「前線に立てなくなった分
手塩どころか家ごと用意して育ててきた艦娘たちが練度向上によって成長していくのを見るのは良い…別にレベルで年齢が変わるわけではないけど(というか艦娘は年齢が変わらないのだけど)精神的な成長はあるし、艤装にも慣熟するといういう意味での成長はある
艦娘達が成長していくのはとても見ていて楽しいものだ
[てーとくさん?なんかおじいさんみたいだよ?]
…いや、老人じみているとは自覚しているが、それでもこう言わせて欲しい
「うん、まぁそれは良いんだ」
「ですよ!」
「とりあえずメンテと意見交換を経て精神的な成長を実感しつつ、ゆっくりと茶を飲む
こんなジジイみたいな生活だけど、これはこれで楽しめているんだよ…」
「だから!」
「さて、茶を淹れ直すか…」
「提督っ!」
「ん?どうかしたか?」
「どうしたもこうしたもありません!
今日の日間任務!建造を済ませてないでしょう?!」
「…大淀、すまんがやっておいてくれないか?今のワシは体を動かせないのじゃ」
「語調を老人にしても無駄です!
さっさときてもらいますよ!」
大淀に引っ張られて工廠の奥から
ドック側に移動する
いわゆる 建造ドックなのだが…ここに建造用の装置があってな?これに資材を入れて、建造開始…というのがゲームと同じような基本の流れなんだけど、ここで問題がある
資材を入れるとは言っても
資材そのものを入れているのではなく
霊的エネルギーを入れているのであって、実質触れることができないのだ
だから妖精と艦娘しか干渉できず
既に力を失って霊的な物に干渉できなくなった提督である俺は指示を出すことしかできないのだが…なぜ呼ばれたかというと
『提督が指示を出さないと動かない』などというようなフットワークのない妖精がちらほらいるせいである、
まぁ、それも仕方ないことだ
原則的に、提督がいないと建造はできないのだし、そのスタンスでも間違いではない
間違いではないはずなのだが…
なんというか、それが怠けているように見えてしまうのだろう、一部艦娘からは蛇蝎のように嫌われている
「じゃあ建造やりますね!」
「うん、お願いするよ、赤城
レシピは…適当に戦艦狙いので」
今日の秘書艦である赤城(意外と仕事自体はできる方である)に頼んで
資材を投入していく
オリョクルで稼いでもらった資材だが、やはり十分な資材があるのなら使ってナンボ
ただ無闇に溜め込んでいるだけでは意味がない、利用する計画があるなら話が違うが
こうして使うときに使わなければ腐るだけである
(機能停止してるけどー!)
(白タコヤキもいれちゃおー)
(わっしょい!わっしょい!」
よし、これで投入完了だ
(建造しますね)
(がんばろー!)
(今日も一日ぃー?)
[がんばるずい!]
[がんばるぞい!]
そしてその直後、同じネタ同士の激突による口論が勃発したことは想像に難くないだろう
そして、これも蓄えられていたバーナーが火を吹き、04:20:00という
長い建造時間は終わりを迎え
ついに艤装が完成する
艤装が開いたゲートから出てくるのを期待の眼差しで待っていると
その瞬間、声が聞こえた
「航空母艦、加賀です
貴方が私の提督なの?それなりに期待しているわ、頑張ってね」
艤装だけの作成という
本来の建造の枠を大きく超えて
体どころか魂ごと建造されてきた彼女は…そう、やはり
「姉さん…?」
「蒼羅」
大日本帝国海軍 第一航空戦隊所属 加賀型航空母艦一番艦 加賀
その過剰適合艦娘にして
神巫の姉の方
そう、
「姉さん、なのか?」
「えぇ、私は…肉体は変わったけど、私の魂は変わらないわ」
そう言って微笑む加賀
表情は読み取り辛いが、たしかに僅かながら微笑が浮かんでいる、そして
その表情には見覚えがある
それは紛れもなく
「姉さんっ!」
姉の微笑みと同じ物だった
「あの〜…提督?」
「あら赤城さん、お久しぶりですね」
後ろから声を掛けられて慌てる俺とは対照的に、姉さんは至極事務的に返事をして
俺をぐっと抱き寄せる
「え?」
「他の誰にも、いえ…いくら赤城さんでも、ここはゆずれません」
「…へぇ、つい今さっき建造されたような分際で、ずいぶんと仲良さげですね」
急に刺々しい言葉を投げ始めたのは…大淀だった、どこから入ってきたのか
いつきたのかは不明だが、姉さんは不機嫌そうな顔になって
「私は改二覚醒も済ませていますし、少なくとも未だに改二の目覚めもできていない司令部専任艦よりはマシな性能だと思いますが?」
「ほう、改二ですか、大した物ですね…たかがその程度でご自慢とは本当に大した物です、その傲慢は提督の隣には相応しくない」
大淀相手に口論を始める
「性能の差というものを理解されていないのかしら?事務に従事する立場でありながら実力の差を理解できないなんて、管理に向いていないのではなくって?」
「艤装の性能の差が、戦力の決定的差ではありませんよ?その程度の浅い見識で無理に語らないで頂けませんか?」
ゴゴゴゴゴゴ…
とでも鳴りそうな圧力すら伴った迫力ある言い争いは、赤城さんが中断させた
「もうお昼を過ぎています!
提督、加賀さん、昼食を所望します」
「…赤城…」
どこまで行っても結局のところ
赤城は赤城であったらしい
まぁ、変にキャラを変えられるより、そのままの方が何倍も良いだろう
…ちなみにこの後
めちゃくちゃOHANASIした
今回のサブタイトルの意味
連合艦隊旗艦の大淀が『誉れ』
第一航空戦隊の加賀+赤城が『誇り』です
600話記念番外編は
-
過去編軍学校
-
過去編深海勢
-
裏山とかの話を
-
テンプレ転生者(ヘイト)
-
ストーリーを進めよう
-
戦争が終わった後の話を!
-
しぐ……しぐ……