかに欠員がある

 

「…それを補うための努力です!」

 

砲を水平線の彼方へと向けながら

大和は呟く

 

その瞬間…「来た!」

 

敵空母による航空機隊が接近して来たのを天龍が感知、即座に機銃で迎撃を開始した

 

「わぁ〜怖いのいっぱいみーつけちゃったぁ」

 

伊58は即座に潜行を開始

 

「ゴーヤ 改放…ゴーヤ改でち!」

 

攻撃準備を整えると同時に、姿を隠す

無論、天龍によって偵察機は全機撃墜されている

 

「……大和の射程外ギリギリから一方的に射撃、殲滅しつつ、それを突破してくるものには不意打ちの魚雷、やるべきことは対空と夜戦時のトドメじゃな」

 

「敵の戦力によっては僕と天龍さんは突撃することになるから、その時は頼んだよ」

 

「任せておけ、伊達にこの仕事を長くやってはいない、完璧にやってみせるさ」

 

となりの時雨に応えた初春が

視線を敵に戻した直後、ついに相手の一番先頭が射程距離に入った

 

「よし!射程に捉えました!」

〈弾着観測射撃、行くぞ!〉

 

鎮守府から飛んで来た瑞雲…提督機が通信を飛ばしてくる、

瑞雲に向かって微笑みながら

大和は砲を構えて…通信を開く

 

「…行きますよ…第1、第2主砲、初段装填完了!発射!」

 

大音響とともに、その主砲たる

46センチ三連装砲が火を吹き

敵影のすぐそばに水柱が上がる

 

惜しくも、敵駆逐艦を逃したようだ

 

〈初段は夾叉!第1主砲-1°修正を要請!〉

「夾叉か…うん、次は直撃させます!」

 

大和言葉通り、次に放たれた第二射目は敵戦艦に直撃、一瞬にして轟沈させた

 

「やりましたよ提督っ!」

〈お見事!この調子で後も頼む〉

「はい!」

 

大和の通信は当然となりにいる時雨には聞こえており…

 

「いいなぁ…提督に褒めてもらえて」

 

「あまり気にするような事でも無かろう、あちらさんはこれから数が増える

どれだけ沈めたかで褒めてもらえば良いだけのことよ」

 

「わかったよ…頑張る」

 

気を(はや)らせかけては

初春に諌められていた

 

「…そろそろ中射程に入ります

敵の反撃に注意してください!」

 

敵艦隊は戦艦ル級、タ級、軽巡ホ級、輸送ワ級、駆逐ロ級、駆逐イ級、各々が目に炎を灯したエリートやフラグシップだが

 

「…ヴォォッ!」

 

たどり着いたのは戦艦ル級、軽巡ホ級、輸送ワ級の三隻のみ、ほかは大和によって既に沈められていた

 

「…アイツハ運ガ悪カッタノヨ…

私ハマケナイワ!」

 

タ級は一撃で沈められたル級を置いて全力で突進し、大和の主砲による一方的な攻撃の範囲を突き抜けて来たのだが

 

「気合いを入れているところ悪いけれど、もう終わりだよ」

「残念だったな深海野郎!」

 

非常に間が悪かった

 

「徹底抗戦…いや、殲滅戦じゃな」

 

それ以上に気合いの入っている連中に、真正面から突っ込んでしまったタ級率いる残存艦艇は、圧倒的火力の中に当然のごとく溶けるのだった

 

「…大和が一番ですか」

〈そりゃあ半分壊滅させてればそうもなるよ…〉

 

もはやイジメのようなのだが

後ろにまだまだ数がいる事を考えると、正々堂々やらなにやらにこだわる訳にもいかない

出来るだけ早く、多量に撃沈出来るに越したことはないのだから

 

「…来る…もっと来るわ」

 

大和の警告と同時に深海艦載機が雲霞の如く湧き上がる、深海棲艦の姫級が

敵首魁が近づいている

 

「…総出で来るなんてね…」

 

空母ヲ級フラグシップ3隻

戦艦ル級、駆逐棲姫、重巡ネ級

 

危険すぎる組み合わせ

 

「…さぁ、第2ラウンドよ!」

「天龍」「時雨」

 

「「第二改放」」

 

二人は躊躇なく札を切る

 

そうしなければやられると分かっているからだ、そして空を埋める艦載機の群れに

天龍が吠える

 

「…お前らに仕事はさせねぇ!」

 

換装された装備をひっ掴み

正確に狙いを立てながら、

 

「大和!」

「総員発砲許可、潰して!」

「了解じゃ」

「おおっ!」

 

「…その姿…やはり…」

 

初春と天龍が対空砲火を展開

限界を超えたスペックの攻撃が

空に放たれ、

 

「来たんだね…春雨!」

 

時雨の悲痛な声は戦場の爆音を切り裂いた

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。