戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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海原の風

艤装が本体ねぇ、、

艦娘は娘が本体なんじゃないのか?

 

「娘部分は都合の良い形であるから使われているに過ぎない、別にそれが本体ではないんだ

船の模型とかでも構わん、、翼持つ竜(ストラーダ)ランドルフ(土の王)達、儀装もそうやって造られているんだ」

 

「艤装?いやなんか響きが違うな、、艤装じゃなく儀装か?偽装?」

 

「儀式の儀装だ、俺は偽物の艤装で儀装と呼んでいる」

 

室長まさかの艤装コア作るの?

「これでも一級艤装技師だぞ

紛い物くらいは作れるさ」

 

紛い物、、ねぇ?

 

「君も、何か持ったらどうだ?」

 

「何かって?具体的にはクロウバードみたいに?」

 

あのリフボードもどきの名前か?

黒いから鴉か

金色のフレームは一体どう、いや

アレはNT-Dか

 

[そうですね、何かあった方が良いかもしれません]

[空母とか興味無いかしら?

具体的には五とか」

[いやいや、提督が相性良いのは軽巡だよ!空母じゃ夜戦出来ないじゃん!]

 

お前ら頭の中で言い争いするんじゃ無い

 

「取り敢えず、合いそうなものを試験してみよう、今あるものを持ってくる、、おい、飛鳥手伝え」

 

「あたし女!メス!室長オスだろ!」

「言い方が悪い!誰が重量物を運べといった!お前はクロウバードあるだろ!それに乗せるだけで十分だ」

 

騒ぎながら出て行く二人、、五分後にクロウバード(?)に大量にプラスチックらしきケースを乗せた二人が

研究室に戻ってきた

 

「ただだいまー!」

「だが一つ多いぞ?」

「一個多いね」

 

笑いながら出迎える

「取り敢えず、今あるのは

村雨の艦長の刀、陸奥鉄に島風の主機、と雪風の舵輪、天龍の装甲、天津風の機銃、響の鐘かな?」

 

 

ゴソゴソと大小の箱から出したものはバラバラのパーツや金属の塊だが、、たしかに艦の遺産《タリスレリクス》だ、それらからは明確な力を感じた

 

「そら、手をかざして」

 

何処ぞの魔法使いの杖選びに似た感じがする、、

 

「さぁ、精神を解放しろ!」

欲望かな?

目を閉じた俺はパーツの前で手をかざし、、

手というかなんというか、、全身が引っ張られるような感じがして、目を開けた

 

 

反転

 

閃光、砲火

爆轟と衝撃、

音を置き去りに火は放たれる

 

そう、俺は[軽巡洋艦:天龍]

 

よう、はじめましてか?

そうだな、初めましてってトコだな

 

嘘だな、絶対会ってるだろ?

バレたか そうだよ、お前も知ってるあいつが俺で俺があいつだ

 

「で、話をしようぜ?」

「おうさ」

 

天龍が、俺から剥離するように

背後へと出現する

 

「お前は天龍で、本体の天龍

俺はその魂界に介入した」

 

「そうだな、それで合ってる、より正確には俺が引き込んだんだがな」

 

 

「なんでそんなことしたのかな?」

「お前が俺の力を求めたから、それじゃあ足りないか?」

随分かっこいいことを言ってくれるじゃ無いか

 

甲板に座り、天龍と話をする

「俺を取り込むのか?」

「いや、そら無理だな、お前は色々繋がりすぎてる、空母やら戦艦やらなんて引っ張って来られるかよ」

 

は?空母ならまだしも戦艦?

 

「陸奥だ、陸奥、それに蒼龍やら金剛もお前とちゃーんと繋がってるぜ?」

まさか気付いてなかったのか?

なんて笑いながら言ってくる天龍

 

「全く気付いてなかった、、」

顔面蒼白である、、

 

「まぁ、良いか!お前に一つ

やってもらいたい事があるんだ」

「何だ?」

 

「俺と、俺の妹の龍田、黒杉のな

あいつらを頼んだ、龍田は

特に潜水艦からは守ってやってくれ」

 

俺じゃあ手は出せねぇからな

なんていいながら笑う天龍

 

俺は立ち上がって言う

「わかった、俺が守るよ、、って言われたらあいつらなら怒るだろうな」

 

「だろうな、俺だって怒るし」

 

「実際に前線で戦えない俺が何を言ってるとか、死ぬまで戦わせろとか」

 

「あぁ、言う言う!絶対言う

龍田は違うだろうけど」

 

「じゃあなんで俺にその役なんだよ、俺は後ろから刺されるのは嫌だぞ?」

 

「刺されそうになったら俺が天龍を動かしてでも助けてやるよ」

「うわ、お前マジなのな、、」

 

「真面目と書いてマジに決まってるだろ?今回こそ

守りてえんだよ、、

安心しろよ。お前は俺が守る、だからお前は俺達を守れ」

 

「それなんてイケメン?」

 

「天龍様だ!フフフ、怖いか?」

「あぁ、怖い怖い、後ろで笑ってる龍田さんが一番怖い」

 

「うおっ!、、なんだ、嘘か、、」

 

反転

 

最後までテンポよく話が進んで楽しかったな

 

「ん、、天龍と相性が良いのかな?」

隼鷹が横から話しかけてきた瞬間

 

反転

 

炸裂、衝撃

魚雷不発、涙は枯れて

幸運の死神は友を葬る

 

私は[駆逐艦:雪風]

 

絶対嘘!違う!雪風は死神なんかじゃない!

しれぇ!なんで雪風を見捨て、

 

てなんていない!

え?、、

 

「雪風、、なのか?」

「はい、、雪風です、司令」

 

俺いつのまにか司令になってたの?

艦長誰?

 

「雪風、、なんでこんなところに」

「丹陽として中国で闘った後に、分解されて、ちょっとですけど帰ってきましたから!」

 

「いやそれ答えになってない」

「しれぇ、行きますよ!」

 

ちょっと冬に海に引き摺りノォー!溺死するぅ!理想(雪風)を抱いて溺死するからぁ!

 

「大掃除!手伝ってください!

年末ですから!」

 

「あっ、そこ現実準拠なの?」

 

思わず力が緩んだ瞬間

雪風が俺を船室側に引きずりこむ

 

「うぅわ、、すげえわ、、これは」

 

そこは、見事なまでに整えられ、壁床天井に至るまで清められた船内だった

え?馬羊驢馬に至るまで殺めにけり?

なにそれ、どこのミデアン?

 

タバコの吸い殻捨てまで磨かれてる、、新造艦かよ、、

「雪風はタバコ吸いませんけど、いつも磨いているんです!」

 

「毎年?」

「はいっ!」

 

どうも暇らしい、、時間は無限なんだから当然か

一瞬が永遠な彼女達だからなあ

 

「ずっとみんなのことを見てきましたから、あんまり寂しくは有りません、、ホントですよ?」

 

「ならなんでそんな嬉しそうな顔なんだ?」

 

「そっ、、それは、、」

 

「本当に寂しくないならワザワザ俺を引き込んだりしない筈なんだがなぁ、、

本当は寂しかったんだろ?正直に言っとけ、こう言う時はそっちのが得だから」

 

膝立ちになって雪風を抱きしめる

「ほら、こうして直接触れるだろ?俺はここにいるから」

「へっ、、雪風は、、ほっ、どに、、寂しくなっんて、」

 

そこから先は、

言葉になどならなかった

「ふぇぇ、ん!ぇっ、、ぁ」

 

しばらく泣いて、落ち着いたころ

手を離す

 

「ほら、俺はまだここにいるからさ、話そうぜ

今までお話し出来なかった分、一杯あるだろ?」

 

やさしく声をかける

 

「はいっ、、しれぇ」

 

溢れる涙が止まっても、声は戻っていなかったらしく

しばらくは泣き声状態だったが

時期に真っ当な声になった

 

それから色々と話した

建造されてから解体されるまでずっと、全部を聞いた

冗談や小噺を聞かせて

笑い合った、、

 

何日掛かったかはわからないけど、取り敢えずは満足出来たらしい

俺が帰るといってもそのまま送り出してくれた

 

「また、会いにきてくださいね?司令」

「おう!またな」

 

反転




天龍、雪風が登録されました!

陸奥は主人公を魂界に引き込まなかっただけで接続自体はしています、が、現在は意識リンクが切れている状態です

[縁]はしっかり繋がっているのでご安心を

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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