戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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思索

さて、とりあえずまずは…

 

 

ありのまま今起こったことを話すぜ

俺は昨日、軽空母の艤装のメンテを終わらせ、いつも通りに剣道場で木曾と天龍と手合わせして、終わったら扶桑さんと一緒に居酒屋 『鳳翔』 に行って

酒飲んだ扶桑さんを戦艦寮に送ってから自室に戻り、布団に入って寝たはずだった

 

だが、目が覚めたら隣に時雨がいたんだ

 

なにを言っているか分からねえと思うが安心してくれ、俺もなにを言っているか分からねえ…いや、わかってはいるんだが、何故なのかが分からない

 

俺の部屋は鍵をかけているし

窓も外からでは開けられない

消灯時間以後だから当直の夜勤艦娘以外は全員、各艦種毎の艦娘寮に戻っているはずだ

 

時雨もその例に漏れず

本来なら駆逐艦寮の白露型の部屋に帰っていなければならないのだが…

なぜか、俺の隣で寝ている

 

 

どうにかしてくれないかな

 

[てーいーとーくーさーん?]

[俺のせいじゃない、俺のせいじゃない、俺はなにもやってないんだ!

本当だよ!信じてくれ!]

 

[すごい焦り様だね…全然信じられないや]

 

予兆とかそれらしい事の一つもなく

目が覚めたら隣に時雨が寝ているという光景は、俺の理性とか以前にまず思考を粉砕した

 

うん、驚愕で頭が働かなくなるってのは今までに何度か体験して、随分と耐性がついたと思っていたんだが、そうでもなかったらしい

訳がわからないよ

 

「…ん…」

 

いや『…ん…』じゃないよ!なにしてんの?

 

「総員起こしの時間です!司令官さん、おはようございま…」

 

今日の朝は五月雨が起こしに来てくれた、懐かしい気分になれた…のだが

タイミングが最悪すぎた

 

「…司令官さん…?もしかして…」

「なにもしてない、こいつが勝手に入り込んできたんだ、俺はなにもしてない」

 

「い、いえ、その…疑ってなんていませんよ!…えっと、もう時間ですから

二度寝はしないでくださいねぇー!」

 

五月雨は走ってどこぞへとゆき、取り残された声もやがて消えていった

 

 

「ん、提督…おはよう

いい朝だね」

「なにがいい朝だオラァッ!」

 

呑気に挨拶してきた時雨に怒鳴った直後、俺は扉の方を指差す

「お前いつ入ってきた!?」

「…今日の…2時くらいかな?提督が入れてくれたんじゃないか」

「記憶を捏造するな」

 

べし、と頭を叩いて嘘を訂正させる

 

「…もう、ちょっとくらい乗ってくれたっていいじゃないか」

「ダメだよ全く、そういう悪ふざけがエスカレートするとロクなことにならないってのは身をもって知ってる事だからな」

 

時雨の頭をゆっくりと撫でて

体を起こさせる

 

「そもそもお前制服のまま寝るなよ…いや、別に寝間着で来いってわけでもないけど

制服にシワがつくだろ」

 

「ちゃんと複数着用意してるよ

それにいざとなったら改二を出せば服ごと変わるからね」

 

時雨は悪びれる様子もなく

至って平静に返事をしてくるが

 

「改二をそんな便利使いみたいにするなよ…資材が無駄になるだろ…」

「毎日毎日、適合者もいないのに建造と解体を繰り返すよりはよっぽど有意義だと僕は思うけどね」

 

こともなげにある種暴言とすら思えるセリフをぶちかましてくる時雨を本気で叱ろうかと考えて…よく考えたらそろそろ朝食の時間なのでやめた

 

「時雨、飯行くぞ」

「うん」

 

二人して食堂へと向かい

卯月に囃し立てられながら飯を食う

ちなみに俺はピザトーストに野菜スティック、コーヒーのブレックスファスト

時雨は白米に味噌汁と焼き鳥、刻みキャベツといった和風な朝食であった

 

飯はうまかったのだが

終始ご機嫌で隣に座っている時雨と、俺と一緒にいる時雨に向けられる謎の周囲からの視線が気になりすぎてまっとうに味わえなかった

 

その後は非番の時雨と分かれて当直の艦娘からの報告書やらの受け取り、確認や

朝の哨戒任務に出撃する艦娘たちの見送りと予定していたメンテをこなして

昼食をとり

艦娘たちとコミュニケーションを取る為に鎮守府のレクリエーションルームやドックの娯楽室(例のゲームが置いてある区画)に行ったりして

気付いたら夜になっていた

 

仕事したって感じがしない

…いや、もちろん書類も必要分終わらせたし、メンテも済ませた、ちゃんと艦娘たちのストレスケアも要望書の応答も帰ってくる子たちの出迎えもやった…のだが、

 

なんというか『一仕事終えた後の疲れ』とか『去愁を伴う達成感』とか、もっと言えば『手応え』みたいなものがない

 

割と致命的だぞ…

 

[いいじゃんそんなの、ゆっくり寝られるんだし][そうじゃなくてだな…

なんというか、仕事した感がないと落ち着かないんだよ…お前だってあるだろ?

ほら、敵空母を一気に沈めた時とか]

 

[うわ社畜の発想…あるけどさ、そういう『やったっ!』って感じ?

でも、それがないと落ち着かないっていうのはちょっと良くないと思うよ?]

 

瑞鶴に注意されながら

布団の上でスマホをいじる

大本営からの支給品なのだが、コレは自由に使っていい、と言われたので

完全に私用の品である

ちなみに連絡先はほとんど空っぽ

大本営の陸奥課長、霞

大本営の大淀、飛鳥先輩

一ノ瀬さんと五人だけである

 

 

うわ、よく考えるとみんな女性だな

 

…提督という職業の関係上仕方ないのかもしれないが、とにかく女性の連絡先ばかりと言うのは落ち着かない

 

…はぁ、気軽に電話できるような友もいないし、いたこともないのに

何を言っているんだが、

と言ったところだ

 

まぁ、何はともあれ

暇を持て余している、

 

現在時刻は17:20

夕食を過ぎて、本格的に日が沈む頃

すなわちここからは夜の時間なのだが、特にすることもなく、誰とと用事はない

 

さて、どうすれば良いかな…

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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