金剛が鎮守府全館放送て『提督が帰ってきた』なんて大袈裟な放送をやり始めたので
流石に止める
「金剛、流石にそれはやめてくれ
後で俺の方から鎮守府を回る予定だから」
「No!それじゃ遅いデース!
まずはみんなに帰還を認知してもらうべきデース!」
「ひっそりと帰ってきて
いつのまにか戻っているイメージにしたかったんだけどなぁ…」
「諦めろ提督、こうなった金剛は頑固で手早く強烈だ、もう止まりはしない」
「長門……こうなる前に止めてくれよ」
「すまない、私は低速の戦艦なのだ
高速の金剛たちには追いつけない」
長門はすでに諦めてしまっていたようだ
「…はぁ……」
そして、本来なら静粛に、かつ平穏に行われるはずだった提督の挨拶は
大々的に行う必要に迫られるのであった
「みんなー!おっはよー!」
「…那珂はテンション高いな」
「そりゃねー!アイドルだから♪」
ならさりげなくこちらに寄ってくるのと意味ありげなウインクをやめてもらえないかな?アイドルはみんなに平等に接するのが条件だぜ?
[むー………]
[どうした瑞鶴]
[提督さん、あぁいう子がいいの?]
[…HA?]
[だって提督さん、満更でも無さそうだし]
瑞鶴のネタミニティは止まるところを知らないようで、ついに物理的影響力まで持ち始めた
[体型ならお前と大して変わらんだろうが]
[そんなことは関係ない!]
むぅー、という謎の音が頭の中で鳴り響いているなか、とりあえず思考を止めて
艦娘のみんなが来るのを待つ
「失礼するわ!」「抜錨します!」
「っぽーい!」「入るぜ」
「入るよ」「提督さん!」
「失礼します」「いっちばーん!」
「えっと…入っていいんでしょうか…?」
「良いンだよそンなのは」
「押しかけたら迷惑になるよ」
「引っ張らないでぇ」「ちわー!提督!」
「入るのは良いが抜錨はするな、ああ良いぞ迷惑にはならない、気にしてないから問題ない、そんで一番は今更だ」
一斉に押しかけてきたメンツの重複した声に混乱しながらとりあえず当たりをつけて返事をしつつメンバーを頭の中で照合する
暁、吹雪、夕立、天龍
時雨、五月雨、村雨、白露
海風、江風、山風
春雨、涼風
おお、白露型全員揃ったな
「帰ってきたって聞いてね
みんなを呼んできたんだ」
「こうして挨拶するのは初めてかしら?」
「村雨は提督さんに挨拶したこと無かったっぽい?」「正式には無かったわね
春雨もずっと機会を逃してたし」
「いっちばーん!」
「……あっ…海風です
はじめまして」
「はい、はじめまして
ここの提督の席を預かっている
神巫蒼羅大佐です、よろしく」
そっと手を振って見せると
緊張気味だった海風の表情が緩む
…あぁ可愛い
「提督、僕は?」
「黙れ」
「ひどいや」
「時雨は後で相手をしてやるから、まずは初対面の子と挨拶をさせろ」
「はーい」「ぽーい」
「いっちばーん」
「えっと…はい…」
「あ、五月雨はいいよ黙んなくて、んじゃあまずは紹介と行こうか
海風ちゃん…と、同じ制服ってことは、そっちの二人は『山風』ちゃんと『江風』ちゃんかな?」
本当は知っているのだが
知らないふりをしておく
「なんであたいは入ってないんだい?」
「そこはまぁ…ノリで?
いや、君が涼風ちゃんかい?」
「うん、あたいが涼風さ!」
ない胸を張る涼風を微笑ましく思いながら、押し黙ったままの山風と
山風を心配そうに見ながら
機会を伺っているらしい村雨の方をチラ見すると
「あ…はいはーい!」
やはり夕立の姉らしく元気よく手を上げた
「白露型駆逐艦、村雨だよ
みんな、よろしくね!」
「はい、よろしくお願いします」
そっと頭を下げると、慌てた様子で寄ってくる村雨
「そんなかしこまらなくていいのよ?提督なんだから、どんと構えてないと」
「そうだよ提督、駆逐艦が来るたびに一々頭下げてたら最後には鞭打ちになるよ?」
「時雨、お前はちょっと待て
大丈夫だよ、村雨ちゃん
公私の距離の差は心得ているし、これは私事としての距離だから
公の時は呼び捨てになっちゃうぜ?」
「!…呼び捨て…うん、呼び捨てで
私の名前、ちょっといい声で呼んでみて?」
「『村雨』」(イケボ)
「…………」
「村雨姉さん?」
「…!なんでもないわ!」
「ならいいんですけど」
「えっと…うん」
ボーッとしていた村雨に、春雨が心配そうに声をかけると、ビクッと体を震わせた村雨が急に大声を出して、今度はそれを取り繕い始める
「んで、村雨ちゃん」
「なに!?」
「そんなびっくりした?…まぁいいや
とりあえず、これでみんな紹介が終わった訳なんだけど」
「えっと…まだ山風が」
「私はいいよ」
「…だそうだ」
山風のインターセプトを受けて
紹介タイムを終了とした俺は
次のカリキュラム…即ち
「質問とかはあるかな?」
自由質問タイムに入った
「じゃあ提督の年齢っていくつ?」
村雨からの質問、年齢だ
文面が『じゃあ、まず年齢を教えてくれるかな?』じゃないだけマシか
「25歳の提督だよ、もう体が動かなくなっててね…一人じゃ海にも立てないんだ」
渾身のリアルジョークをかます俺に
空気が凍る
以前からいるみんなは
俺がリアルに海に立って出撃していたことを知っている、それができなくなった事も
だからそれ自体に嘘はないのだが
「えっと…すごいのね」
「無理に世事言わなくていいよ
じゃあ次は?」
「提督、アタシから良いか?」
「江風、いいぞ」
江風は一人称名前じゃなかったっけ?
と違和感を覚えながらもスルーして
質問の内容を聞くと
「提督誰かと結婚する予定ある?」
「ブフウッ!…現状ないが?」
「へぇ?そりゃなんで?」
「単純に、ケッコンカッコカリのことをいうのなら『戦力強化』なんて味気ない目的のためにする行為じゃないだろ、という意見で
現実的な意味での『結婚』を指すのであれば、それは艦娘同士や提督としての艦娘との関係性に異物を持ち込むことになってしまうからだ」
「ほぉ〜〜……
何かを諦めたような回した江風、そして、特に質問もなさそうな他のみんなに
「んじゃあ、最後は俺からの質問だ
みんな…料理とかできる?」
逆に俺から質問を出す
[質問していいのは、質問される覚悟があるやつだけだ?][だからなんでお前はそんなネタを知ってるんだよ]
「ン、あんまり凝ったのは出来ねぇけど、味噌汁と焼き魚と…みたいな
軽いのなら一応」
「ちゃんと出来るわ、レシピの開示も出来るんだから、
村雨のちょっと頑張った料理、今度食べさせたげる」
「和食なら…作れる」
「あ、和洋両方作れます」
それぞれの返事を集計すると
おおむね時報の通りになるようだ
…というか、主計科だって働いていないわけではないのだから、艦娘はみんな料理できるはずなのだが
初春・叢雲(作る気がない)
とかは例外としても
江風は当然の如く『作れないし』と宣うわりに昼(おにぎり)は作るし
山風は朝、昼と用意してくれる
(夜は提督が間宮に連れて行っている)
村雨と涼風は時報未実装だが
共に料理はできるようだ
「まぁ、俺毎食間宮だから
あんまり関係ないんだけど」
その瞬間、その場のみんながずっこけた
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