「はーい提出期限オーバー……決まった、よし、アウト」
「アウトですけど、だからと言って諦めて放り投げないでください!」
「期限越えちゃったわけだし、俺がやってやる筋合いはないね、あとは卯月が勝手にやる、それだけだよ
そもそもあいつがやってないのが悪い」
…………………
「なんて言って、放り出したりはしないよ
できるだけの協力はする、ただそれでも俺は暇じゃないんだ、自然と時間は限られる
……さて、卯月を呼んでくれ
どこまで出来てるかを確かめよう」
書類がどこまで書けているかを確かめるために卯月を呼んでもらい、同時に
提督としての業務の続きのために自分は画面の向こうの書類達を睨み続ける
連絡を取らないといけないところもあるし、やらなければならない事もある
しかしまぁ、それがウチの艦娘に勝る優先度を持っているかというと、甚だ疑問だ
というわけで、俺はワードで作っていた書類の形がこれでいいのかを大淀に確認しがら
なかなかこない卯月を待った
「……さすがに脱走とか命令無視はないだろうけど、怖くて来れない、ってところかな
………さて、こういう時は強制的に連れ出してくれる人がいるといいんだけど……」
同室の睦月達にそれを頼むのは酷、というやつかね…とはきえ、提督としては
仕事をさせてもらうだけだ、
「…駆逐艦にも顔が利いて、かつ今後への遺恨を残しづらい人物…」
同じ駆逐艦で考えると、やはり神風、雷、五月雨、時雨の四人か
「…えっと、シフトでは…今日は五月雨と神風が空いてるな」
遠征にも入っていないし、
外出や用事も聞いていないのは五月雨と神風、なら…
「電話番号が…え〜…」
執務室001からそれぞれの寮、それぞれの部屋に繋がる内線の番号を調べつつ
白露型の部屋に電話をかける
〈はいはーい!お電話受けました村雨です、この度はご指名ありがとうございます♪〉
「村雨、別にここはキャバクラでもなければそういうアレな店でもない鎮守府であって、お前の部屋に電話を掛けているからとお前を指名しているわけではない」
ふざけたような声ではあったが
すごくありそうな情景が脳裏をよぎり
非常に嫌な予感が背筋に流れたので、俺は強く言っておくことに決めて
きっちりと言っておく
「そもそもお前は午後から交代の遠征だろ、そんなふざけている暇があったら準備を整えなさい」
〈だってもう終わっちゃったんです〜…ヒマだったから電話取ったのに〉
「……そうか、うん、そうだな
ところで、そっちに今五月雨はいるか?」
〈五月雨?いるけど電話代わる?〉
どうも部屋にいてくれたらしい
ありがたい事だ
「わかった、とりあえず代わってくれ
ちょっと頼みたい事があるんだ、長丁場になりそうだから、五月雨の方に頼むよ」
〈はいはーい!〉
五月雨に電話を代わってもらい
「五月雨、ちょっと頼みたいことがあるんだが、良いかな?」
〈はい、わかりました!〉
内容すら聞いていないOKの返事に、逆に少し不安になりながら頼みごとを伝える
「難しい事ではないはずだ
まず、頼むのは卯月を執務室に連れてきてくれ、という事だ
これを最優先として欲しい
一人では達成困難と感じれば、即座に神風を応援に呼んでくれ、あと、決して無理をするな
俺からの指令はこの三つだ
よろしく頼むぞ」
「はい、わかりました司令官!」
変わらない返事に一抹の不安を覚えながらも、ひとまずは呼び出しを任せて
「これで、よし!」
大淀に完成した書類を渡す
「…これ確認お願い、俺こっちやるよ」
「はい!…えぇ〜…これを…」
プリントアウトされた書類をそのまま大淀に手渡し、続いて川内が持って行った山のうちの一部を回収する
「ん、ダンスパーティーの招待状?
これなに?……えっと、大本営直轄の土地を使った館でのパーティー…ね
はぁ、そんなことしてるヒマがあるのとでも思ってるのかよ…」
下らないイベントだ、と切り捨てようとするが、その手は川内によって止められた
「ん、まって…それ、よく見て」
「?」
言われるままによく見てみる
封を切って、招待状の方を見る
「……あ、これ、大佐以上は絶対参加なのね」
「やっぱり、捨てなくてよかったね」
「…捨てなくてよかったです」
(よかったね〜)
大淀と秘書妖精にも言われてしまった
「はぁ…ダンスパーティー、ね」
俺、やっぱり踊り方とか習った事ないんだけど?佐官はみんなできるの?
「提督、ワルツとか出来ない?」
「できない、やり方知らないし」
「そっか…うぅん、あんま余裕ないよねこれ」
「そうだね、これは再来週だな」
「もう12日しか余裕ないじゃん!提督、あと12日で最低限踊れるようになっておかなきゃダメだよ!?」
「あぁクッソ…どうしようか」
俺は少し書類を棚上げして
(秘書妖精がやってくれた)
それに対する策を考え始め
一本の電話を掛けて…彼女の不在を知り、そして普段の活動ルーチンから推測して
「…………そうだな、大淀、川内、軽巡棲…神通を呼ぶから、後の書類は頼んだ!」
俺は全力で駆け出した
「鹿島!」
「きゃっ!?なんですか?提督?」
「すまない鹿島、時間がない
一週間半、俺にお前の時間をくれ」
「はい!……えっ?」
「ちょっと困ったことになった、だが仕事に言い訳はできないからな、
大将のところにいた鹿島なら知っていると思うが、大佐以上は強制参加になるダンスパーティーが近い、だが俺は踊り方なんて知らない
というわけだ、鹿島、素人に形作りさせるのに、どれくらい要る?」
「…本来なら、年間単位で仕込みたいですよ…でもそんなこと言っていられない
なら、やるしかないでしょう
出来るだけ上品に、わたくしが仕上げてさしあげます
30分、待っていてください
音源と教本を用意します
その間に動ける場所を確保してください、最低限30平方メートル
現実に使う規模と同じであれば最適ですが、現実はそうともいきませんから
講堂とか、そう言ったところでも」
それだけ言って、鹿島は去っていった
600話記念番外編は
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……