「さて、どう出るか………」
今日の秘書艦であるところの鹿島は居なくなってしまったわけだが、それで仕事が減る訳では無い
こういう時は
大淀、神通、秘書妖精が鉄板なのだが
最近彼女ら達の負担は大きい
俺の鍛え方が足りないと考えた方がいいだろう…よし!
「瑞鶴、片方だけ頼んだ
俺が全部やるわ」
[え?手伝ってもらわないの?]
[大丈夫、この程度の仕事でヘタってられないよ]
そっと返事をしつつ仕事に戻り
……えっと、
ゲーム内課金制の採用?だれだこれ出したの…明石か…お前はどの世界でも金にがめついな…
まぁ却下するけど
「さて、と」
不許可の印をポンと押して
処理済みの箱に置き、次の書類は
「鎮守府内の衛生環境の報告書か…」
これは長丁場になりそうだ
見ちゃった…見ちゃいました
半裸の鹿島さんをお姫様抱っこで
隣室に運ぶ先輩
あれ、完全にヤッたんでしょ!?
ねぇ!…なんて誰にも言えず
まともに考えることもできないまま
私はただただ走って…
駆逐艦寮、陽炎型の部屋に駆け込んだ
「し…不知火!」
「なんですか?」
「司令官が…司令官が……鹿島さん…!」
「はぁ…陽炎、息を荒げるのはいいですが、それでは話が通じません
司令官が鹿島さんをついに襲った
その現場、一部始終を見ていた、見つかりそうになったので逃げて来た
と言ったところですか?」
理解力高くて助かるわ
「はぁ……はぁ…
概ね……そうよ……はぁ…」
ため息をつきながら
ベッドに放り込まれていた携帯ゲーム機を起動する
今はこんなことでもしなきゃやってられないわよ!
………見ました
いえ、家政婦とかではなく
純粋に、すべてを見ました
偏った場面だけを見ていれば
どこかで勘違いでもしてしまうのでしょうけれど、こと私に限っては
蒼羅のことに限っては
そんな初歩的なすれ違いはあり得ない
「さて、貴女が誰であろうと
どうだっていいことですが
貴女は蒼羅の妻として相応しくない
最低限の基準を満たさないなら
私は絶対に貴女を認めません」
どこへともなく呟きながら
執務室の窓の向こう
内側にいる蒼羅を見る
…どうやらため息をつきながらも
しっかりと仕事をしているようね
「最近は五航戦とずっと一緒にいるから
少し心配でしたけど…
これなら問題はなさそうですね」
足取りも軽く、食堂へと向かう
「榛名達は…やはり見ていたようだけれど
勘違いをしているかしら?」
本棟にある執務室は実は空母寮、戦艦寮、そして東棟の3階、
空母棲鬼と一緒に見ていた私たちは
その一部始終すべてを観察していたけれど
他のチラ見していた艦娘達が勘違いをしていないとも限らない
鎮守府全体の艦娘のなかで
見ていた可能性がある子達を洗い出した方がいいかしら
「さて、空母棲鬼さん
仕事です」
「軽巡棲姫…神通にも協力を要請した方がいいわ」
笑みを消した空母棲鬼が
神通を呼び出すために内線電話を取った
「神通、一つ、お願いしたいことがあるのだけれど、良いかしら?」
「……はい、了解しました
要するに噂の火消しですね?」
[その通りです、概要は説明した通り、後は現場で]
「はい、今軽巡寮を出ます」
全く提督も困ったものです
私達みんなで手を貸してあげないと
「さぁ…お仕事といきましょうか」
こういう時は
私の磨き上げた手腕が光る時です
自分達の部屋を出て
軽巡寮の外…鎮守府本棟へと向かうために
外に出る瞬間
「ねぇ神通?どこいくのー?」
「姉さん…!」
背後からの声、それに反応して振り返ると
そこには何もいない
いえ、真上!
「こっちこっち、ほら神通」
気配と全く違う方向からの声
姿と気配と声が見事にズレている
「遊んでいるんですか?姉さん」
「いやいや〜?遊んでなんかいないよ
ただの腕試しだって…それより
どこにいくつもり?」
姉さんの瞳は、今にも深海棲艦になってしまいそうなほどに赤く、赤く染まっていました
「神通も提督のとこに行くの?
鹿島と同じなの?あの裏切り者と?
殺さなきゃ…提督を惑わす奴は殺さなきゃ…!」
「話を聞いていない…!」
掴み掛かってきた姉さんの腕を掴み取り、そのまま捻り上げる
その瞬間、ゴキリという音と共に
「なっ!?自分の腕を!」
「殺す!」
自分の腕を折って、関節を外し
本来ならあり得ない方向に腕を曲げて見せた姉さんは、私の予想外の動きで投げ飛ばしにきて
しかし、安易に投げられる訳にはいかない!
「そう簡単に…負けません!」
「…!……!」
もはや言葉になっていない吐息とともに
姉さんの姿が消える
気配は三つそれぞれ全く別の方向
同時に攻撃してくる
背後と左右、三つの気配はが同時に接触する瞬間、私はそれらを無視して
正面に向かって正拳突きを繰り出していました
「あは…アハハ!」
しかし、私の一撃はその服の裾をわずかにかすり、肌に一筋の傷をつけるだけに終わり
折れた腕での一撃は私の胴を貫いて
「まだです!」
それでも、私は軽巡棲姫
そう簡単には負けてあげられない
それにこの二水戦旗艦が、
たった一撃で落ちる訳にはいかない
「負けない、ですよ!」
「アハハハハハハハハハ!」
分身した姉さんの動きはすでに目で追えないレベルにまで加速していて
私はそれを追うことを諦め
そっと目を閉じる
「シネ…!」
「そこだ!」
首狙いの上段跳び後ろ回し蹴りを
ハイキックで迎撃し
帰ってきた反動を軸足にかけて跳躍、二段跳躍した姉さんに追随してその空間へとサマーソルトキックを放ち
見事に空振り
姉さんは廊下の蛍光灯のソケットに指をかけ、それに身を引き揚げていた
「軽身功ですか」
「アハハ!」
やはり一筋縄ではいかない
すこし、長丁場になりそうです
すまない…神通さんと川内の掛け合いを書いていたらいつのまにか殺し合っていたんだ…すまない
川内はちょっと精神が不安定になっているだけだから安心してくれ!
600話記念番外編は
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……