「俺には夢がある…」
「なに、神父の真似ごとかしら?」
半分寝ながら朝食を摂っていると
隣に座ってきたのは
ビスマルクだった
「…神父……?…あぁ、キング牧師の事か?正確には牧師と神父は別物らしいけど
まぁそんなものだろうな」
ビスマルクと隣り合いながらも完食して普通にカウンターに突っ伏して寝る俺に
間宮さんは特に怒りもせずに
『あぁ、また川内さんに引き回されたのか』という顔になるが、今まさに寝つこうという時に
ビスマルクに、『食堂で眠るのは調理師に失礼』と諭されて寝るのを諦め
しかし、真っ当に歩けるほどの意識レベルではなかったため
「執務室までは私が連れて行きますね」
「たのんだ……」
たまたま手を貸してくれた神通に曳航されながら執務室まで戻って
そこの椅子で眠ることにした
「…くぅ………」
寝ている時の提督は、年相応の表情とは到底言えない、幼ない子のような無邪気な表情になります
いえ、毎日ではなく
特定の条件が揃った上で、ではありますが
そこそこの頻度で書類整理などを手伝っている私は、それを何回か目の当たりにする機会がありました
「……ていとく……」
軽く囁いて、そっと近寄る
目を覚さないということは、本格的に眠っているのでしょう
あぁ提督が、目の前でこんなに気を抜いている
この細い首に指を掛けて
思い切り締め上げたのなら
どんなに気持ちいいのでしょう
温かい心臓を撃ち抜いたら
どれほど楽しいのでしょう
首を締めて、薄れゆく呼吸を聞き取りたい、心臓を貫いて、噴き上がる血潮を浴びてみたい
取り留めのない空想は頭を巡って
少しずつ私を満たしていく
「あぁ…あぁ……」
そっと手を提督に伸ばして
その首に沿わせる
頸動脈の、どくん、どくんという脈拍を感じて、何より体に這わせた腕から
心臓の温かみを感じて
私の体に、火がついたようになる
全身が熱い、提督に触れていたい
もっと近くで提督を感じたい
提督を傷つけたい、提督に想われたい
私はもう躊躇わない
もう誰にも、この想いは止められない!
「提督、愛しています」
そんな言葉は、
提督が眠っているうちに
…提督の温度をもっと味わいたい…
いえ、それなら
最初から、一緒に眠れば良いだけです
愛しています、提督
私を救ってくれた人
私を満たしてくれる人
私を見ていてくれる人
あなたは私を愛してくれるから
私も、とびっきりの愛で
そんなあなたに、応えます
だから…もっト…愛シテ?
目が覚めたら
目の前には神通がいた
というか添い寝?していた
神通はそんなに積極的な子では無いはずなので、すわ事案かと慌てたものだが
目を覚ました神通さんは
顔を少しだけ赤くした以外には特に変化はなかったため、俺が眠っているうちに
ナニカサレタとは考え辛く
最終的にその線は放棄した
「さて、神通、状況を説明してくれ」
「はい、提督
私は、朝に食堂で眠り掛けていた提督を執務室へと案内する指示を受けて
執務室へと提督を曳航したのち
監視任務へと移り
提督の寝相を監視していました」
「なんだこのおかしいのに筋の通ったように聞こえる報告は…」
「おかしくはありません
提督の睡眠中をお守りしていたまでのことです」
立ち位置はそっと引き下がりながらも口では返してくる神通
「だとしても同じ布団には違うだろ」
「違いません、いつなにが来ても良いように、最終防衛戦前て待機していたまでの事です」
淡々と説明口調で言われる
明らかに筋が通っていない言葉
これはどう認識すればいいのだろうか
「まぁいいか、神通
今は何時だ?」
「15:40よ、随分と寝ていたわね、蒼羅」
神通に時間を問うと
唐突に姉さんの声が帰ってきた
「……15::40!?」
「えぇ、間違いありません
提督が今日の分の書類も片付けずに神通を相手に昼間からベッドにしけこんでいたという驚愕の発見はどうやら事実であるようですね」
「やっべぇ!異動承認書とか大規模作戦のための資材備蓄の譲渡とか色々あるのに!」
「大丈夫よ、資材についてはラバウルの第10が支援してくれるから
ウチは何もしなくていいわ
異動についてはだけど、転属よりも研修を先に片付けた方がいいわよ」
「りょーかい!神通手伝って!」
「…!…はい、わかりました」
結局、この日、まる1日中
書類の処理に追いかけ回されることになった
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