「アラ、何ヲシニ来タノ?」
「決まっている…私はもう、迷わないと決めた」
「……ソウ、ナラ
命令通リニ動ケバ良イノ、ソレダケデアノ子達ハ命ヲ繋ゲル…アノ子達ノ命ハ常ニ、私ガ維持シテイルカラ」
「あぁ」
そう、私はもう迷わない
娘達を救うために、私は海軍を裏切った
娘達を死なせないために
全ては、一つの意思の下に
故に、私はもう迷わない
もう、迷えない
そんな時間などない、
その行動に意味はない
「…」
唇を強く噛み締めて
私はその場を去った
「さぁ、艦隊行動を開始するぞ
まずは遠征隊の出撃からだ」
「はい、提督」
あぁ、このいつも通りの返事の
なんと虚しいことか
「朝から昼までずっと白露型と遊んでただけだったな…」
結局時雨、春雨、海風の三人は観戦に徹していたので、
白露+俺+村雨+夕立の前半番号チームと五月雨+江風+山風+涼風の後半番号チームで四人ずつになって一戦ずつ、それぞれの1.2位でもう一戦、とやっていたらそれだけで昼になってしまった
昼も時雨、山風達と一緒に食べることになり、結局みんなカレー統一だった
どうも駆逐艦や軽巡艦は俺と一緒に食べるときは俺と同じものを注文することが多いようだ
(そもそも重巡達以上になると食事量が跳ね上がるために合わせるのが困難になるためだと思われるが)戦艦や空母達とは違って
どちらも同じものを食べているので
それを話題にもできる
その結果として、話も進む
というわけだ
「提督、聞いているかい?」
「大丈夫、聞いてるよ」
と、こういう風にしきりに話しかけられる、うまいこと相槌を打っていると満足してくれるのだが、それがまた厄介だ
「さて、そろそろ昼過ぎだし
哨戒してる子達の出迎えに行くよ」
「ん、分かった
僕もついていっていいかい?」
なんだか時雨がやけに一緒に居ようとする気がするが、いつものことだと割り切る
「別にいいけど、特にする事もないぞ?本当にただ出迎えるだけだし」
「提督と一緒にいたいだけだから、する事がなくても良いんだよ」
「あ!ずるいっぽい!」
「私も一緒に行きたいでーす」
結局また海風は自重して
山風は部屋に引っ込んでしまった
…迷惑になってないかな
「………お、来た来た」
「選り取り見取りっぽい?」
「シーマ様じゃないからね?」
[えっと…バカにしてんのかい!?]
[だからそれもシーマじゃねえか]
瑞鶴までボケてくるとは思っていなかった俺は、とりあえずツッコミを入れて
視界に入ってきた哨戒艦隊を指す
「ほら、もうじきに来るから
みんな出迎えの準備はいい?」
「いっちばーん!」
「出来てるよ」
「オッケーっぽい!」
「はいはーい」
「できてます!」
「は…はいっ!」
「準備完了だぜ!」「おう!」
上から白露、時雨ブリザード
夕立、村雨、春雨、五月雨
江風に涼風
俺を含めて9人、艦隊より多い人数での出迎えってそんなにないんだが
驚かれそうだな
いや、大丈夫か
何回かやってるはずだし
「よし…妖精さんや」
(はーい!)
(コンペイトウを要求する)
「それソロモンの事か?」
(私は!ぎによって立っている!)
(うぉー!ソロモンよ!)
(私が来た!)
「いやそれオールマイトだから!」
最後だけズレたガトー中佐のセリフを聞きながらツッコミ、そして
なにやら帰り際に速度を上げたような気がする艦隊のみんなを出迎えた
「はいお帰り、引率お疲れ様」
「お疲れ様だよ〜駆逐うざい」
今日の引率は北上様
駆逐勢は神風と陽炎、不知火の三人
落ち着いた性格の三人だから
別段絡んできた訳ではないのだろうから、うざいというのは建前なんだろう
「で、なにがお望み?」
「提督と昼寝、それだけだよー」
「ほう」
どうも午後の予定はこれで決まりなようだ
「どうだ、北上
艤装の調子とかは?」
「…問題ありません」
「……そうか」
「はい」
誰に話しかけても同じ事だ
頭の中でそう断じる自分を黙殺して、今日も鎮守府の艦娘達に話しかける
「おぉ如月、睦月、望月
今日の調子はどうかな?」
「問題はないです」
「大丈夫にゃし」
「はい、問題ありません」
機械的な返答、変わらない語調
やはり昨日と同じ言葉
「そうか、なら良いんだ」
もう、この鎮守府に生ある艦娘はほとんどいない、そしておそらく、残り少ない艦娘達も、もうじき奴の策謀によって沈められてしまう
そうなったらいよいよだ
利用価値を喪失した私を殺すのだろう、そしてこの鎮守府は奴の手に落ちる
表面上は誰一人として欠落なく
そして本質的には全滅するのだ
それだけは、避けなければならない
そうして私は
最後の策を講じた
「すまない…神巫君」
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