戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

40 / 649
第4章大本営 技師のすゝめ
酒は、、、


「ヒャッハー!してくる空母が俺の初期艦?俺が提督?冗談じゃねぇ!」

 

[野郎オブクラッシャー!]

[それなんか違う]

 

川内のボケに突っ込みつつ隼鷹の運用を思い返していた俺は

はやくも泣きそうだった、

 

 

だって、24時間飲み勢なんだぜ?

酒とともに起き酒瓶を抱いて眠るような奴だぜ?

 

酒税が、、助けて

 

あっ、これだから禁酒させてくれって言われたのか

納得納得、、じゃないよ!

助けてよ主に経済的に、、

 

「てーとくー」

 

バンッとドアを開けて入って来たのは

予想通り隼鷹だった

 

「暇なら手伝ってよぉ

飛鷹もあたしもぉ、艦載機結構あるんだよね〜」

 

二年半ぶりの聞き慣れたセリフと共に艦載機のメンテ手伝いを要求して来た

 

「よろしい、メンテして進ぜよう」

ヒャッハー!艤装は分解だぁ!

 

一時間後

 

「はっ!俺は一体何を!」

滅茶苦茶メンテしてしまった、、

 

隼鷹はうっとりした表情で空の酒瓶を傾けながら爆戦を撫でていた

 

途中までは綺麗にしてに終わらせてあげようとしていたのに隼鷹が

技能に自信あるぅ?

とか聞いて来たせいで技比べ状態に突入して技術の粋を凝らしてメンテしまくったのだった

 

「おい!隼鷹!隼鷹っ!!」

 

「・・・ぁ・・はぁ・・」

 

ダメだ理性蒸発してる

 

そのあと一日中この状態だったせいで図らずも禁酒に(だいたい)成功するのだった

ちなみに、夜に部屋を見に来た(脱走警戒)憲兵さんは空の酒瓶を何度も口元でひっくり返している隼鷹を見て一瞬怒り掛け、すぐに中身が空と気付いて驚き

続いて隼鷹の表情が完全にムコウにイっちゃってる事を鑑みて俺に詰め寄り、艤装技師免許をみせられて納得していた

 

以降定期的な艦載機のメンテを軍司令部からの正式命令として送られてきて泣きそうになった俺である

 

余談だが、隼鷹たち酒飲みが全員酒を飲むのを辞めたら

茶菓(ツマミ)代、酒代の二つで大本営の年予算の2%が浮くらしい

 

ちなみに、年予算の5%を酒保(娯楽関係の管轄)に宛てているらしいので、その半分近くが浮くという驚愕の状態だ

宴会の諸費なども込みで考えると更に軽減率が増らしい

 

俺みんなのメンテするから技官のままでいられないかな?と言って見たらかなり真剣な顔で考え込まれた

 

そんなに深刻なんだろうか?

 

「自分にはどうする事も出来ないが、出来る限り利益を喧伝して上申する、頑張ってくれ!切実に」

 

切実に、、

 

「わかりました!技官のままでいられたら出来るだけのことはさせてもらいます!」

 

但し本人の出来る限りはやる気になって上下します

 

悪い顔で笑う俺と、それを見もせずに喜びの表情で去っていく憲兵だった

 

[私優先だからね]

[だからなぜお前は出て来るか]

 

[ぴぎぃ]

 

[「ハッ!?」]

こいつ!直接頭の中に!?

 

[その子念話出来たの?!]

[知らん!]

 

思わず念話が荒くなるが、

[ぴぎ?ぴぎいぃいっ!]

と当人が一番驚いている様子をみて和んだ

 

[これでこいつも無理に黙らなくて済むなぁ]

今まで無言を強いた場面も多かったからな

 

[そうだね、、この子も話せた方が良いかもね]

 

不覚にも優しげな声で萌えかけた

危なかった

 

「神巫少佐、出ろ!」

「ハイヨ」

 

座り込んで座禅を組んでいた俺の足は

非常に痛かったが、無視して

部屋(?)から出る

 

「あぁ、無理をせんでもいいよ?足が痛むだろうし」

ふらついてぶつかりそうになったのは

 

「鼎大将、、」

やはりこの人だった

 

「やぁ、神巫蒼羅技師、、いや

今は提督だったね」

 

「ふぅ、、、はい、提督(?)です」

 

心底嫌そうな顔で答える

やはりこの人は行動が急すぎて苦手だ

 

「早速だが、大本営所属の艦娘たちの

メンテナンスを頼みたい、ついては

君の所属を第七七一研究室に異動とする」

 

正式辞令かよ、、まぁ、逆らっても仕方ないか

この人は俺の妖精知覚症(フェアリーコンダクター)が第四症状まで進行してる事を知ってるからな

 

妖精の力ってのは大きいんだよ

 

「はい、神巫蒼羅少佐、異動命令拝受します!」

 

はぁ、気乗りしない、、仕方ないが

 

俺は指定された場所に急いだ

 

「はぁ、、、はぁ、、、本日からお世話になります神巫と申します」

 

「うん、我々は月夜の黒猫団だな」

 

訳がわからなかった、七七一研究室じゃないのかよ、とツッコミかけるが

寸前でやめた

ちなみにその後、771研の室長に名前の縁起がいいと言う事で

 

『とても甘い、いっそ読者がワタワタするようなラブコメシーンをやって見せなさい!』

 

と迫って来られたが、

飛鳥さんと俺の名前の縁起がどう良いのかはよく分からなかった

 

「紅、飛鳥ってそんな爽やかな名前」

「お前がいうな」

 

隼鷹は貨客線由来ゆえに遠洋航路を簡単に使える、輸送能力も居住性も高い、気風のいい女だが

 

酒浸りという大問題を抱えた女でもある

酒をガソリンにして働かせることもできるだろうし、酒さえ出せば抱けそうでもあるが、それをやるとゼウス並みのクズになりそうだから自重した

 

そもそも性欲の対象にならないけど

俺酒嫌いだし

 

だから残念だけどラブコメにはならないんだ

 

ズイズイの方がまだありえる

俺は割とズイズイ好きだから

 

響提督である事を否定はできないけどな

 

「壁を乗り越えていきなさい!」

 

「だから俺は酒無理なんですって」

「人間なんでも出来るのよ!」

 

ゴリ押しするねぇ、この人

 

「いーぞもっとやれー!」

お前は火にアルコールを注ぐんじゃない

 

この騒ぎはどうやったら静まるんだろうか

教えたくれ川内

 

[ぴぎぃ?ぴっ!]

[無理じゃない?ガンバ!、、だって]

お前(タコヤキ)が答えてどうする

 

その時、警音が響いた




大好きだ!

大嫌いだ!

で別れてますね

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。