戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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新第三章 end of waltz
練習は地味だが役に立つ


鹿鳴館じゃないんだし…なんで今更ダンスパーティーなんてしているのかは不明だが

一応お題目自体はあるようだ

 

「深海棲艦に負けず文明の維持とますますの発展を続けていることを表現するために一年ごとに開かれる会…ねぇ」

 

「はいそこ、寝てる暇なんてありませんよ」

「…三交代制で俺を責めるのはやめようぜ…」

 

比叡に冷たい声で起こされ

ぼんやりしていた頭に氷でも突っ込まれたように寒気が走る

 

「冷たいですか?」

「首の後ろ……っ!圧倒的冷感…!」

 

私服だった俺の首裏に

比叡が手を突っ込んできたのだった

 

「はい、目が覚めたら続き行きますよ?」

「うごごごご……」

 

ちなみに、ここ三日ほどの通例であり

執務室の方は神通、川内、金剛、長門、大淀などの事務処理ができる艦娘が持ち回りで仕事をやってくれていた

 

そして、艤装のメンテ、修理の方も妖精や明石夕張に任せてている

 

「これ、俺働いてないんじゃないかな

つまり俺、ニート…?」

 

唐突に浮上してきた俺ニート説を必死に否定しようとして、そして何一つ反対材料がないことに怯える

 

否定できない=俺はニート

つまり俺には!

 

「提督の今の仕事はパーティで恥を掻かないように努力することです

いいですか提督」

 

考えていたことは全部比叡に筒抜けだったらしい、練習戦艦modeの比叡はとても冷たい

 

「自分の!努力は!裏切りません!

というわけで、提督がするべきは圧倒的努力です、提督はスペックはあるんですから

ちゃんと鍛えればちゃんとできます!」

 

努力がどうこうは分からないが、比叡は圧倒的スポ根だったことが分かった

 

「まずは運動方面から行きますよ?

何も激しく動くわけじゃありません、やるべきは長く動けるようにスタミナをつけることです、食事の方面も間宮さんに既に頼んであります

里見さんと速吸さんと計画を立てて提督の時間割はきっちり完成済みですから

あとはこれに従うだけです!」

 

比叡のテンションにはついていけないが

とりあえずやるべきことを明示されたのは大きい、鹿島に言われるがままに流されるのは…知らないうちに何を仕込まれるかも分からないので少し怖いのだ

 

「……おう」

 

そして、俺は考える事をやめた

 

そう、その時間割とやらは

ここから4日間、ノンストップの不眠不休だったのだ

 

[死んでしまう……]

[四日間動き続けて1日眠る、これを二回やればいいんじゃない?

……いや嘘、冗談だからそんな顔しないで]

 

瑞鶴にすら多少の同情はあったらしい

珍しく素直な一言が出てきた

 

〈hr〉

 

一曲を終え、比叡と組んでいた手を離す

 

「ありがとうございました」

「こちらこそ、楽しかったです!」

 

至近距離の比叡の笑顔は火力が高すぎて一瞬危うかった…だが大丈夫だ

この程度の事で気絶はしない

 

[提督さん][おう]

 

比叡と分かれた俺は

フロア全体を見回して…

見つけた相手に近づき、そして

 

「私と、踊って頂けますか?」

 

正面から声をかけ、

丁寧にお辞儀をして、いざ決闘…ならぬ、返事を待つ

 

パーティでは曲ごとにパートナーを変える都合上、申し込みのやりかたも覚えなくてはならない

…とはいえ、まずは話しかける所から、というわけではなく、探す所からだ

 

曲が終わってから、次の曲が始まるまでのブレイクタイムにパートナーを見つけるには

ある程度慣れる必要がある

 

「はい、喜んで」

 

俺の申し込んだ相手…大和は

快く受けてくれたので、大和をパートナーとする

 

…そこ、なんて贅沢だとか言わない

 

そして、曲が始まり

二人で調子を取って、最初の一歩を踏み出す!

 

最初と違って今度はこちらがリードする側、露骨に押す引くではない

相手と共に動く、相手に動いてもらうために、どうすればいいかを考えて

丁寧に相手を誘導(リード)する

 

「…これで…っ!」

 

最後の一歩と同時に大和に目線を合わせると、ゆるい微笑みを向けられる

「はい、まだまだ拙いですけど、技術として十分に踊れているレベルですね」

 

「…ありがとうございました」

「はい、どうも…次は鹿島さんですよ?」

「分かってるよ、それじゃあ」

 

一礼して下がり

それから別の相手を探す

そこの動きにはもう迷いはない

 

「そちらのレディ」

「…はい」

 

鹿島に話しかけて、その正面き立ち

そっと手を差し出す

 

「私と、踊ってくださいますか?」

「……はい」

 

「それでは、よろしくお願いします」

 

ここからは、前と同じように

違う曲の譜面(ストーリー)をなぞって行き

 

鹿島をリードしながら丁寧に踊る

別の組として軌道に割り込んでくる比叡を躱し、大和を躱して、鹿島に集中する

意識は全体に広げたまま

リズムは外さずに

 

やるべきことは多いが、それでも万全に

「……!」

 

気づけば曲は終わって

最後の一歩と共にポーズを取る

 

「……ありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうございました」

 

礼を言って、鹿島からの返答を受け

そして、採点が始まる

 

「……ふぅ………」

 

「まだ気を抜くには早いですよ?

うふふっ、採点です」

「お、おう…赤点…?」

 

「それは結果を見てからのお楽しみです」

 

ちなみに、50点だった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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