「ハンドラー早いな…」
「俺より早いなんて思ってなかったぜ…」
ハウンド2、3が軽口を叩いていると
ハウンド4がストップをかける
「そもそもハンドラーが200メートル走の記録なんて提示する必要なかっただろう
最低でも博…メディックの分まであればよかったはずだ」
「いやそれでもさぁ?…ほら、隊の中の規律っていうか、ほら、なんかあるじゃん?」
「ない、そもそもハンドラーは現場に出張らないだろ」
「現場にいなくたって必要な事はあるだろ?」
「現場に居なくて必要なデータなんて声とオペレート能力くらいだろうが」
ベシ、とばかりに頭に一撃喰らうハウンド3
「そもそも俺たちは処分前提の決死隊だぜ?その前に少しくらい楽しませてもらってもバチは当たんねェだろう?」
「その思考にバチが当たるわバカ」
さらに一撃を喰らったハウンド3は反論を諦めたのか、適当な椅子に座る
まずは自己紹介(真)を終えて
それぞれの艤装の能力や顕現部位の確認を済ませたあと、俺たちは大本営の小会議室に来ていた
別に今から突入というわけではなく
シュミレートのためだ
大本営に存在する各研究室は、研究棟のそれぞれに割り当てられた研究室だけでなく、外部に独自の施設を持つことも認められている
881研究室も、おそらくはそういった施設に機密情報、物品の類は移動済みだろう
「で、どこにあるかなんだが」
「それについてはもう判明している、事前情報のファイルやら極秘って書いてある紙媒体まで全部暗記した…ここまでやった俺の努力を褒めて欲しいぜ
いや、いいんだけどさ」
俺の記憶力は伊達ではない
一目見れば忘れない、というわけではないが、それでも長期間にわたって情報の保存を可能とするのが俺の記憶野、俺の海馬である
…というか、俺の頭が今情報を盗まれたら日本滅ぶレベルの危険情報が詰まった情報媒体と化しているんだけど大丈夫か?脳から直接記憶を抽出する装置とか開発されてないか?
周辺の地図とかなら全然問題ないが
万一やばい情報まで盗まれたら本格的に日本の軍事体制の抜本的な改革及び再編を余儀なくされちまうようなモノなんだが…世論ってクソ邪魔だな、必要なことであるとも知らずに自分の不利益だなんだと喚き立てて邪魔をしてくる
……いや、今はそれどころじゃない
まずは考えるべきことを考えよう
「よし、やることをやろう」
オペレーターとしての、部隊のコンディションコントロールを鑑み、
まずは機材とかの扱いにも習熟しないとな
時間は短いが、習熟期間はある
その間にハウンド達の練度も上げてもらって、俺も、久々のリアルタイムオペレートのために勘を取り戻そう
「うん」
[なんか色々納得できないけど…頑張って、提督さん!]
瑞鶴からのエールももらったことだし、おじさん頑張っちゃおうかな
[もう!おじさんなんだから無理しないの!]
[おや、これは手厳しい]
直後に叱責されたので
テンションを戻す
各隊員のヘッドギアに搭載されているアイカメラに画面を同期する作業
明暗の視覚補正、位置情報の表示および追跡、各隊員への音声転送
そして自爆機能の起動方法
およそ必要とされる操作全てを覚えて
隊員達も艤装の使用、慣熟や適合率の向上の訓練などを繰り広げる
コーヒーや昼食を胃袋の底に流し込み、ひたすらに訓練に明け暮れる一週間は
いつかの日々を思い起こさせる
「んで…」
「決行の前日になったわけだが」
「練度は十分、装備も十分、ついでに気合も十二分だな」
「2割余ってどうするんだ?」
「その辺は…そういうことだよ」
「どういうことなんだよ」
お調子者のハウンド3はおちゃらけているが、やはり表情は硬いし声も暗い
やはり死ぬと分かっている作戦に参加するのはキツいか…?
「どうにせよ、俺が声をかけるのはお門違いか」
ハウンド3には触れないことにして、機材の方に戻る
デバイスの
そのタイトルは「別れの歌…か?」
正解、用意していたいくつかの音源のうち、今の雰囲気を表しているのはこれだろうと思って再生してみた
「…ハンドラー、気が滅入るからやめてくれよ、ただでさえ明日が決行日なんだぜ?俺たちゃあ明日お陀仏なんだから、今日くらいは明るく楽しく行きたいわけよ」
ハウンド5がいつもの冷静な口調すら崩して俺を静止してきたので、一言謝ってから音源を止める
すると、ハウンド1が徐に口を開き
「まぁいいや、明日決行なわけだけど、みんなやり残したこととかあるか?」
「…あるっていったら止めてくれるのか?」
「あるなんてどうせ言えないだろ?」
「…両者ともに否定できない」
ハウンド1の提言にハウンド2.3が反応し、直後に1は前言を撤回する
「で、やり残したことなんだが
あるんなら今のうちにやっておく、というのは…残念ながら、今更だったようだな」
メディックが笑う
たしかに、突入班であるハウンド達は一度向かえば生きては帰れない
最初から、準備期間だからと予断を残すはずもない
「よし、まぁ私も同行するし
作戦自体は成功させてやる、
私とて元881の博士だからな、生きては帰らん覚悟もしている、それに」
「それに?」
「私達は
「必要とあらば、各々の理由のためならば」
「命の数個、差し出そう」
「それは既に無いもので」
「構うモノでもないのだから」
突入班六人全員による、絶妙なチームワークであった
600話記念番外編は
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……