戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

399 / 649
建築回収

叢雲は慶喜を一人で相手取り

 

花油をハウンドが抑えながらなんとか艤装の本体…タ級の撃破を狙う

 

しかしそんな事は双方承知の上

氷の防御壁は堅牢であり、突破には時間がかかる、そしてハウンドの艤装は使用に時間制限が存在する

 

時間は常に、881に有利に働いている

 

そのディスアドバンテージをひっくり返せるほどの強力なカードはハウンドチームのもとには無い

そう、ハウンドチームのもとには

 

〈…第二次攻撃隊、攻撃開始〉

 

俺にはある、この力が

現状の敗色を塗り替えられる力が

 

「…来た!」

 

その声と共に、飛来する彗星

 

瑞鶴の力を強奪した俺が放った

第二次攻撃隊の到着であった

 

〈やれ!〉

(了解…彗星・F ・セイエイ、目標を駆逐する!)

 

〈そういうの止めよう〉

(はーい)

 

ふざけていた妖精を軽く叱って

攻撃を命じる

 

無論、今回の目標は

 

そう、タ級の本体

正確には艤装のコアである深海樹華が問題なのだが、それは置いておいて

その本体を破壊することでコアを暴走させ、支配下から引き剥がすことで

2対1+5状態から

1対1対1+5状態にするのだ

 

これなら連携を失った相手に総攻撃できる、つまり現在の拮抗を有利に傾けることができる

 

そして、圧倒的な数を揃えて投下された爆弾は遂に氷の壁を砕き、そして

 

ガラスの円筒は壊せなかった

 

「ただのガラスやアクリルとは違うんですよぉ〜?そいつは対爆耐圧用の強化アクリル、鯨が乗っても割れない最強のガラスなんだからぁ」

 

〈なら、これはどうかしら?〉

 

突如として、俺の通信回線に割り込んでくるクールな声

 

〈航空母艦、加賀です

提督のために助力に来ました〉

 

〈ねえさん!?〉

〈えぇ、姉さんよ…なにか相談?〉

 

その驚愕のせいで思わず声を上げてしまったが、そこは黙殺し、

画面を睨むと

 

その瞬間、俺のものと同じ彗星が、飛んでくるのを視界に捉えた

 

「えぇい反撃です!捕まらないうちに撃ち落とす!」

「これは流石に…通せないんだよなぁ」

 

敵の二人も、警戒を強めて撃ち落としに掛かるが、対空射撃は鮮やかに躱されて行く

 

〈無駄よ、私の出した彗星は『彗星(江草隊)』だもの〉

(おうよ!射撃回避は強いんだ!)

 

加賀姉さんの自慢げな(当社比)声と共に次々に爆弾が投下されて行く

牽制を物ともせずに躱し続け

氷の壁に開いた穴から

爆撃を通すその姿はまさに圧巻

 

〈これが一航戦の力よ、五航戦なんかとは比べものにならないでしょう?〉

[むっきー!適当言っちゃってぇ!]

 

[瑞鶴、言われるのはわかるが、俺がお前の力を使ってもなお江草隊には届かなかったのは確かだ、あまり暴言は控えるように…でもなぁ]

 

〈姉さん、その彗星江草隊、二航戦から借りたんでしょ?〉

 

〈…それは言わない約束よ〉

 

そう、彗星江草隊は二航戦出撃の任務で出てくる任務の機種転換で出てくる装備

そしてその元となる九九式艦爆(江草隊)は蒼龍改二の初期装備である

 

それ以外に入手方法はない

……つまり

 

[そもそも一航戦だけの力じゃないってことなんだよ]

 

[ほほう…?詳しく]

[今時間ないからまた後でな]

 

一瞬で思考を切り替えつつ

まずは通信に割り込んできた姉さんの方に指示を送る

 

〈姉さんはそのまま攻撃を続行して、ハウンドチーム!ハウンド2以外は総員全力で花油の足止め!叢雲とハウンド2は慶喜を抑えて!〉

 

「了解!」〈了解よ〉

「わかってるっての!」

 

返事を書きつつさらなる指示を流す

今度は個別回線を切り替えながら

別々に話して指示を出していき

そして、姉さんにもそれを送る

 

〈姉さんはタ級の突破まで粘ってくれ!〉

 

〈わかっているわ、大丈夫

お姉さんに任せて〉〈任せる〉

 

信頼と実績の姉さん故に

俺も安心して任せられる

 

「…やるわよ!」「いつでも」

「行くぞ!」「「「了解」」」

〈艦爆隊 全機全力攻撃!小癪な壁を突破しなさい!〉

 

姉さんが珍しく叫ぶ

 

叢雲とハウンドの努力と

姉さんの参画があってようやく

その最後の壁は砕け散り

 

タ級の命を奪った、サクリファイスガードもなく、鳥籠として彼女を守っていた檻も無く、彼女は最後まで目覚めることすらなく死んでいった

 

そして、悪魔が目醒める

 

「まずい!早く艤装をぐぁぁっ!」

「くっ…不利なんだなぁ…」

 

その瞬間、黒く蠢く肉塊が花油の肉体から分離し、粘液のように携帯を変化させて

逃れようとする花油を飲み込んだ

 

「回避ぃっ!」

「離脱しなさい!」

叢雲とハウンド1の声に反射レベルで引き下がるハウンドチーム

 

そして、即座に瞬間凍結材で氷の壁を作った慶喜もそれを凌ぎ

元艤装であったナニカは

捕食に失敗したことを悟ったか

再び固形化する

 

「分離型艤装より厄介だなこれ」

「死肉が腐って溶けるのと同じようなものだろ…見たくはなかったが」

 

ハウンド3の軽口にも

誰もまともに反応しないほどの余裕のなさ、艤装が溶けて人を食うという絵面のインパクトから鑑みて、精神的衝撃からの回復を必要とすると考えた俺は一旦退却の指示を出す

 

〈退がってくれ!それは危険すぎる〉

「いやだめだ…此処を退けば危険が増す」

 

しかし、ハウンド1にそれを拒否される

「アレは動くものを無差別に襲おうとするようだ、下手に動けば食われる」

〈…わかった、判断は現場に任せる〉

「了解」

 

 

そして、その返事が聞こえた直後

「こんな所にはもう居られないんだよなぁ…ボクは新拠点に帰るんだよなぁ!

光学迷彩服(オプティカルカモフラージュスーツ)起動(ムーブメント)!」

 

慶喜が姿を消していく

 

「ボクは逃げさせてもらうんだよな」

 

姿を消した慶喜は何処かへ逃げ去ろうとしたようだが、やはりというべきか何というか

 

「え?何で腹に刺さっぐがぁぁぁっ!」

 

一瞬で伸長したその腕に腹を貫かれ

迷彩を解除されつつ艤装に飲み込まれて消えていった




死亡フラグ大事よ


活動報告設置しました

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。