戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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みんなの○○○○!

緊急警告のブザー音が鳴り響く

 

その瞬間、研究室にいた四人の表情が変わった

 

「総員即時警戒態勢!対空重点!」

 

「はいっ!」

「おーっ!」

 

「はいはーい」

 

俺は陸奥鉄で作られた弾芯を持つ弾丸を込めた拳銃を見直し、隼鷹は艤装を装着展開して

飛鳥さんは部屋壁に立てかけてあった黒い、スリットの入った大きな流線型のサーフボード?の様なものをひっ掴み

部屋の隅で座っていた室長は同じく窓の上に掛けられていた白い翼?をリュックの様に背負って

 

「七七一研究室、総員打ち合わせだ!」

 

「おう、情報開示は?」

 

「先程ありました、これです」

飛鳥さんがリモコンを操作して、壁からプロジェクターが展開され、映像が映る

 

そこにはGaaglaマップと思しき映像と

深海棲艦の攻撃についてなどが記されていた

 

「隼鷹、対空で」

「いや、隼鷹は待機だ」

 

俺が言い切る前に潰された

「何故です!隼鷹は」

「今回は摩耶と天龍がいる、、問題ない」

「あら〜、、対空王と『天』龍ねぇ、、」

 

「俺たちの仕事は、引っ切り無しに戦闘を繰り返す二人の艤装のリアルタイムメンテナンスだ」

 

「りょうかーい!」

「任務、了解」

 

「ヒャッハー!」

お前それで応えるのはどうかと思うぞ?

 

「出撃!対空警戒を鑑みて

陣形は組まない!」

 

俺と隼鷹は走り出し、

飛鳥さんは、サーフボード(?)を窓からぶん投げ、それに飛び乗った、、?!

「よっ!いっくよぉー!」

 

エウレカセブンかよ、、

リフボードじみた光の粒子を撒きながら浮遊した飛鳥さんは、そのまま空中の艦載機に向かって突撃していった

 

「行くぞ、、翼持つ竜(ストラーダ)!」

パサッ!と言う音と共に翼を広げ、空中へ飛び上がった室長は飛鳥さんを追いかける様に飛行し、急加速や減速を繰り返しながら艦載機を撒き、地面に立っていた天龍の元へ着地、その直後

 

右手のレンチが一閃!

天龍の右手の砲を一瞬にして分解して

パーツを差し替えて再構成したのだ!

タツジン!

 

「撃針が、痛んでましたね」

「ありがとよっ!」

 

天龍と摩耶は室長が、対空相手の時間稼ぎは飛鳥さんが行う

メンテのためだけの合理的すぎる戦い方だった

いつか必ず身体を壊すぞ?

 

空中で不規則に動いて深海棲艦の砲撃や艦載機を躱し

確実に撃墜スコアと時間を稼いでいく飛鳥さん

あんた本当に艦娘じゃないの?

 

今日から飛鳥尊と呼ぼう

 

敵機が巨大化なんてする筈もなく

ビームキャノンやライフルか出てくるわけもなし

極めて順当に、数で劣る我々は

武装、天摩の性能により、完全に

戦力統計指数において敵艦隊を凌駕していた

 

「わぁ、、めっちゃ嫌いなやつだ、、」

その瞬間に火が俺を襲った

 

残念だったな

それはタコヤキが教えてくれた

 

「そこだ」

 

陸奥鉄の弾芯を持つ9ミリパラペラム弾

三発を連射

俺の真上にいた爆撃機を爆沈に追い込む

 

上手くいってくれた、、

実を言うと、深海棲艦に実体兵器が無効

というのは単なる質量差に過ぎない

 

戦艦装甲に拳銃弾など効くものか

深海棲艦達は実体サイズと霊体サイズが乖離しているのだ

故に、本来なら全長うん百メートル

とかのサイズをたかが2メートル程度の身長に押し込んでいる、そんだけ密度が上がりゃそら堅いわ

 

つまり、それに匹敵する霊的スケールを持つ攻撃を行えば

普通に効果がある

戦艦主砲食らわせてやれば良いのだ

とはいえ、サイズ差のせいで速度が違う正確性が違う、さらに言えば回避力が違う

 

そんな状態で消耗戦を続けるられる程人間は愚かではなかったのだ

だが、一部の対策がある事も分かった

艦娘と同じ理論だ

 

艦娘と同じ、深海棲艦と同じ

強力な霊体を持つものを使えば良い

つまり、沈没艦の残骸だ、、

 

骸を引きずり出して加工など

ネクロマンシーにも等しい

本来なら尊ばれるべき亡骸を辱める行為だが

せざるを得ないのだから仕方ない

 

『本人』(戦艦:陸奥)からも許可は取った

 

靖國神社に納められた陸奥鉄を用いた銃弾『陸式』

主砲級とは言えないが

対空機銃程度の効果はあったな

 

「とは言え、、陸奥鉄は有限

出来るだけ再利用するしかない」

 

これでは消耗戦だ、誰に対してでもない

自分たちに対しての戦いになる

いくらエコロジーに秀でるとは言え、実際は資材の乏しい日本では長く持たない

 

「撃墜」

 

早い所集積地を奪回しなくては

 

「撃墜」

 

「撃墜」

 

はっ!自分でも無意識に銃撃していた!

 

[はいはい、対応が遅いわよ、対空警戒は厳としなさい、第三砲塔、何をしているの?]

 

ブライトさん!違った陸奥だった

[俺の体動かしてるの!?]

[出来るわよ、私に触ってればだけど]

つまり陸式使ってればですね〜

俺は陸奥操り人形状態、、

 

[いやだぁぁあ!!

爆発したくないいぃぃ!]

 

[うるさいわね、爆発なんてしないんだから!もう]

それは大破じゃないのか

 

頭の中で叫びながら装弾数二十四発が尽きるまで超正確に撃ち落とし続けるのだった

 

それに数倍する数の撃墜を出している飛鳥さんについてはもう訳がわからない

どうやって空を飛んでいるのかも、俺と同じように艦の遺産(タリスレリクス)を使っているのか否かすらも不明、

完全科学由来の翼を使っているらしい室長より訳がわからん

 

対空の摩耶と天龍の二人は幸せそうに撃ちまくっている

 

もちろん一発一撃墜で

 

戦場エリアから艦載機が消えるのは五分とかからなかった

 

 

その後、流石に業を煮やしたのか

空母ヲ級フラグシップが二体出現

陸上侵攻を掛けてきた

 

まずいな、艦載機の再出撃スピードが上がっている。母艦との距離は継戦時間や集中力に直結するから

スペックは、近い方が高い

 

「ヒャッハー!流石に出ないわけにゃいかないからねー!」

 

艦載機が飛ぶ

おそらく隼鷹が出した対空戦機だろう

誤認しないように気をつけないと

誤って落としたなど陸奥鉄も勿体無いし

艦載機も無駄になってしまう

 

俺もマガジン補充に走り、

再び陸奥とリンク

 

[いけるか?]

[もちろんよ、良いわ、やってあげる!]

 

身体を陸奥に預けて戦ってもらう

こう言うとなんだか夜戦()に見えるかな?




○○○○
ねえさんでした

陸奥さんは綺麗です、異論は認める
こっちの方が姉に向いてる?
やめて差し上げろ

加賀さんが涙目だ

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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