戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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陰りない笑顔

また翌日

 

「失礼します」

「失礼するであります」

 

陽炎と一緒に、バッグを抱えたあきつ丸がやってきた

 

「失礼ならするな」

「では退出ー」「冗談だ」

 

入ってきて即座に反転したあきつ丸を止める

 

「すまない、単なる冗談を本気にするとは思っていなかった…いや

真面目すぎるあきつ丸のことだから

本気にしてしまう可能性もあったな」

 

「冗談、でありますか」

 

「あぁ」

面会謝絶の解除直後だし、当日、次日は遠慮する、くらいに配慮できるあきつ丸

冗談と言えばすぐにわかる

 

「こんな時に冗談は、やめて欲しいであります」

「そうよ先輩!」

 

「…陽炎、以前も言ったよな?」

「へ?何のこと?」

鎮守府(ここ)では先輩じゃなく提督と呼ばなさい」

 

「わかったわよ…提督♡」

「やっぱりやめてくれ」

 

ハート語尾が気色悪すぎて即座に止める

「先輩、先輩 せぇんぱいっ!」

「…………はぁ…」

 

古いギャルゲーの後輩系ヒロインでもまだマシだが…もう仕方ないか…

 

ちっこいし、某名前は白なのにイメージカラー黄色な後輩系ヒロイン(猫)と属性が被っている気がする…いや、カラーリングはともかく

勉強はできるしドラゴナイトハンターZのゲーマーでもないから

あながち被ってもいない…か?

だといいのだが

 

「提督殿が困っておられますから、陽炎殿もその辺りに」

「ありがとうあきつ丸」

「いえ、どういたしまして…ところで、提督殿、もう昼食はとられましたか?」

 

「いや、最近は飯も粥とかオートミールみたいな奴じゃなく、真っ当だけど

今日はまだ食べてないよ」

「それはよかった、先ほど、陽炎殿と一緒に作ったものがありますので

よろしければお召し上がりください」

 

そう言ってあきつ丸がバッグから出したのは…サンドイッチ

 

「俺は食べる量割と環境で変わるけど、さすがにサンドイッチ4つは多いよ?」

「はい、自分たちもここで食べるつもりなので、提督が2つ、私達が1つずつ、と考えて持って来たものであります」

「なるほど」

 

そこはかとなく自分が浅ましく見えてくる俺だが、

 

その辺りは耐えて、

まずはゆっくりと考える

 

「で、中身は何入りなの?」

 

「ランダムであります、自分の作った2つについては中身はわかりますが、

陽炎殿が作ったものについてはわかり兼ねます」

「ロシアンルーレットよ!中身は教えない、でもひとつだけ『激辛』があるわ!」

 

「ほう、笑顔だがその発想は食べ物で遊んでいるんじゃないか?え?陽炎」

 

「ふぇ?…だ、大丈夫よ!

これはちゃんと鳳翔さんにも許可を取ってるわ!だから怒られないもの」

 

怒られない、とは言いつつ

何を思い出したのか震え始める陽炎、こんなに暑いのに震えているとは面白いが

 

「大丈夫なら俺は何も言わないが

…単純に考えて俺はハズレを2倍の確率で引くのか…」

 

4分の1の二人に対して二分の1の俺は随分不利なのだが…まぁそう言うこともある

あえてハズレを引いても笑顔で振る舞って美味しかったとでも言ってやれば

誰がハズレを引いたのかと疑心暗鬼に陥るだろうし、まぁそちらの方が楽しそうだ

 

ふふふ…

 

「よし、じゃあ俺はこれとこれにしよう」

 

率先して選んだ二つは

両方とも陽炎作とおぼしいもの

激辛はこのどちらかだ

 

陽炎が作った激辛を避けるために、両方ともあきつ丸作にしようかと思ったが

それは押し付け合いの争いが起こるだろうし、そんな陽炎とあきつ丸は見たくない

実は同期のあきつ丸と後輩の陽炎、その両方の中身を知っている俺としては

その二人が諍いを起こしている姿なんて見たくないのである

 

なので最高確率で…というより確定でハズレがある組み合わせを引きに行った

 

「陽炎殿、お先にどうぞ」

「いいの?それじゃあ私は…こっちにするわ」「では残りは自分が」

 

先にどっちを食べるかでもロシアンルーレットが起こる、仮に当たりを引けば

おいしいで済ませることができるが、万一ハズレを引けば後に食べる当たりが真っ当に味わえない、それは困る

 

[なら、どっちも少しずつ食べればいいじゃない、それで辛ければそっちは一旦やめて、辛くない方だけ食べれば、最後に辛い方を食べられるでしょ?]

 

反転

 

「で、何でお前がいるんだ」

「私もわかんない、でもいるの」

 

「…まぁ、何はともあれ、あの別れようだから、帰って来てくれてよかったよ」

「提督さん…」

「どうした瑞鶴、泣くなよ

その涙は俺に効く」

 

「…提督さん!」

「はいはい、ズイズイ…瑞鶴」

 

魂の中で瑞鶴をゆっくりと抱きしめる

「提督さん!助けられなかった」

「別にいいよ、俺の命の限界なんて俺が決める、俺は死んでも構いはしない」

「構うのは私よ!提督さんのバカ!」

 

ギリギリと腕を捻り上げられて悶絶…などせずに自らの腕を引きちぎって離脱し

光の粒子から腕を再形成する

 

「もう!逃げないでよ!」

「逃げるさ存分に…

これまで会えなかった分は、な」

「提督さんっ!」

 

瞬間移動して来た瑞鶴が俺の足を払い、空中に上がった俺に上空に展開した艦爆から爆撃してくる、無論俺も頭上の空気を停止させて防ぐ

 

「効かんな」

「逃げるな!」

 

そのあと一頻りやりあったあと

とりあえず和解する事にして

まずは、

 

「サンドイッチ食べるか!」

「うん!」

 

ということになった

 

ちなみに、中身は

タバスコとデスソースの二つ

「両方辛いじゃねえか!」

 

「ドッキリ大成功!」

「…上手くいったと喜ぶべきなのか、それとも上官を嵌めたと叱るべきなのか…」

「これについては全く遺憾だ

 

せっかくうまい飯が食えると思ったのに…」

 

水を飲みながらいうと、

さすがに罪悪感があったのか

陽炎が謝ってきた

 

「ごめんなさい提督、流石にやりすぎだったわね」

「許さん」

 

「…え?」

「許さん、絶対に許さん、

断じて許さん、ゆ''る''さ''ん''!」

 

「ぇ?え!えぇーっ!」

「お詫びに今度おふざけ無しのサンドイッチ作ってこい!普通の奴だ!」

 

頭をペチ!と軽く叩いていうと

途端に表情を明るくする陽炎

「分かったわ!今後また一緒に食べましょう、先輩!」「…止めなかった自分も同罪でありますから、その時は同行させて頂くのであります」

 

「…今度は真っ当にな?」

「はい!」「承知」

 

 




陽炎、あきつ丸のコンビ再登場!

ついでに瑞鶴再登場!
今後の章では川内と入れ替わる事になりました

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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