戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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ホークガトリーング!

「さて、ついたぞ、大本営だ」

 

「屑と一緒に護送するのやめてほしいです」

「技官には技官なりの待遇があってしかるべきだと思う」

 

「黙れ、お前は連絡が遅れすぎだ」

取りつく島もなかった、、

 

「そろそろ戻って来い、お前のメンテ技術はよく分かった」

 

「何があったんですか?」

「あぁ、、お前のメンテに慣れすぎて普通のメンテじゃ満足出来ないと騒いでいる」

 

「あっ、、(察し)」

「おい待て里見今何を察した」

 

[地雷の気配だよ!]

バチン!と大きな音が鳴り響く

もちろん俺の頭の中のラインが強引に開かれた音だ

 

[川内っ!?]

[強引に意識を切ったりするせいだよ!お返しなんだから!]

 

[いや悪かったから今はやめて]

[君が泣くまで!叫ぶのをやめないっ!]

 

[ワン]

[いや鳴けっていってる訳じゃ、、!これはこれで良いかも]

 

おっとやばい、死んでしまう

 

「で?我々はなにを咎められるのでしょうか」

 

「お察しの通りだ、部下が提督を追放など前代未聞の事態だ」

 

でたよお役所仕事の得意技

責任擦り付けと前例さん信仰

これは困った、

 

[そのあと、会議に突き出されてしばらく拘禁されるのだった〜]

[おいやめろ不謹慎だぞ]

 

護送車から降りて歩く

ここにくるのもしばらくぶりだな

 

五分後、地上十階の大会議室にて、、

俺は会議の中心人物になっていた

ちょっと訳がわからない

 

「艦娘の不当な扱いに対する配慮、また悪質な環境下における労働を強いていた提督の追放において、貴官に特段の功有りと判断し、今回の査問は無罪とする」

 

その結論が出るのに二時間掛かるってどんだけ面倒なんだこの軍、、

 

しかもだいたい三つくらいの意見をグルグルしてるだけ

って、、何の意味があるんだ

 

しかも仮決定で後から正式に会議するらしいし

 

「下がって良いぞ」

 

「はっ!神巫技術中尉、退室します!」

 

敬礼だけはビシッと決めてやったぜ

 

目のオーラ抑えるので一苦労

あれ感情で発生するらしいから無感動を保ち続けたらどうにか消えたけど、正直めっちゃ疲れた

 

宛てられた控え室的な部屋へ移動し

 

グデェと座り込む

 

「疲れた、、、」

「僕もですよ」

 

里見くんも面倒な会議に(別室)巻き込まれたらしい

 

「どうにからならんかね」

「どうにもならないでしょう」

 

この部屋が盗聴仕掛け付きである事を鑑みて音声だけはまともだが、顔色と手話で会話している

 

《面倒くさい》

《僕に言わないでください、それこそ面倒です》

 

《うわ悲し、って俺どうなんのかな》

《分かりませんね、バレれば最悪解剖ですが》

 

《うわ解剖とか嫌すぎる》

《その体質が故の苦労という奴です》

 

こんな会話を三十分ばかり続けていたら

突然扉が開き

「おい、神巫技術中尉、これに着替えてもらおう」

 

憲兵さんこんちわッス

 

で?囚人服?死刑用?

 

マッシロ?!

第1種軍装に見えるんだけど?

 

(;つд⊂)ゴシゴシ

(・ω・)チラッ → マッシロ♪

 

壁|彡サッ!

 

面倒な事になりそうだが

マッシロ! (´・д・`)モウヤダ|壁

 

真っ白な軍服?制式第1種軍装なんて

今は提督しか着ないような代物でしょう?

 

(上の階級の人はだいたい肩章が付いているため、少々形状が違う)

 

それはつまり、、

 

「喜べ、君は今日から提督だ」

 

「いっいや俺は妖精見えませんし

アセッアセッ!

 

「嘘をついても無駄だ、すでに龍田による報告で明確に妖精を使役していたとの情報を得ている」

 

「オンドゥルラギッタンデスカー!」

鎮守府にいる龍田に恨みごとを言ってもなにも変わることはなく、ズルーズルーと引きずられて提督専用の部屋らしきものに放り込まれた

 

「提督着任に際して君の階級を三階級特進、少佐とする」

 

そんな通達を今出されても、、

 

「秘書艦はこちらで用意した、入れ!」

 

「はーいっ!商戦改装空母、隼鷹でーすっ!

ヒャッハー!」

 

なんかテンションたかくね?、、というかこの子

明らかに空母って言ったよね?

今空母って言ったよね?

 

 

 

 

クウボ!クウボナンデ!クウボ!

最初はコストの問題で駆逐艦じゃないの?!

俺は速攻で経済死するの!?

 

「こいつが貴様(技官→提督になったから呼び方変更)の専属秘書兼監視艦、隼鷹だ」

 

「待とうかせめて時雨にしてくれないか?吹雪とかさぁ、漣をはるかに超えた色物役じゃないかどうしてくれるんだおい!」

 

隼鷹は飲み直しを名目に

サッサと出ていってしまった

 

「いや、『俺』としても済まないとは思うが、監視艦は索敵範囲の関係から空母限定でな、どうも今大本営にいるフリーの空母は隼鷹一人なのだ、それに

監視艦とは言ったが、むしろお前があいつの飲み過ぎを監視する側なんだ、、」

 

哀愁を漂わせた憲兵さんは暗い表情で言う

 

「すまない、経済的な不安を背負わせてすまない、、こちらでも『大本営所属の艦娘』という事で最低限の支援はするから、、頼んだ」

 

「いやそんなこと頼まれても」

「少佐!自分の艦娘だろ?なぁ、、あいつを禁酒させてやってくれ、、」

 

「いまさっき逆のこと話してたよね?」

もうダメだこいつ、早くなんとか

(精神鑑定)しないと

SAN値が減りすぎててダメだ

 

その後、憲兵さんはフラフラと焦点の定まらない目でどこぞへと出て行った

 

「どうすりゃ良いんだ、これ」

 

部屋には一人新品の第一種軍装で頭を抱える男が残ったという




隼鷹さん登場!

なんかこの作品空母優遇感あるね
(偶然)

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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