戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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更新継続派が圧倒的多数なので続けます

ただしクォリティは下がるかも


新第2章 誰かの物語
あるべき場所のいつもの姿


「結局帰ってきたのはやっぱり昼過ぎか」

 

「お疲れ様、提督っ!」

「いつのまに後ろに!?」

 

一足早く代理業を終了した辺中佐に送ってもらい、鎮守府の門まで辿り着いた俺は、その瞬間に背後を振り返って

 

「やっせーん!」

「おっそーい!」

 

川内と島風に飛びつかれた

 

「うぉわっ!流石に二人わぁっ!」

 

ただでさえ高速の二人、そこそこ良い体格している二人が相手では流石に耐えられず

体当たりに屈して倒れる俺

 

「さぁ夜戦だよ提督!久しぶりに夜戦だーっ!」

「帰ってくるのおっそーい!」

 

「…………………………」

「蒼羅、早く立ちなさい」

 

「…姉さん?」

「航空母艦、加賀です」

 

制服越しとは言え、石も普通に転がっている路上に背中をぶち当てて悶絶していた俺はそっと差し出された手を取って

引き揚げてもらう…駆逐1、軽巡1の重量でも小柄な二人なら大型正規空母である加賀の出力をもってすれば持ち上げられるようだ

 

「加賀さんだめ!私のなの!」

「提督とはじめて(こっちで)会えたんだから私に譲るべきだと思うの」

 

「ここは譲れません」

 

 

「譲ってくれ、起き上がれないから」

「あなたの練度はそんなもの?不甲斐ないわね]

「いや」

[なにをぉ!提督さん!立って!]

 

瑞鶴はムキになっているようだ

加賀さんは基本口が悪い…いや、省略が激しくて上手く伝わらない事が多いのだ

瑞鶴はコミュがストレートすぎて圧縮言語をうまく解凍できずに尖った意味に捉えてしまうことが多いようだが、俺に言わせれば

 

[これは『あなたの練度はそんなものじゃ無いはず、私はそれを認めているから、あなたが一人でも十分に動けることを証明するために敢えて手は貸さないけど頑張りなさい』って意味だよ]

 

こういう風になる

基本的に圧縮言語を解凍するときは

『好意的解釈』『言葉の裏を読む』

『キツい言葉は激励』

この三つを意識するのだ

 

そうすれば(加賀の場合に限るが)だいたい理解できる

 

[なんでそんな好意的な解釈になるのよ?…加賀さんのこと好きなの?]

[俺からしたら何故そういう解が出てくるのかわからないんだが?

単純に俺が圧縮言語の解凍に慣れているだけだから安心しろ]

 

そこで外へと意識を戻し

無理やり川内と島風をどかして

強引に立ち上がる

 

「川内と島風は落ち着け、俺は逃げたりはしないから」

「逃げるもん!」

「逃げた事ないだろ…」

 

即答する島風の頭を『てしっ』と叩いてからウサミミを撫でる

 

「ん、提督…初めて外であったのにひっどーい!」「お前の方がひどいわまったく

いや、そもそもなんで外に居るんだ?」

 

「それは私から説明するよ!」

 

川内がキラキラした瞳で見つめてくる

「えっとね、まずは…これ!」

 

なぜかスカートの中から取り出された書類の束を受け取る、とりあえず

内容の方を確認すると

どうやらそれは、ここしばらくの鎮守府の活動記録のようだ

 

「…………」

 

最初の方は俺が書いた報告書や

見覚えのある意見書、作戦の稟議書などがあるが、そのあたりを抜けると

辺さんの活動報告に変わった

 

しかし、その内容は

鎮守府近海のみに注力する『辺さんの普段通りの業務』のような保守性優先、防衛を徹底して間を伸ばすような遅滞戦術ではなく

一般的に提督がやるような

潜水艦、駆逐艦による遠征重視の戦術で、かつ哨戒を絶やさないヘビーな運用だった

 

それはつまり、海域に侵入してくる敵を迎え撃ち続けていたことを意味していて

即ち、艦娘のドロップがあったことを示していた

 

「2-4でドロップしたんだよ!

すごいでしょ、島風!」

「どう?提督」

 

褒めてー!とばかりに飛びついて圧力を掛けてくる島風、新型高圧缶は伊達じゃないようだな…だが、俺も正規空母(違う)の意地があるんだ、駆逐艦一隻に押し負けるなんてできないね

 

というわけで、

 

[いくぞプラグイン!ズイカクEXE!]

[トランスミッション!しないから!]

 

リアルタイムツッコミを受けながら

霊力をブーストし

パワーを引き上げて一時的に島風の出力を上回る

 

「離れ なさい!」

「ん〜!提督、つっよーい!」

 

「艤装つけてる島風に押し勝つとか…提督人間やめたの?まぁいいや、夜戦しよ」

「夜戦しようは万能の言葉じゃねえんだよ、何をするつもりだお前は」

 

どうやらこちらにも注意が必要だったようだ

 

「夜戦〜!過去三週間してないんだよ夜戦〜!このままだと私テイトクニウム欠乏症で死んじゃうよ〜!!」

「なぜ夜戦でテイトクニウムが補給できるんだ…?見るからに俺関係の物質だろ」

 

「そんなのは関係ない!夜戦したいの!夜戦夜戦夜戦やぁー!」

「龍驤入れて来んな、ただでさえ強烈な個性をかぶせてあげないでやれよ」

 

俺の胸に顔を擦り付けながら夜戦!と叫ぶ少女を抱きとめつつ、背筋を正す

 

「仕事に戻るから、また後でな」

「あ、やせーん!」

 

そのまま川内を置いて走り出し

鎮守本棟に走る

 

「提督おっそーい!」

「うるさい、外じゃこれが限界なの」

 

魂内ならもっと早いから気にするな

 

と強引に島風の言葉を振り払い

執務室に向かって…足音を立てないようにそっと歩き

 

執務室の扉をノックする

 

「ん、誰だ?」

「誰でもいいから早く入れデース…」

 

「金剛やる気無くなってんじゃねえか!」

「提督…?これは幻?

それとも、私の見てる夢?」

「おい金剛、ルー語」

 

「ハッ!?…テートク!」

 

机を飛び越えてきた金剛を受け止めきれずに倒れ込む

「たとえ幻だとしても会えて嬉しいデース!」

「ならさらに嬉しい事を言ってやろう

俺は現実の人間だよ」

 

そっと頭から撫でてやると

甘えた猫のような声を出す金剛

 

「にゃーん!」「あのなぁ」

「金剛、いくら提督が戻ってきて嬉しいのだろうと、過度な接触は風紀を」

「長門は黙ってろデース」

 

「「金剛?!」」

 

まさか金剛がそんな事を言うとは思っていなかった二人は、まったく対極の位置にありながら同じように叫んでいた

 

「もうちょっと堪能したいデース

暑いですケド、提督の匂いがその分感じられて…あっ…はぁ…はぁ…」

 

「金剛、離れようか?」

「…聞こえないデース」

 

「金剛」

「もっと優しく、囁くように呼んでくだサイ」

 

「長門」「ああ分かった」

「え?なんで長門が?ぁぁっ!」

 

頭がゴン!と鳴るほどにキツい

ゲンコツを喰らわされて

頭を押さえる金剛だった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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