「以上で報告を終わります」
「…よし、ありがとう、お疲れ様…大淀、データを纏めるよ、手伝ってくれるか?」
「はい、わかりました」
旗艦となっていた愛宕さんから海域の情報を回収して、受けた報告を紙面上に書き出していく
というかやはり描かれるのは艦これニ期の勢力図だ
「…えっと…ここが渦潮で」
「ここが敵艦なし、ここが資材スポット…」
二人で協力して書いていくと、意外と早く終わった…一応これでできた…かな?
「お疲れ様、大淀」
「いえ、提督こそお疲れ様です」
「…さて、どうしようか…コーヒーでも淹れる?」
「私が淹れますよ」
「それじゃあ労いにならないじゃないか」
南方海域一面全ての調査はまだ終わっていないが、少しずつ、『調査済み海域』は広がっている
無論、偵察に努めているだけなので、構成は小型艦中心に高速統一、全体の引率となる旗艦に戦艦〜重巡or空母が一人、という形をとる
その戦艦も金剛型の高速戦艦を多用しているのだが、高速化して運用するなら誰でも構わない
駆逐艦の数は結構いるので出撃は多くて2日に一度程度に抑えたローテーションを組めるのだが、数の少ない戦艦たちはそうも行かず、戦艦+空母+重巡のメンバーで水増ししてるわけだ
戦艦から『長門』『大和』『扶桑』『山城』の四人、高速戦艦に『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』の四人
重巡『高雄』『愛宕』『摩耶』『最上』『三隈』『鈴谷』『熊野』の七人
正規空母『加賀』『赤城』『蒼龍』『飛龍』『翔鶴』の五人
合計20人でのローテとなる
……なお、臨時で隼鷹達がやってくれたこともあった
二艦隊ずつを別方面に出すために疲労や修復など、時間的な問題もあり
単純に体調の問題であったり、完全修復ができていない状態だったりと穴ができることもあったが、そこは臨時で任せることのできる龍驤、隼鷹の軽空母と龍田、川内、神通の軽巡と組み合わせて頑張ってもらった
元から高速の金剛型高速戦艦の面目躍如…ではあったのだが、どうしても広域を駆け回る関係上、疲労や損傷は重なってしまう
なのでそこは多少性能を犠牲にしても高速化したメンバーでカバーしたわけだ
[この運用大丈夫かな、俺ブラックじゃないかな?]
[大丈夫大丈夫!ちゃーんと支援もしてるし、疲労もしっかり抜いてる
みんな綺麗に修理してるから大丈夫!…現に不満とか出てないでしょ?]
「みんなにはアイス奢らされたけどな」
そう、疲労回復アイテムたる
間宮アイス、これをみんな(特に加賀姉さん)が欲しがり…結局俺は(姉さんの無言の視線に)屈して、みんなに奢ったわけだ
流石にスペシャルではないが
間宮アイスは材料費がバカにならないため、割と財布にキた
「…しかし、まぁその分の収穫はあったと言わざるを得ないだろうな」
そう、ここ二週間の海域調査はしっかりと身を結んでいるし、最低限
日本周辺海域の防衛はやっている
深海棲艦もそこまで進出してきてはいない
「で、私はコーヒーですか?」
「……大淀……」
「冗談ですよ、私は間宮アイスより、提督と一緒に居られる時間が好きなんです
…だから冗談ですって!」
「ほう、上官にそんな冗談をぶつけてくるとはいい度胸じゃないか…
間宮アイスをくれてやろう
……冗談だ」
大淀の瞳が様々な色を次々に示し、喜色になったところで冗談を明かす
途端に不機嫌そうになる大淀
「まぁいいよ、とりあえず酒保に行こう、今なら空いてる筈だ」
「同行します」
俺は、大淀を伴って
一階の酒保に向かった
「あーかしっ!」
「ひゃぁぁっ!?…提督?」
「おう、提督さんだぞ明石ちゃんや」
机の下で何かを書いていた明石が驚愕の声を上げるのを若干楽しみながら声をかける
「いきなり声かけられたら驚いちゃうじゃないですか!もう!」
「そりゃそうだろうな、そのリアクションを楽しんでるもの」
ほんとに驚いたんですからね!という声の明石に半ば笑いながら返事をして
「ほら、今日は大淀にお菓子を買ってあげようと思ってね」
俺の後ろにいた大淀を引っ張り出す
「ぁ…その…」
「みんなにもアイスを奢っているし、大淀にもなにか労いはいるかと思ってね
アイスはいらないそうだから、お菓子でも買おうとおもったんだよ」
わざと聞こえよがしに言ってやると
大淀は顔を赤くする
「や、やっぱり良いですよ
そんな、書類書いてるだけでねぎらいなんて」
「いや?俺だけでは到底終わらなかっただろうし、やっぱり必要だよ
さて、大淀はなにが良い?」
ニヤニヤしながら大淀を促す
…明石も同じくらいニヤついている
「えっと……」
さすがに突然パッと決められるほど酒保の品揃えに通じているわけではないようで
少々迷っている大淀
明石はメシウマ顔になっている
「…………」
「……(ニヤニヤ)」
「……(メシウマ)」
「提督…」「はいよ〜んじゃあそうだな、せっかくだしチョコレートがいいかな」
結局頭の中で迷子になってしまったらしく、判断を求めてくる大淀へ
菓子の棚を示す
「わかりました、提督」
「うん、まぁ欲しい奴が見つかるまで存分に見て回ってね」
「……(メシウマ)」
大淀が棚を眺めているのをみながら
笑っていた明石は
「それじゃあ私はこっちの氷結と…」
「おい、お前それは酒だろうが、しかもお前にまで奢るとは言ってねぇ!」
カウンターを出てきて
俺の後ろの棚にあったチューハイを取る明石
完全に俺の財布を使う気だ
「そもそも酒飲むなよ勤務中だぞ!」
「いんですよそんなの〜それにこんな光景見せつけられてたら飲まずにやってられるかーって感じですし〜?」
ニヤニヤが止まらない明石を静止することを諦めて、財布の中を確認する
「…5000はあるか」
食品系なら無茶振りされても大丈夫だろうし、大淀は一、二個に抑えるだろうから、一応十分か
「別に私だってそんなに使いませんよ
ただ一杯、今日の酒が欲しいなーってだけですって」
「…一杯だぞ」
「やたっ!ていとくだーいすき!」
「……はぁ…」
「あ?なんですかそのため息は!」
「お前にはそのセリフは厳しいってため息だよ、お疲れ様でした」
そっと明石から離れて
大淀の方に向かうと、ちょうど大淀が来たところだった
「提督、決めました!」
「あいよ、何にした?」
「シンプルにアラフォートです」
「ん、板チョコ?それでよかったの?」
俺が聞き返すと、大淀は微笑む
「はい、これが好きなんです」
「…そうか」
その笑顔は、普段よりも輝いていた
良いんじゃないかな
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