戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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黒羽と決意

深海鶴棲姫-壊-

覚醒

 

「浮上するわ…!」

「ぐっ!」

 

海中を探し回っていたのだろう武蔵と視線がぶつかる、しかしすぐに武蔵は離脱し

海上へと向かっていく

 

「逃がさない」

 

私もそれを追って、海上へ向かった

 

 

海面を割って水上へと上がった私は

その瞬間に集中砲火を受ける

特に翔鶴姉の爆撃がひどい、もうロクな数は残っていないはずなのに、すごい勢い攻撃してくる…でも、私は姫級の力を持った深海棲艦、

深海鶴棲姫、ちょっとやそっと程度じゃなかろうと、ただの爆撃や砲撃程度で沈む事はない…ないったらない!

 

さっきのは予測できない方向から想定外にすぎる威力の砲撃が飛んできたから受け損ねたってだけ!ミスなんてしてないんだからね!

 

「今度は…逃がさないから!」

 

私自身の体から形成された新しい艤装を操り、格段に軽装化した分動かしやすいそれで

連続攻撃を仕掛ける

 

「私は…提督さんを助ける!絶対に

提督さんを助けてみせる!

この腐った世界から、この深海の呪詛から!艦娘なんていうモノから!提督さんを解き放つんだ!」

 

体は軽い、肉体に融着仕掛けていた艤装の重鎧を捨てた分、移動速度も速い

 

なにより、こんなに暖かい気分で戦えるなんて深海棲艦になってからは初めて

もう、なにも怖くなんてないわ!

 

深海鶴棲姫side out

蒼羅side in

 

「…瑞鶴…ついに覚醒したか!」

 

姫の力は海上に上がってきてから急激に増して、それに反比例するように

深海の呪詛は薄れていく

もはやこれは、呪いを超えた何か

呪いよりもおぞましく、そしてなによりも尊いたった一つの想い

 

「…これは…一体…」

「コレコソ人間ノ、私たちの感情ノ極ミ…希望より熱ク、絶望より深いもの…愛よ」

 

 

エコーが消えてゆく

深海棲艦として存在する以上避けようのないそれが、深海の呪詛による最初にして最大の障壁(バラル=バベル)が、消失する

 

「…今度こそ、提督さんだけは

幸せにしてみせるわ…」

 

囁くような、か細い声は

たしかに、この耳に届いた

 

「瑞鶴…」

「今の私は深海鶴棲姫よ、深海の呪詛を使って変生したの、翔鶴姉」

 

呆然と呟く翔鶴に反論する瑞鶴

 

「提督さんの魂に接触して、その心に触れた…その時に知ったの、提督さんはね

艦娘との魂の繋がりが強すぎるの、だからそれが体に負担をかけてる

提督さんの鎮守府は、艦娘の数が多いし、提督さんも積極的だしで、みんなとどんどん接触して、絆を深めていった…うん、だからだよ

提督さんは、魂の接続が強くなりすぎたの

 

本来、艦娘のもつ接続は

『心柱』と『護国の乙女』の二つ

国に依存する護国は置いてもいい、でも心柱はダメなの、提督さんに向かう艦娘達の心の力、資材やコアの霊力は高すぎる」

 

「…霊力が高すぎる…?」

 

「そう、人間の魂のサイズは本来艦の魂とはスケールが違いすぎる

それはそうよね、数百人以上の人間が乗る艦船が、たった一人分の魂で賄える程度のエネルギーしか持たないなんて訳がないもの」

 

もはや誰も口を挟もうとはしない

その光景に満足したかのように

微笑んだ深海鶴棲姫は

そのままま話を続ける

 

「でも、他の提督にそんな問題は起きていない、それはなぜか…それはね

提督と艦娘との間に、心柱という緩衝材があるからよ…でも、提督さんは違う」

 

髪を蠢かせる深海鶴棲姫の言葉は

異様な迫力と説得力を持って

戦場に響き続ける

 

「心柱を仲介とする弱くて細い、縁の繋がりだけじゃない、大きな、魂同士の直接の繋がりを持ってしまった…それが最初の間違いだった

提督さんは艦の魂と繋がって、その力に耐え続けなければならなくなってしまったわ…そして、その後さらに無理を重ねて、深海の力も取り込んで、別の方面からも負荷がかかった」

 

「しかし、提督はそれでも安定していました!提督は…」

 

榛名が果敢にも介入しようとするが、すぐに切って捨てられてしまう

 

「安定している?ウソ、提督はいつだって不安定で危険な状態だった

安定しているように見せていたのは、あんたたちを心配させない為のフェイクよ

提督の表層しか見ていない奴は騙せても、魂まで知っている私たちはごまかせない

そうでしょう、川内!陸奥!!」

 

本来なら、この戦場にはいない筈の艦娘の名前、それを叫んだその瞬間

戦場に緊張が走る

そう、つい先程のことだ

艦隊に一斉射撃を指示したのは

誰だったか、

 

魚雷を駆使して敵を削いでいたのは、誰だったか…そう、提督であるはずだ

提督でなければならないのだ

決して、陸奥や川内ではなく

提督であるはずなのに、

その時にそこにいたのは、紛れも無くその二人

 

「提督さんは艦娘の霊力に、深海の呪詛に、そして艦魂に、圧迫され続けている

そして艦魂の方が実体を得るほどに、提督さんの存在は摩耗し、消滅しかけているの!

これが何故だか分かる?

提督さんのもとに、数多くの艦娘がいるから!提督さんのもつ(バイパス)が、深すぎるからなのよ!だから私は…私は!」

 

()()()()()

 

その一言を、俺は遮る

 

「俺の人生に後悔はない、俺はどこで死のうと構わない、俺は艦娘達に轟沈を許さない

その為なら…瑞鶴、お前を沈め(殺し)てでも、俺は俺の鎮守府の艦娘達を守る」

 

大和撫子を向けて、

輝那の再装填を済ませる

カチリと言ういつもの音は、今日に限ってはやたらと大きく聞こえた

 

「…良いわ…全員沈めるのが先か

私が沈むのが先か!勝負」

「お前を…殺す」

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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