「長門よ…」
「あぁ、私の艤装はもはや限界を超えている、ダメージはともかく、一度停止すればもう二度と動かないだろう、だがそれでも…っ!」
苦痛に表情を歪めながらも
主砲を動かす長門
「大破した左右一番砲塔を除く砲はまだ使える…よし」
「いや良しではないが…まぁ仕方ない)
ため息をついた武蔵は
そっと手を貸して、
長門は無視しようとするが、体制が崩れる
「構うな、今のお前は立っているのが奇跡、あの提督に見せられる状態ではない
だから今は、今だけは手を貸してやる
何も気にすることはないさ」
「…ふっ…すまんな…だが」
息を切った長門は、大きく叫ぶ
「私は…誓ったのだ…提督のために、提督とともに!
未来を!守り抜く事を誓ったのだ!」
長門の咆哮は天に響く
「潜水棲姫…これで!終わりだっ!」
「ガァァァッァアッ!」
潜水棲姫に対する
「やった…終わったっ!」
「気を抜かないクマ!」
「これで…帰れるにゃ…」
艦娘達も入れ替わりを続けて戦闘を続けていたために、徐々にどこに誰がいるかの把握が難しくなるが、複雑化する情報を捌き続けたオペレーター五月雨の手腕の賜物である
「…ふぅ…」
「帰るにはまだ早いクマ、とりあえず周辺の残敵掃討にあたるクマ…木曾が帰って大井が交代に来てるから…大井は残って多摩は帰るクマ」
「わかったにゃ、五月雨に交代艦だれか聞いてくるにゃ」
そう、定期的なローテーションというわけではなく、だれが被害を受けるかもわからない環境下に置いて、撤退することになった人物の代わりをこなすことになる交代人員の選定は困難であるが
それを五月雨が一括管理することで情報の混乱を防ぎ、結果として招集の重複や役割の被りなどを極力減らすことに成功していた
〈わかりました!至急、入渠完了済みの艦娘の中から支援艦を出します
撤退支援は必要ですか?〉
提督が残した通信機で
間宮さんと一緒に台帳を繰りながら
返答を出す五月雨の声を聞きながら
「大丈夫にゃ、それよりまずは追加戦力が絶対必須にゃ、まずはとりあえず
戦力を補充しなきゃ迂闊に隊列を抜けられないにゃ」
〈了解しました、それでは高速の駆逐艦を回します、そちらに後はお任せください
霞ちゃん、曙ちゃん、朝潮ちゃんの三人いれば十分ですね?〉
「朝潮型三隻なら不足はないにゃ到着を待って入れ違いに帰投するにゃ…通信終わり」
通信が切断されると同時に
再度五月雨は回線を開き、ドックで待機中の朝潮型三人を招集、即座に出撃させる
「地点甲より、南西1.2キロ地点に合流地点を設定しました、地点甲増援艦隊は直ちに向かってください」
〈了解よ〉
元気のある返事が通信越しに聞こえるたびに、五月雨は安心する
通信が途絶えていないということ、それは即ち相手が生きていることの証明なのだから
「白露さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫…私は白露型の中で一番丈夫なんだから…っ…」
不覚にも瀕死の軽巡の一撃を回避しきれずに中破してしまった白露は
気合で耐えながらも辛そうにしていた
「もうこの辺りの掃討は終わりましたし、いったん鎮守府に撤退しましょう
白露の艤装のダメージも
白露自身のダメージも無視できないレベルに達していますから、早いうちに入渠と艤装の修理を済ませておく事を進めます」
大和は優しく背を押して
白露を鎮守府へと送り出す…
のではなく、鎮守府に一報をいれてから送って行くのが最善と判断した
「私が送りますよ、幸いもう敵も見えませんし、私が直接送った方がいいでしょう
吹雪ちゃんは警戒をお願いします」
「はい!」
「大丈夫です!」
吹雪の返事は若干硬いが
それでも弱いわけではない
「それでは行きますよ」
二人に声をかけて
白露をお姫様抱っこするのだった
「潜水棲姫撃破、駆逐棲姫撃破
軽巡棲鬼撃破、空母棲姫撃破
残るは『戦艦棲姫』『海峡夜棲姫』
『深海鶴棲姫』の三隻か…」
そう呟く俺は、鎮守府正面海域…その鎮守府の真正面である、ポイントAにいた
「テートクっ!?」
「金剛、大丈夫か?」
「問題ナッシングデース!
でもテートクがなんでここに?!」
「お前が心配で見に来た
早くそいつ倒して帰るぞ金剛」
「…っ!了解、戦闘再開デース!」
急にテンションを上げた金剛は
声を張り上げると同時に急加速突撃からの至近距離砲撃の構えを取る
いわゆる突撃戦法という奴だ
「その顔面ぶち抜いてやるデース!」
言っていることだけを抜き取ると
なかなか狂気的に聞こえるのは
俺の気のせいなんだろうか
「…まぁいいや…大和撫子っ!」
俺の方に飛んでくる流れ弾を大和撫子で弾き飛ばしつつ、Aiveの最高速度で急接近、俺を警戒したところを
「fire!」
金剛が火力を集中する…っていうかアレ?よく見ると金剛、改二丙じゃないか?
いつのまに発現したんだ?
「Yes!コレがワタシの新しい姿!金剛改二丙デース!テートクっ!
テートクのくれた、新しい力デス!」
「ちょっ…海の上では抱きついてこないでくれっ、危険なんだって!」
金剛を引き離すのと、顔に青筋を浮かべた戦艦棲姫が撃ってくるのは同時だった
「死ネリア充ドモ!」
「っ!筋違いだっ!」
「ハッ…今更何をいうかと思えば、自分が非リアだからってひがみデスカ!?」
金剛がナチュラルに煽りながら
さらに砲撃を続ける
「あったときからウザいと思ってたデス…沈めえっ!」
どっちが深海棲艦なんだかわからない
(白目)
だが効果は確かにあったようで
戦艦棲姫は既に装甲破壊状態にまで追い込まれていた
600話記念番外編は
-
過去編軍学校
-
過去編深海勢
-
裏山とかの話を
-
テンプレ転生者(ヘイト)
-
ストーリーを進めよう
-
戦争が終わった後の話を!
-
しぐ……しぐ……