戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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いかさま

「…」

「司令官!もう、ちゃんと寝てなきゃダメよ!お仕事の方は大淀さんと秘書妖精さんに任せて、ちゃんと寝てなさい」

 

「雷…なぜいるんだ?」

「里見さんにお願いされたの、

『自分がいない間の提督をお願いします』って」

 

里見君は一体何を考えて雷にそんな事を頼んだのか…もっとこう、ちゃんとした大人に頼むべきじゃないのか?愛宕とか扶桑とか大和とか、そういう大人がちゃんといるだろうに、なぜ雷に頼んだのか…

 

「私じゃ不満なの?」

「…いや、そんなことはないぞ?」

「でも司令官、もっと大人な大和さんとかが良かったって考えてたわよね?」

 

「ナチュラルに心を読むんじゃないよ!」

 

雷の読心能力に驚愕しながら

とりあえず身を起こす

 

「司令官、本当にそんなこと考えてたんだ」

「…げぇっ…」

 

カマ掛けがうますぎる雷は

なぜかポケットから5円玉を取り出すと、徐に糸を括り、揺らし始める

 

5円玉の方はともかく、なぜ糸を持っていたのかはまるでわからないが、後で裁縫でもする予定だったのだろうか?

 

「司令官はロリコンになる…司令官はロリコンになる…司令官はロリコンになる…」

 

なにをしているのかまるでわからない

いや、正確にはやっていることはわかる、だが意図がつかめない

 

「…司令官はロリコンに」

「無駄だからな?」

 

謎のオーラを伴った催眠術まがいを始めた雷を止めると、雷はベッドに上がり込んでくる

 

「待て待て待て待て待ちなさい

なぜベッドに来るの雷!?」

 

焦りのあまりに謎語と倒置法が出てくる俺に、雷は余裕の笑みで返す

 

「それはね?司令官に膝枕してあげるためよ、だからこれは必要なことなの」

 

赤頭巾とおばあちゃんの会話じゃないんだから、などと考る俺を、不服そうな表情になった雷がはたいてくる

 

「おばあちゃんなんかじゃないわよ、私はそんなに歳とってないわ」

「…誕生日は?」

「起工1930年3月7日、進水1931年10月22日、就役1932年8月15日よ」

 

「今から起工で考えると91歳…」

「こら!私は13歳のままなの!91歳のおばあちゃんなんかじゃないの!」

 

「進水〜戦没年でカウント止めてるの!?それもそうかもしれないけどさ…それだと半年とかの子も出ちゃうだろ!?」

 

そもそもそのカウントだと

酒飲飲めない子の方が圧倒的に多いのだが…逆に飲めるのは誰だ…?

長門(26)陸奥(23)と…金剛(31)比叡(28)榛名(30)霧島(28)

 

太平洋戦争前に作られて

第二次世界大戦で沈んだ、って流れの艦娘達はだいたい20〜30か

 

と…あれ?響と雪風は飲める…?時雨は12歳か、未改造時には妥当な感じの年齢だな

 

短い方だと島風(2)初月(3)大鳳(1)とかか…うん、短い、人間ではまともに発話すらできない年齢だ

 

「レディーに歳の話は禁物デース!」

 

天井から飛び込んできた金剛を反射的に立ち上がって受け止め、ベッドのスプリングに負担をかけないように膝を使いながら回転、上下方向のエネルギーを斜めから横方向へ移動させて、勢いを利用した横投げで金剛を放り投げる

 

「金剛!どこからきた!?」

「さっきデース!テイトクが歳の話なんてするカラ来ちゃったデース!」

 

「もう遅いよ!」

お前の年齢31ってイメージしちゃったよ!

 

「ワタシは帰国子女の大学生デース!その年齢設定は守ってクダサイ!」

「設定とか言うなコラ!」

「そうよ金剛さん!年齢詐称だわ!」

「ガキがうるさいデース!」

 

金剛にも余裕がなくなってきたのか、口調が乱暴である

 

「落ち着け金剛、まずは深呼吸だ」

「ひっひっふー…ひっひっふー…」

「それはラマーズ法だが…」

 

ちなみに、もう古いらしいぞ?

 

「テイトクの子供が欲しいって言う遠回りなappealネ!」「それ言ったら意味ないぞ?」

 

金剛のふざけた態度と

火に油を注いでいく雷

二人とも早くどうにかしないと

 

「…はいはいお二人さん、今日のところはもうお帰りください」

 

入ってきたのは…鹿島

「…桑嶋…なにをしに来た?」

「何やら諍いごとが起きているようだったので、仲裁でもしようかと

余計でしたか?」

 

「いや、助かったよ」

 

「それは何よりです」

(金剛さんと雷ちゃんをわざとニアミスさせた甲斐があったと言うものね)

 

「というわけで、もう三人ともおかえり」

「え?」

 

不思議そうな顔をした鹿島に

笑顔で告げる

 

「現在時刻17:20 夕食少し前、と言ったところだろう?早く行かないと食堂の間宮さんがなんというかわからないぞ?」

 

「ぐっ…くうぅ…仕方ありません

鹿島、撤退します!」

 

「お暇させてもらいマース!」

「食堂行ってくるわね、おやすみなさい」

 

鹿島哀れなり…わずか数秒で撤退していった桑嶋に、若干の哀れみを覚えながら

扉の方を見やる、そこには案の定

未練がまさかこちらを見ている鹿島

 

顔はいいんだから、

そんなことをしなければ良いのに

 

「見えてるぞ、鹿島」

「えっ!?嘘っ!」

 

俺の指摘に、何故か慌ててスカートを押さえる鹿島は、顔を真っ赤にしてこちらを睨んでくる

 

「そういうのは見えても言っちゃダメですよ!」

「?…あぁ、そっちじゃない

当然胸でもない」

 

鹿島が押さえるポイントを先回りしてから指摘する、そもそもこっちを見ている事を指摘しているのだから、そういう意味で言っているわけではないのだ

 

「失礼します!」

 

やや不機嫌気味な声と同時に

今度こそ鹿島は帰っていった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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