「提督さん!」
「ん?」
ぴょこ、と執務室に入ってきたのは
鹿島だった…相変わらず可愛い外見してんな…
「提督さん、そういえばですけど
…提督さんって女の子に興味ないんですか?」
「それ、そういえばで済む内容か?
まぁ興味がないわけではないよ
そもそもそんな事を考えないようにしているだけで、実際には性欲が無いわけではない」
軽く手を振ってきた鹿島に答えながら
少し真面目に考える
「しかし…ね、最近は浸食もあって
性欲とか消えてきてるし、そのうち興味も無くなるんじゃないか?」
実態として、最近の俺の精神性はやや変調が確認できるし、そもそも
以前の俺に対しての変化を鑑みて『俺』が変わらずに『俺』であると断言できるかといえば微妙なところだ
「それは…いけませんね
提督さんの精神が摩耗している、というのは良くありません
少し失礼します」
鹿島は執務室を出て行き
どこかへと去った
大方里見くん辺りに質問でもしに行ったのだろう
…仕事に戻るか
[提督さんの精神が?なんですか?
うふふっ]
[う、うるさいですよ!嫌じゃないですかそんなの!先輩が自分を異性として見てくれないなんて!私は絶対に嫌なの!]
唐突な鹿島の声は、どこかからかうような色を含んでいて、
私はそれに猛烈に反発した
[全く…なら体を貸して下さい
私達の取り得るなかで、
最高の一手を打ちましょう]
私はその言葉に従って体を預けて
そしてそれを全力で後悔した
だって、だれが予測できるのかしら
自分の体を貸した相手が
一時間後には先輩の目の前で下着晒してるとか
「ねぇ提督さん、たしか提督さんって
まだシたこと、無いんですよね?」
「……はぁ…………」
しかも反応が悪いなんて!
「提督さん?どうかしましたか?ねぇ」
いや、まぁ当然の流れというか
それはみんなやると思うけど
鹿島になる前からそこそこ大きかった胸は、鹿島になってからより大きくなっていて
だからこそ、かなり自信があったのに
「鹿島、そういうのいいから
やめろ」
先輩の声は冷え切っていた
[ちょっと!?本当に反応悪いわ!
やめたほうがいいんじゃ無い?!」
[いいえ、これは単なる照れ隠しですよ
私は詳しいんです!]
密着を強行した上で、さらに進もうとする鹿島をなんとか宥めようとするも
目がぐるぐる模様になっている鹿島は静止に応じてくれない
[鹿島!とまってよぉっ!]
[待ちませんよこれはチャンスなんですから!むしろここは引けないんです!]
そっと手を胸板に這わせて
身を寄せる鹿島
上乳は晒されているし、こう…執務室で仕事中の昼間に、こういう姿をさせるのは
背徳感が尋常では無いのだが
[ブー!ブー!提督さん視聴禁止!
提督さん視聴禁止!]
瑞鶴にこうも邪魔をされれば、
雰囲気も消え去るという物だよ
本当にどうしてこうなったのか
最近ようやく桑島と鹿島を切り離して考えられるようになってきたのに
鹿島のことを見ようとしたら邪魔されるなんてな
「はぁ…本当にやめてくれ」
ただただ、ため息を溢すしか無いだろう
「仕事中なんだからそういうのはやめようぜ?お前仮にも練習艦なんだろ?
実務面は得意なんだろ?」
「今は、そんなことはどうでも良いんです
ねぇ、お願いです
私のことだけを考えて、私だけを見て」
あくまでも清楚でありながら飾り気の強い下着は明らかに見せることを想定している代物で、白い肢体は細く、しかし質感はしっかりとしていて
深水色の瞳は俺の目を見つめてくる
こんな状況で…しかも
相手からやって来ているのに
[瑞鶴…?]
[ダメ!ゼッタイ!風紀を乱すな!爆撃するわよ!]
[爆撃はお前の趣味だろそれ
いやまぁ、俺の代わりに理性やってくれるなら助かるんだけどさ…]
やっぱり雰囲気もクソもないな
「提督さん…ダメ…ですか?」
「ダメですはい、すまないが仕事中なんだ」
瑞鶴が体を乗っ取って素早く拒否
あぁ全く、
こいつは外見はいいな本当に
「仕事もしないで色事に没頭する暇はない、悪いな」
その言葉とともに、そっと鹿島を押し除けて書類仕事に戻る
その瞬間
「あなた!先輩じゃありませんね!
誰ですか!」
飛び退いた鹿島が叫び
艤装が展開する
「!はっ?….俺は俺だぞ?」
「惚けても無駄です!先輩とは平時呼吸速度が違う、視線の配分が違う
体重を掛ける角度も2°も違う!
そんなボロを出しておいて今更何をいうんですか!」
「ちょ、そもそもその装備はどこから
いや、まずは提督にそんなものを向けるな!」
泡を食った瑞鶴の反応に
慌てて体を回収する俺
しかし、鹿島は目がガンギマリ状態になっており
「提督さんの名を騙るなんて
許せませんよ…!」
練巡とはなんだったのかと言いたくなるほどの殺気を放っている
「死ね偽物!」
「食らえるかバカ!」
屋内だというのに躊躇なく放たれた砲撃を軍刀で逸らし(念のために強化しておいたのが役に立った)
非常事態に備えて机の下に置いてあったトランクを引っ掴んで展開する
「nw:204 パーシックル!」
開いたトランクは変形し
巨大な盾へ、そして鹿島が放った砲撃を
角度をつけた盾で逸らし
「こんな芸当が偽物にできるかよ…」
展開した盾を畳んで、今度は砲に変える
「危ないから装備はしまっちゃおうね」
展開したのは…狙撃銃
それを使って艤装の接続部分のみを撃ち抜く
「ぁっ!?」
「はいはい、お疲れ様でした」
せっかく展開されたところ悪いが
艤装を物理的にパージされた鹿島は
力を失った反動か倒れ込む
「……今日はもう休みなさい」
まだ昼間だし、仕事も全然進んでいないけど、取り敢えず今日は一旦終わりとして
鹿島を部屋に運んでおく
「…悪いな、心配させて」
瑞鶴と俺の内面の入れ替わりに気づいていた、その観察眼は凄まじいとしか言いようがない
川内達がいなくなって以来
鹿島には何も説明していない
…瑞鶴のことも、説明しないとな
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