第四席+第七席vs 元第三席+ハウンドチーム
身内間戦争の如き雰囲気を漂わせるマッチだが、それでも敵は敵
容赦するわけにはいかない
「提督がこの場に来ているなら話は別だが、そうでないなら擬似艤装如きなんでもないんですよおっ!」
「叢雲の艤装本体は…どうするってんだなぁ…」
「まずいな、叢雲…いや、「まずは!」進むことだけを考えましょう」
瞬く間に、肉体が入れ替わる
艤装適合者の特権でもある身体の書き換え、それを逆用した身体の換装で
叢雲へと肉体を変更する
ダボついた白衣を着た叢雲は
一瞬顔をしかめながら、その裾を翻す
「…この場の指揮をとらせてもらうわ!
「残念ながら、九九艦爆の16機が限界だ」
「そう、じゃあ
「こっちは大丈夫、ただタイムアウトが近い!」
「俺はまだ行けるぜ!」
「了解、
「問題ない、タイムは残り250秒」
「小破状態、燃料は問題なし、だが弾薬が残り少ない!タイムは600秒ある!」
そして、全員のコンディションを確認した叢雲は、瞬時に作戦を立て直して
俺へと尋ねてくる
実行した時に成功率はどれくらいか?とではなく、実行できる戦力か?と
〈実行は…できる!〉
シュミレートと全員の練度、性能を鑑みて可能と判断した俺は
即座にそう宣言する
「よし、やるわよ!…ハウンド2とハウンド1は前に、私が左の方を抑えるわ
全力で戦って!」
《了解》
叢雲の指示は意外なほどにすんなりと通り、再度出現した槍を使って
慶喜の足止めに掛かる
「駆逐艦一隻なら、艤装なしでも十分戦えるんだなぁ」
その挑発的な言葉は、プライドの高い叢雲に刺さったのだろう、
叢雲は爆発的な急加速で接近し、魚雷の一撃を叩き込む…が
「ボクの白衣は最新型…駆逐艦の魚雷くらいのダメージなら…純粋な装甲能力だけで軽く打ち消せる範囲内なんだよなぁ」
まるで堪えている様子もなく
平然と立っていた
「なんですって…?」
「言ってるんだよなぁ…つまりは、君が弱いだけなんだよなぁ」
慶喜の声は耳障りに響き
周囲の喧騒もそれを害さない
叢雲は自身の戦闘力を『低い』とは評価しているものの、それはあくまで大型艦と比べての存在的な規模の差が大きい要因と判断している
そう、駆逐艦の範疇であれば
自信を持って強力な艦娘であると自称するのだ
それを真っ向から否定されてしまった
「こんのぉっ!」
プライドを傷つけられた叢雲の選択と行動は素早く、的確で…そして悲しいまでに方向性を間違えていた
真っ直ぐに槍を投擲し、
その影から突進、槍が受け止められると同時に至近距離から全力の砲撃
叢雲の全火力を以て
総攻撃を仕掛けて行く
連装高角砲が、魚雷が、機銃が
各々の力を発揮して…弾を無駄にする
「何度も言わせるんじゃないんだな、ボクには効いてないんだなぁ」
口の悪い敵…慶喜は笑顔をすら浮かべながらそれを耐え切って見せる
「881研究室で自作している白衣は、本人の性格と技術的進歩が如実に現れる
私の場合は…軽量性と単純な強度!」
「ボクの場合は防御力と各種耐性…それに基礎機能の光学迷彩なんだなぁ
ちなみに、第六席は耐薬性と強度にガン振りしてるから席官のなかでも一番硬いんだよなぁ…」
さらっと自分が一番固いわけではないと暴露しつつ、そのまま
隙を晒した叢雲を拳で迎撃する
「ボクは肉体改造はしていないけど、新規武装のアームドギアのおかげでこのくらいの出力は出せるんだよなぁ!」
体の各部に見えるラインや光点は
身体能力の強化用武装であるらしい
凄まじいほどのパワーで叢雲を振り払い、腕を薙いで叢雲を壁に叩きつける
「まずは…一人、なんだよなぁ」
「やらせるかよ」
そこにハウンド4が割り込み、艤装に大きな亀裂を作りながらも叢雲を回収する
「大丈夫か?」
「えぇ…迷惑をかけたわね」
「構うな、同じ部隊だ」
そっと叢雲を床に下ろしたハウンド4は、片方の主砲が潰されたことに顔を歪めて、しかし、それでもなお戦意は途絶えない
「作戦に変更はあるか?」
「ないわ!何度でも、真っ直ぐに!」
「了解した…っし!」
押し殺した声と共に、
床に拳を叩きつけるハウンド4
精神力でブーストされたその威力は高く、床を叩き割って見せた
「行くぞ!」
「ええ!」
床から剥がされた硬質なリノリウムの破片が投擲され、氷の壁に打ち当たるが
やはり固い、相当な量の水を凍結させているようだ
「やはり無理か…ならっ!」
「させませんよぉ?」
「押し通らせてもらうわ!」
「やらせるわけがないんだよなぁ」
ハウンドチームと881の戦力は
現状、互角だった
600話記念番外編は
-
過去編軍学校
-
過去編深海勢
-
裏山とかの話を
-
テンプレ転生者(ヘイト)
-
ストーリーを進めよう
-
戦争が終わった後の話を!
-
しぐ……しぐ……