戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

386 / 649
鉄の仮面

そして、夜を迎え、

 

22:30

 

「ハンドラー、これが直接顔を合わせる最後になるが、最後に一つだけ言っておく

絶対に、迷ってはいけないぞ

俺にはもう覚悟を決めているんだ」

 

「あぁ、わかっているよ」

 

各員の自爆装置の遠隔起動スイッチは、俺が握っているのだ、だから俺は迷わない、戦闘不能に陥った人員はその場で自爆を起動する

 

それが必要なことだからだ

 

まぁ、艦娘の艤装なんて使っている時点で通常爆薬がどれほどの効果を出すのかわからないが、それはおいそれと実験できないし

最低限、艦娘を大破させうる火力を用意することにした

 

とはいえ、俺自身には用意できないので、艦娘用の装備である魚雷の中身を拝借しているだけなのだが、クリーンヒットやクリティカルヒットなどという判定に関係なく、至近距離で爆発すれば十分な火力になるだろう

 

ここまで来て不確定要素というのは少しため息をつきたくなるが、そこの辺は諦める他にない

 

…さて

 

「目標施設は大本営より北東に22km離れた海側にある、コンクリート建ての大型のハコ…とはいえ、研究棟やら保管庫やらの配置や中の人数とかは不明だ…総員最大限の警戒を求む、映像についてはこっちにヘッドギアのカメラからリアルタイム転送されてくるから、気にしなくていいが…電波障害くらいいくらでもやってくるだろうし、いつ通信が途絶するかわからない

施設の建設時の見取り図はもう見たよな?」

 

「一応な」

 

「それは役に立たないものと思ってくれ、どうせ増改築を繰り返した果てに原型無くなってるのがオチだ…俺からの注意事項は初見の罠に気をつけること、艦娘を含む人影がいたら敵だと思うこと、見取り図を信用しないこと、の三点だ

他に何か意見はあるか?」

 

「確認なんだが、やはり建物ごと外部から爆撃するんじゃダメなのか?」

「残念ながらBC(バイオカウンター)兵器の開発が確認されている以上、一方的に爆破焼却する殲滅作戦は不可能、それにあくまでこの作戦は違法研究の『摘発』ならびに逃亡すると思われる881研究室主要構成員の捕縛が目的だから、大規模に攻撃しちまうのは軍としての体面的にダメだし、身柄確保できない時点でアウトとなる」

 

「…そうかぁ…」

 

「ちなみに憲兵隊にも計画時点で突入自体は伝えてあるし、881研究室の今までの研究の履歴…まぁ、スッパ抜けたものだけだけど…を渡したら目の色を変えていたし、突入は黙認されることになっている

某佐世保鎮守府の提督も賛同しているが、提督の直接参加は人員保護の面からNGなので今回の突入が計画されている、オーケー?」

 

「よし、オーケーだ!」

「運転は誰がやるんだ?」

「俺大型免許持ってるからトレーラー使えるぞ!」

 

「ハウンド2が運転を行う、ちなみに到着後には無線で爆破するから、忘れ物には気を付けろよ?」

 

笑いながら言うと

 

「遠足じゃないんだからな…」

「忘れ物は流石にしねぇよ」

「おっフリか?」

 

やはりと言うかなんと言うか

フリか何かと勘違いしているハウンド3がふざける

 

「はいはい良いから、到着時刻は23:15を予定、その後23:30まで現場待機、現場にて得られた情報の共有と無線を用いた最終ブリーフィング、および諸機材の調整を行い、23:30から突入の実施する

 

目的は出来る限りの人員を確保または射殺すること…はい出動!」

 

「時間厳守なー?」

「それ運転手()にいうかよ」

 

ハウンド2がぼやきながら

足並みを揃えたハウンド隊とメディックはブリーフィングルームを出て行った

 

「…運転中は監視くらいしかすることないよな…」

 

俺はヘッドギアのカメラ画像がちゃんと転送されていることを確認して

各隊員のカメラ画像の確認を始めた

 

「つっても別に見てるだけだしな」

 

[気を抜かない!提督さん!]

 

俺の目を通して画面を睨みつけながら瑞鶴が俺の頭を叩いてくる

 

[とはいっても…することはない…]

 

オペレーターとしての本格的な仕事はまだ始まっていないし、街の進路ナビは用意したトレーラーのナビコムに入っているし

今すぐに何かあるわけでもない

トレーラー搭載のレーダーだって何らかのアイテムに対する反応を示してはいない

 

到着するまでは景色でも見ているか

 

………

「はい、敵襲ですね

本当にありがとうございました」

 

見事なまでのフラグ回収

 

目的地に向けて進行するトレーラーの前に現れたのは、以前、大本営の研究棟で遭遇した『no pane marionnette』の完成形、または発展形と思われる、意志の感じられない人形にされた艦娘達

 

以前の『no pane marionnette』のように、本人達の意思が残っているようには見えない

 

…センサーの感度が足りないだけだと思いたいところだが、おそらくそうではなく

根本的に脳まで改造されたか

意識を喪失した状態で体だけを操っているか、のどちらかだろう

 

以前と違って、かつては剥き出しであった機械部分に装甲が追加されており

以前俺がガトリングガンの連射で機械部分を破壊する事で機能停止に追い込んだ事例に対策を施したらしい

 

しかし、道中で襲撃

それも人形艦娘(マリオネット)を使ってまで

 

…警戒レベルが高いとかいう話でなく、すでに襲撃自体が察知されている可能性が高い

 

こりゃあ突入部隊も無駄足になる可能性が高いな…

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。