戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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今回は英語タイトル!

そしていつのまにか自作の中で最長編に躍り出ていたこの作品、、感想、評価待ってます


the azuer

「ねぇ、あれ、、何かな?」

 

「何と言われても、、漁船に見えますが」

 

「こんな島に?誰もいないのに」

 

「先程大きな振動がありましたから、それが原因で島にあった艇が海に出てしまったのでは?」

 

仲間内で、軽く話す、

何の実りもないけれど、それでも話す

 

念のために警戒行動を取り、索敵

その時私の索敵半径には、人間の反応が映った

 

「人間、!?」

 

「はぁ?そんなの、、っていた!」

 

約二百メートルほど離れた場所で

沈みかけている人間

 

その存在を確認した瞬間、私は爆ぜていた

 

「ごふっ、、誰!」

 

「敵艦による奇襲!」

相方が応える、私は即座に艦載機を飛ばし

 

同時に潜行して水中に没した人間、

『神巫蒼羅』を引き上げにかかる

 

「2対1じゃ長く続かない!早くっ!」

相方の悲鳴を聴きながら、艤装を止めて潜水した私は

蒼羅の腕を掴み、少々以上に強引に引き上げる!

 

「ほら、貴方はまだ死なないわ、だって、約束したでしょう、、私が守るって」

 

遥か昔のお別れの時に

宝物とともに交換した思い出の一つ

まだ、覚えているかしら?

 

「蒼羅、、蒼羅!、、起きなさい!」

 

初めてだけど、

弟起こしはうまく行ってくれたらしい

 

「うっ、、ぐぅ、、」

無理に引き上げた代償か、左腕を抑えて呻く蒼羅

 

「蒼羅、大丈夫よ、、貴方は死なせない」

 

「は?、、、!?」

 

「貴方は覚えていないかもしれないけど

私は神巫羽美、あなたの姉よ」

 

私は出来るだけの笑顔を作って話しかける

が、、

 

「なんだよ、、何があったってんだ!

なにがあったら俺はヲ級に引っ張られてるんだ!」

蒼羅の混乱は解ける様子もない

 

私は早々に退散してきたらしい相方に

なにがどうなっているのかと聞くと、、

「あぁ、それ深海棲艦の壁の一つや

なんやバケモノみたいな叫びしか聞こえへんのや」

 

「互いに言語を理解できないなんて、盲点でした」

 

全く、バベルの塔を有効活用したものね

こちら側の声は気色の悪いフィルターのようなものを掛けた、遠い声に聞こえるらしい

 

それは困る、弟と話し辛い

 

「ぐっ、、いって、、」

 

左腕は無理に体重を支えた代償にアザになり

何か飛んできたのか、左目は壊れていた

 

「大丈夫、、貴方は死なせない」

 

今度は聞かせるでもなくつぶやき

 

施術開始、、

 

side change

 

意識が剥がれる、、掠れて

なにも見えない

 

「うっ、、ぐぅ」

何かに

強烈に引っ張られたような跡がある左腕を動かそうとしても、全く動いている感覚はない

 

「ダ〓〓〓〓ブ〓〓タ〓〓〓ナイ」

 

「アナ〓ハ〓〓〓〓ナイデ〓〓〓ケド

ワタ〓ハ〓〓ナギ〓ミ、、」

ほとんどきこえねぇ、、って!

「なんだよ?なにがあったってんだ!

なにがあったら俺はヲ級に引っ張られてるんだ?!」

 

俺の腕を掴んだヲ級は困ったような表情で

隣にいたヌ級に話しかけ(?)る

のだが、ほとんど聞き取れない

 

ヲ級が何か言って、ヌ級が軽く返して

ヲ級が落ち込む、、そんな感じ

 

なのだが、、奇妙なことに視界の左側が欠けているため非常に見えづらい

「ぐっ、、いって、、」

 

俺が動かそうとしたからか、腕が軋みをあげる

これじゃあメンテもできない、、

 

それ以前にこの二隻に食われて終わりか

なんて考えて諦めかけたその瞬間に

「大丈夫、貴方は死なせない」

 

優しい、声が、、きこえ、、た、、

 

side end

 

ふぅ、なんとか傷を塞げたし

腕も固定できた、蒼羅はしっかりと栄養を摂れているようで、ちゃんと回復の兆候を見せてくれた

 

「よかった、、、」

「で?どうすんの?それ」

 

「それじゃありません!この子は私の弟の、」

その時、

ヌ級は冷たい声で叩きつけるように言った

 

「人間やん、敵やでそれ」

 

「ダメっ!この子は、、やっと会えた、、私の」

「さっきは勢いで拾わせてもうたけどな

そりゃアウトや、さっさと捨てえ」

 

ヌ級は蒼羅にしっかりと眼光を向け

艦載機を飛ばすつもりだ

 

私も艦載機の発艦準備を宣告し、、

同時に魚雷を受けた

 

「っ!後部被雷!」

「こっちは右舷浸水、、でも、よかったな

それ落とさんで」

 

私は慌てて蒼羅を抱き直し

 

空爆を回避する

 

「全機急速発艦!敵爆撃機を迎撃する!」

「第一次攻撃隊!発艦始め!」

 

私が対空迎撃、ヌ級が艦隊爆撃を選択

同時に発艦して、、

 

艦載機からの視覚情報に驚愕する

 

()()()()()かいな!?」

 

お友達をもじった名前、それは

『元友人だった艦娘』が敵として立ちはだかる場合の戦闘で使われる

そして、今、ここには

蒼龍と響の二隻がいて、、両方とも

私が所属していた黒杉鎮守府の艦娘だった

 

「一旦引くわよ!付いてきなさい龍驤!」

 

「それは艦娘の時の名前だ!」

 

「 ぁ、、、そうね、ヌ級、撤退するわよ」

相互空爆を回避し合い、砲撃を切り抜け、

魚雷を誘爆させて引く

 

流石に付いて来ようとはしないだろう、、

そんな考えは

 

「技師さんを、、返しなさい!」

「僕の司令官を、返してもらうよ」

 

寸毫の躊躇もなく突貫を選んだ二隻によって

粉々に砕かれた

 

「やばいな!どうするヲ級?」

「急速潜航、深海棲艦の名の由来、見せてやるわ」

 

「その人間はどうする」

「私がつれていくわ、正規空母として艦載量には自信があるの」

 

「そりゃ深化しても軽空母な私への当てつけ?」

「まさか、深化しても変わらない私自身の皮肉よ」

 

二人して辛口をたたき合いながら主機を停止

深海珠華の機能で潜水、、いや沈没する

 

「さよなら、響、蒼龍」

 

「ほな、さいなら」

 

side change

 

失敗だった、、僕たちが離れた途端だ

爆音とともに振動が伝わってきた

慌てて海を逆走し、もとの場所に戻って見れば

そこにいたのはヲ級とヌ級の空母棲艦

蒼龍さんと一緒に空爆と魚雷で奇襲をかける

 

「やった、、かな?」

「それはフラグってやつだと思うけど、、

でも、引くわけにはいかない!」

 

対空迎撃に夥しい(おびただしい)数の艦載機が出てくる

当然だ、奴はヌ級改とヲ級後期型フラグシップ

改も発現していない蒼龍では荷が重すぎる

 

「先に本体を、、叩くしかない!」

 

僕は魚雷を再装填し、電探を使って、、

『カットイン!』

魚雷カットイン攻撃を発動、

61センチ五連装酸素魚雷と22号対水上電探(改四)が輝き

一気に放射!

 

ヌ級に魚雷命中を確信した僕は

その直後に驚愕する、

とてつもない速さで回避したヌ級とヲ級が

それぞれの艦載機の爆弾と相打たせて

魚雷を誘爆させたのだ、、

 

「なんだって、、どうなってるんだ!

蒼龍!」

 

「こっちもわかんないよ!もう九九艦爆ほとんどやられちゃったし!」

 

二人して叫びあいなから、それでも

技師さん、いや、

司令官を回収するために攻撃を繰り返す

 

しかし、無情にも目の前で

反転した彼女たちは司令官を艤装の口でひとくちに捕食し

水底へと消えていった、、




実は龍驤は演技派です、、

やったね蒼羅くん!おねえちゃんと会えたよ!
(なお、本人は気付いていない模様)

ちなみに、タイトルは
アズール(空色)と読みます

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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