「…パーシックルはなし、大和も不在、撫子は全力起動できない、
Aiveの燃料はのこり65%
輝那の弾数はのこり12発
…十分とは言えないか…だが!」
「はい、提督には私たちがいます!」
扶桑の言葉に頷く
「地点丙旗艦扶桑、赤城、大井、秋雲、隼鷹以上5名、現刻を以て
神巫提督に指揮権を返上します」
「うわ…俺現場指揮やるの?
そういうの扶桑さんの方が向いてない?」
思わずボヤいてしまったが、扶桑さんの曖昧な笑顔でごまかされる
「大丈夫ですよ提督、提督の指揮はなんというか、こう、安心するんです」
「絶対に沈まないっていう自信みたいなのが湧いてくるんだ、だから大丈夫だよ」
ついでに赤城と秋雲の二人に力説されてしまったので、とりあえず
一言だけ言い訳してから
指揮に移るためにいったん下がる
「秋雲!隼鷹!お前達は装甲ないからいったん下がれ!隼鷹、艦載機は?」
「零戦と 烈風、数は減ってないけど、燃料の残りが厳しいかな?ってところだ」
「なら問題ないな、飛べるなら十分だ
赤城さんはどう!?大丈夫?」
「はい!隼鷹さんの持ってきてくれた流星は残り20機、内18機にはすでに爆装の再装備完了、残りの2機は現在修復中です!」
「了解、大井と扶桑さんは?」
「私は大して怪我はしてません」
「私もです」
二人は大丈夫そうだな
なら戦法は決まった
「赤城さん、扶桑さん、二人に先鋒は任せる!大井!良いな?」
「はい!」「わかりました」
「了解」
二人を主火力として扱い
いつのまにか改二を発現させて雷巡の力を得たらしい大井の雷撃で一気に押し倒す
まぁ、脳筋戦法と言われても仕方ないだろうが、今の俺が今の戦力で考えた結果
最善として出てきたのはこれだ
[まぁ、出来るところを少しずつ攻めていく、という観点では、さほど間違っている戦法とは思えないし、及第点じゃない?]
「はいはい、感想ご評価ありがとうございます…っと!行くぞっ!」
『了解!』
前方に攻撃を集中させ、真正面から飛んでくるものは当然回避しつつ
俺は積極的に斬り伏せる
[大丈夫?砲弾は見えてる?]
[十分見えてるよ、ちゃんと目で追ってるから大丈夫だって]
川内の言葉に軽く返事をして
大和撫子を振り続ける
大和撫子をもらった当初はできなかった芸当だが、川内のサポートなしでも
十分にこなせるようになった
姉さんから譲り受けた蒼の瞳もコントロールできるようになり、白い痕も浮かぶことは無くなった
俺自身の技能的な水準も十分に上がっているのだ
「最優先攻撃対象ハ提督ダ!
各員全力ヲ以ッテ提督ヲ沈メロ!」
「冗談言うなって…沈むのはお前だ!」
殺気立つ両陣営は互いに攻撃を激化させるが、やはりその分だけ違いに動きを早め
攻撃は全く通らない
「…やらせてもらうぞ!」
「誰ガ負ケルカ!」
「行くぞオラァッ!」
横スライドをカットして一瞬の推進
急速に回避運動を中止した俺は
全力で突進する
「今だ!全力攻撃!」
『了解!』
俺の指示と同時に反応が上がり
赤城と扶桑さんが砲撃を開始する
砲撃が俺の方にもくるが、
それは当然敵艦隊を回り込む形に移動して回避
というか、敵艦隊みんな俺より明確に危険な砲撃の対処に焦って俺が視界から外れている事に気づいていない
[これがバニシングドライブ!]
[視線誘導、っていうのよね?]
[お前ら違うから…これは黒いバスケじゃねえから…]
いつになく緊迫した状況ながらいつになく緩い二人を相手に突っ込みながら
俺は敵艦隊の背後を取る
「…よし!川内!]
[りょーかい提督」
互いに魂と実体を入れ替える
俺が魂側に、川内が肉体側に
「よし!川内ちゃん参上っ!」
川内の声が戦場に響く、
それと同時にその姿は消失し
「せえやぁっ!」
短刀型魚雷が近くにいたル級の首から上を吹き飛ばした
「何ッ!」
「死ね」
一瞬でル級を撃破し、爆発と同時に爆炎に紛れて姿を消す
その姿は味方の艦隊にすら見えていない
というか見えたら危険だ
「よぉーし、ひっさしぶりに外出たし、提督に託されちゃったからね
思いっきりやってやる!」
姿なき川内はそんな声だけを残し、艦隊の逆側から次々に深海棲艦達を暗殺していく
「行くよ、提督!」
[了解、大和撫子はこっちで制御する]
やはり本職だけあってか
川内改二は俺とは比べ物にならないスピードで攻撃し、また回避していく
その動きに無駄はなく、
その動きに停止はない
「よし、これで残り10隻!」
[提督、弾切れまで残り三発よ?]
[もちろん大丈夫、把握してる、
こっからは俺のステージだ]
大和撫子を振ると同時に
それを読んでいたか、
迎撃に装甲を投げてきた海峡夜棲姫
流石姫級というべき反応速度で
初見の川内改二に合わせてきた
「ッ!マタ新手!?」
「提督かと思ったら?残念!
かわいい川内ちゃんでした!」
「ナニヲバカナ事ヲ!死ネ!」
自身の砲撃でダメージを負うことも厭わずに、捨て身の攻撃を仕掛けてきた
海峡夜棲姫
既に装甲が砕かれ、素体の方にダメージが入ってしまうこの状況でなお
捨て身の攻撃を図れるほどの
精神力は驚嘆に値するだろう
「だがっ!」
姿が入れ替わる、川内から俺へ
そして、持ち主が俺に変わった大和撫子は、その全力を起動した
無論腕が逝かれる程度のダメージは吸収しきれずに残ってしまうが
その程度ならば十分直せる
「オラァァっ!」
俺の一撃は、完膚なきまでに
海峡夜棲姫の主砲と、背負った艤装を破壊した
「これで、終わりよ!海峡夜棲姫!」
「終わりだっ!」
「しずめぇぇっ!」
大井の全力雷撃、扶桑の主砲一斉射撃が、ついに海峡夜棲姫の艤装を完全破壊した
赤城と隼鷹の雑魚散らし
後方から見に努めて
敵の攻撃を警告し続けていた秋雲
そして二人のフィニッシャー
この五人の、全員の努力あってこその勝利だった
「ソウナノデスネ…オ姉様…
貴女達ハ…ソレデモ…コノ先モ…戦イ続ケヨウト…イウノネ…ナラ進んで…この先に待つ…最後の姫の元へ…」
破壊された艤装が消滅し
肌の白色が消えてゆく
海上に倒れ込むのようにして
艦娘『山城』は
はい、これで
地点甲、ビスマルク vs潜水棲姫
地点乙、大和vs駆逐棲姫
地点丙 扶桑vs海峡夜棲姫
地点戊 空母棲鬼vs軽巡棲鬼
地点己 提督vs空母棲姫
の5エリアが終了、
(exイベントの戦艦棲姫戦は金剛が終わらせてます)
最後の地点丁、翔鶴vs深海鶴棲姫
の決着は…あと二話で着くんでしょうか…
600話記念番外編は
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過去編軍学校
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過去編深海勢
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……