オペレーターとしての仕事は単純だ
ロードマッピング、
視覚等情報の記録、人員の誘導
その他の補助、
本来はそれに加えて、人間の反応の捕捉や戦闘不能になった人員に対する回収指示、索敵もあるのだが
レーダーや索敵装置のような大掛かりなものを使えばバレてしまう以上は、索敵警戒を行う術はない
つまるところ、オペレーターが
『後方から高速の熱源反応!来ます!』とかやるわけでなく、突入班の人員の索敵能力だけでそれをやらねばならない
それどころか場所が
そもそもオペレーターがいる必要性すら薄いのだが、そこはどうしても必要らしい
最初の統括管理だけでもだいぶ差がつくんだとか
まぁ、大規模な攻撃をかけてくるなら最初のうちだろうし、トラップも『爆薬で扉を吹き飛ばす』とか『超高圧電流を流す床』とか『壁が自動的に砲撃してくる』とか程度なら十分想定の範囲内だし
装備の対応圏内だ
よって俺がすることは極めて限られているのだが…それはそれとして
まず考えるべきは
突入班及びメディックにおける各メンバー個々人のスペックの把握だろう
その性能を活かすか殺すか
それはオペレーターと隊長の指先に掛かっているとすら言えるのだから
「というわけで、今日はその報告に来ただけです、それだけなのでそろそろ話は終わりになります、あと…」
「あと?」
「後顧の憂いは断つ、鎮守府と民衆の方は私が対応しますから、提督は目の前の敵だけに集中してください…それではどうぞ、お降りください」
車のドアが空いたその先には
…大日本帝国ホテル
日本が深海棲艦出現以後に立てた建物の中で最大規模のホテルである
無論名前の元は帝国ホテルなのだが
こっちは和洋が場所によって別れるという謎のハイブリット構造をしている
「は?」
「もう鎮守府の方に連絡はしてあります、それよりも…突入班が全員揃って会える機会があるかもわからないので、まずは顔合わせと行きましょう」
迅速かつ巧妙な誘導に『連絡員』という立場は本当に恐ろしいと思ったが
さすがに怯んではいられない
俺も腹を括って…後に続いた
「ここです、宴会場…というか、小規模ホールです、多分時間的には
…そろそろ夕食になるでしょう
行きますよ」
「時刻は19:45、だいぶ遅いが?」
「最初から予定時刻が20:00でしたから、それでいいんですよ…というか提督は緊張し過ぎです、ホテルなんて仰々しい名前な程度でビビっても仕方ありませんよ?」
「いやビビってないが?」
冷静を取り繕いながら辺中佐に続き
座敷の入り口から手前側、
空き席の下座につく
もちろん遅れてきたので
当然ながら挨拶はさせてもらった
公式身分の方『神巫 蒼羅大佐』は名乗れないので、
「はい皆さん、提/…今作さんのオペレーターを連れてきました
自己紹介があるので傾注!」
考えているうちに辺中佐が視線を集めてしまい
「私情で遅れてきてしまって申し訳ない、『エージェントクラス:オペレーター コードネームは『ハンドラー』よろしくお願いする」
とりあえず声を上げておく
「…俺たちは実行部隊 コードネーム『
「よろしく頼むよ、ハンドラー」
「よろしく」
ハウンドの5人はそれぞれ背格好はバラバラだ、それなら各員の体型を把握していれば見間違うかとは無いだろう
「ハンドラー、あんたもしかしてあの神巫提督か?」
「…えぇ…」
辺中佐も苦笑しているレベルの即バレ
あまりにも早すぎて俺も見逃したよ
「もしあんたが神巫提督なら、この戦い、勝ったな…神将がついてるんだぜ?」
「楽観視し過ぎだぞ、ハウンド3、それを避けるために身分を隠していたんじゃないのか?」
「…すまなかった」
ハウンド2がハウンド3を呼び止め
慢心を諭す
そもそもコードネームを使っている以上、本名を隠すのは当然なのだが、変装用の装備もなにも持ってきていない現在の状態では顔をごまかすにも限界があって…
というのは言い訳か
[提督さん、やっぱり有名なの?]
[お前らの進攻を命をかけて止めた英雄、らしいぞ?…まぁ俺には実感ないし
なにより気づいたら大佐になってたし]
[階級上がるんならいいことじゃん]
[良くないよ、少なくとも単純にいいことではない、つまりはこういうことも起こるってわけだ…身分が中途半端に高いと民間への露出も増えるしな…顔の良い一ノ瀬中佐とかはひどいぞ?色気担当でどこへも引き回されている…本人は将棋をやれればそれで良い、と頓着していないがな]
まぁ広告塔にはうってつけって人材だし
「…俺のことはあくまで1オペレーターの『ハンドラー』として扱ってくれ、
俺がいうことはそれだけだよ
それに…遅れている奴が言うのもなんだが、そろそろ食事にしないか?」
「ははははっ!違いないな!
よし!大佐はこっちの上座な?」
「いやこっちは実働隊じゃないし、俺は下座の方がいいんじゃ」
「階級が違うんだよ気にしようぜ?」
「俺ぁ兵長だからな、そら兵卒と佐官がいたら上座譲るのが普通だろ」
押し黙っているハウンド2以外が
俺を上座の方へと押して座らせる
「顔合わせ兼決心会
参加者全員の出席を確認しました、これより、開会いたします」
その直後
辺中佐が音頭をとって会を開いた
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