その後、鎮守府のみんなから一斉に挨拶と制裁を喰らい、間宮食堂に行き
「間宮さん、今日こそうど」「ダメです」「ですよね……」
うどんは却下されてしまった
「じゃあ冷やし中華」「ダメです」
にべもない却下を食らった
「提督、まずは栄養管理の概念…は理解しなくて良いです、提督のお食事は私が管理してあげますから、一生」
さりげなく凄まじく重いワードが出た気がするが、気にしないでおこう
「ほう、それは心強い
だが、夏バテというやつもあるし
今の俺には軽く食える麺類が最適だと思うんだが?」
「夏バテ程度で倒れるような体作りはしていないでしょう?提督は栄養面、運動面、休息面、いずれから見ても十分な量、質のそれを取られていますし
夏バテなんて言わせませんよ」
軽く言ってくれるモノだ
この食堂はエアコンを効かせているが、執務室はそうじゃないんだぞ…いや、エアコンはあるが
前提督時代の遺物のエアコンはなんというか、その、使いづらいのだ
心情的にも、機能的にも
無駄に高機能なエアコンのせいで『本当に使ってて良いのか?』『使うに値する環境なのか?』などと考えてしまうし、そもそも
前提督が置いていたモノのほとんどを廃棄、売却したなかで部屋の備品として残っていた処分残りのエアコンを使うのはどうなのだろうか
「そうか…うん、じゃあ夕食は近くの店でアイスかなんか買って食うよ」
「許すとでも思いますか?」
ゴリ、という音と共に
間宮さんの柔らかい手が俺の手を握り潰しに掛かる
「…提督のお食事は私が管理すると言ったはずですよね?なんで他所の店で買う前提なんですか?それにアイスなら間宮にもありますよね?
そもそもアイスは一食分にはなりません!」
酷く真っ当かつ普通のお叱りを受けながら昼食の中身を想像する
…間宮さんは和食が得意だが
洋食も全般的にカバーしている
レパートリーが豊富で何が来るのか予測がつかない
「今日はですね、提督の帰還を祝って豪華に…は出来ませんでした、時間がなくて
手の込んだ料理は作れません
ですがそれでも、できるだけのことはやりました!」「手伝いました」
「手伝わせていただいたであります」
あきつ丸と姉さんが突然出てきた
「………褒めても良いのよ?」
「はいはい姉さん偉い偉い」
頭をゆっくりと軽く撫でると
表情を少しだけ和らげた姉さんは
流石に気分が高揚していた
「間宮さん、アイスください」
「はいどうぞ」
「はぁ…いや、いっか
間宮さん、俺にもアイスくれ」
「はいどう…ダメです!」
流されてはくれなかったか
…………「姉さん」
「これは譲れません」
「ダメか」
こちらも躱されてしまい
流石に上手くいかなかった
まぁ仕方ないだろう
「んで、今日の夕食はなんですか?」
「今日は生姜焼きと煮物、ポテトサラダと〜〜〜」
次々に上がるラインナップ
俺は大食らいじゃないし
そんなに食えるか分からないんだけど
「大丈夫よ、安心して
私が
「赤城殿も居るのであります、品数を増やしている関係上
飽きは縁の遠いものでありますが、量の側から限界が来てしまった場合はそう言った方々とのシェアを想定に入れているでありますよ」
あきつ丸…良い子だよほんとう
『残すのではない、あくまで分けているのだ』という屁理屈じみた理論を通してくれるなんて…まぁそれに甘えるつもりはないが
そんな話に甘えていたら最終的には俺がダメになってしまうだろうし、
分けると言ったところで
個別に小分けにしで取り分けている訳でもないのだから、間接的接触(婉曲表現)は起こるし、それを許容してくれる艦娘はほとんどいないだろう
姉さんと赤城さんはまだしも
次点で量を食べる蒼龍達はダメだ
そう考えると選択肢は狭い
…姉さんだけで事足りるとは思うが
「さて、夕食いただきます」
結局俺は、姉さんに頼ることになった
夕食を終えた俺は
いっぱいになった腹を抱えて
執務室に戻ってきていた
「…う…………」
腹は限界ギリギリだが、仕事に支障はない
訓練しているからだ
[良い子は真似しちゃダメよ!?]
「瑞鶴、すまんが俺はしばらく動けない」
椅子に腰掛けて机を見つめる
…お、手紙届いてるな
「…大本営からの連絡か」
その連絡の内容は
………新生ハウンドチームからの調査報告書だな
「えっと…?」
内容は概ね知っているものの反復
作戦の概要は俺の考案したものだし、実際に実行された作戦の記録もある
いや、本題はそこではない
最後の方に細かく書かれていたが
やはり深海棲艦に対しての技術リークは881が行なっていたものらしい
押収された装備と酷似したモノが深海棲艦の艤装に確認された、と書いてある
「いやダメじゃん…」
つまるところ、最先端技術を用いた装備の量産体制が整ってしまっているという事なのだから、それは良いことではないのだが
881を糾弾する上では好機となり得る情報でもあるため、あえて放置されているようだ
「さて、そんで?」
副室長と主席研究員は解雇、除籍とされ
席次持ちも全員顔が変わったようだ
先端技術のリークに対する処分としては軽い気がするが
やはり取り潰してしまうというには功績も上がりすぎているのだし
組織として安易に消してしまう訳にはいかないのだろう
「今後は業務体勢自体も変更…まぁ、あんまり関係ないと思うけど」
いくつもの顔が頭を巡り
そして消えていく
「深海棲艦の方にはどんな動きがあるかな…」
消えた組織の方はともかく
今は明確な脅威のことを考えよう
600話記念番外編は
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過去編軍学校
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過去編深海勢
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……