戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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終幕戦 集結する光、爆発する闇

「実力で聞き出してやる」

 

「デキルモノナラ…ヤッテミナサイヨ!」

 

歪んだエコーに沈んだ声は

間違いようもない

深海棲艦に身を窶しても

変えられないものはそこにある

 

「深海鶴棲姫、お前を連れ戻して、鎮守府の会議室で全員総出で書き出してやる

待ってろよ瑞鶴っ!」

 

「提督の為に…戦っテルノニ!

提督ガ出てキタラ、意味がナイデショ!ナノニなんで、出てくるのよ!」

 

「出るしかないだろ、この戦場(ビッグウェーブ)に!何もせずにただ座っていられるかよ!俺は艦娘を沈ませない為に戦うと決めたんだ!」

「ダカラ身体の事を考エナサイ!」

 

深海鶴棲姫から

大量の艦載機が飛び出して

俺の方に向かってくる

しかし

 

「だいたい120機か…よし」

[どうするの?もう白タコヤキもいないのに]

[姉さんを倒したら機能停止しちゃったからな、でもそれは関係ない…ガングートの乗ってきたボードあるだろ?アレは飛鳥さんの儀装、クロウバードと同じものだ、おそらくロシアの艤装技師の]

 

そこまで述べた瞬間に

通信が届いた

 

〈こちらロシア出島鎮守府所属、一級艤装技師久遠刹那技術大佐だ、創海鎮守府の提督くんよぅ、ウチのガングートが乗ってきたボードはくれてやるから、自由に使いな!〉

 

どこからの通信かと思えばそう

戦場の後方、深海棲艦艦隊の裏側

ガングートが来た方向に

一隻のクルーザーが見える

 

〈小舟で太平洋突破は厳しすぎるから、少々ズルをしたがな、ジェットで来たんだ

リフボードにも大した燃料は残ってねぇだろうが、まぁ戦場一つなら十分だろう]

 

「…ありがたすぎますな…感謝します、久遠技術大佐」

 

レシーバーに声を流しながら

俺もAiveの加速を活かして戦場を大回り、ガングートの横を通り抜けて…

 

「よし、たどり着いた!」

「ん、直接こっちに来たのか

どうした?」

 

久々に、同類(艤装技師)との対面を果たした

 

「…燃料の補充くらいはしてやれるが、ここに武器はないぞ?」

「構いませんよ、それに燃料は十分です…響を送ってくれて、ありがとう」

「……ふっ…全く、響もいい提督に当たったものだなぁ…よし、気に入った

そんなお前に、これをくれてやろう」

 

渡されたのは

 

「…これは…」

「大和の主砲の一部、その鉄塊は海底からサルベージされた大和の部品だ

今のお前なら十分に扱えるだろう

なにせ、戦艦並みのエネルギーを肉体に保持し続けるようなマネが出来るんだからな

 

うまく使えよ?」

 

そう、大和撫子は、俺以外が起動するのは極めて難しい、俺にしか使えないと言うわけではないため、特殊武装(スペリオルアームズ)とはされていないが

それこそ戦艦級でもなければ

起動ができないような武装である

 

…無論、一度起動さえしてしまえば

大和が自家発電するため、

あとは誰にでも使えるのだが

 

「…了解しました、ありがたく頂きます」

 

そっと受け取り、俺は

クルーザーを後にしようとする

その時に

 

「うちさぁ、工作機械あるんだけど…削ってかない?」

 

「やめてください寒気がする」

誘い自体はありがたいが

その口調はなんというか

気持ちが悪くなるので

体裁上は断っておき…

 

「機械自体は使わせてもらう」

 

この後めちゃくちゃ改造した

 

sidechange

蒼羅side out

大和side in

 

「提督は…何をしているんでしょうか?」

 

あの後、私たちは残敵掃討を終えて

燃料に余裕のある私以外は一旦鎮守府へと撤退し、補給と傷の治療(入渠)を行っている

 

通信が未だ通じていないのは

地点丙のみ、そこに誰がいるのかはもはや不明ですが、初期配置の4人の誰か一人でも残っていればいいのてすが…

 

「とにかく、向かいますよ」

 

通信に一言だけ残して、間宮さんたち鎮守府の待機組に伝えてから、地点丙へと急いだ

 

 

side change

大和side out

蒼羅side in

 

「…よし、これで…っ!」

 

刀身自体を作り直し、鞘を更新し

もはや別物と言うべき代物へと変化したが、それでも名は変わらない

 

「…大和撫子【改】!」

 

艦娘とは少し違う意味での改造

ある意味ではこちらが正しいのだが、そんなことは気にしない

 

より質量を増した大和の主砲の霊的素質をさらに濃く取り込んだ大和撫子は、結果として強度と威力をさらに高めていた

 

「…ありがとうございます」

「うん、まぁ燃料はとりあえず補充しといたから、最大戦速で突っ走れ」

「はい!」

 

頼りになる先達の声を背中に受けて

白鞘から新たに黒くなった大和撫子を握り直す

 

「出撃します!」

「行って来い!」

 

水飛沫を上げて、再度戦場へ出る

 

「ごめん、遅くなった大丈夫か?」

「はい!榛名は大丈夫です!」

「おかえりなさい、提督、翔鶴も大丈夫です」

 

二人に迎えられて、敵陣後方から

一気に深海鶴棲姫に接近する

 

「戻ッテキタノ…何デ!」

「お前を倒すためだ」

 

剣を構え、銃を抜く俺に対して

深海鶴棲姫は艦載機を展開する

 

互いに睨み合っている内に

各地点から集結を始めた艦娘たちが

一人、また一人とやってきて

艦隊の人数が増えていく

 

榛名が、ビスマルクが、大和が、レ級が、金剛が、そして武蔵が

 

鎮守府最高の単独戦力たちが

集結した

 

「いくぞ!operation-last dance!」

 

『了解!』

 

operation-last dance(オペレーション-ラストダンス)

最終決戦における最大戦力の一斉投入のための作戦形態、無論、打ち合わせなどない

事前に説明だけはなされたが

それだけだ

 

「最後ダヨ…提督!」

 

「我々トテ…切リ札位ハ隠シテイル!」

「ヤルゾ!強制改造!」

「flag ship-over dose、」

「リミッター解除!」

 

深海鶴棲姫率いる深海棲艦達9体が

それぞれに叫び始め

その声は深海へと怨嗟を届ける

 

次々に、己の色の雷や炎を纏い

一部は儀装を自壊させながら

暴走形態に変異する

 

「正気か貴様ら…」

ガングートの呟き通り

到底正気とは思えないような

まさに狂気の沙汰である

 

艤装に己の血肉を食わせ

それを代償により強い力を引き出す暴走形態、それを人為的に引き出している

如何なる代償を必要とするのかは知った事ではないが、尋常なものではないだろう

 

「…怯むな!総攻撃だ!

火力を集中させ、一体ずつ沈めろ!」

 

俺の声で戦意が戻ったか、それとも単なるきっかけかは知らないが、艦娘たちも次々に攻撃を再開する

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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