戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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ちょっとしたサプライズ

というわけで、あれから一週間練習を積み重ね、本当にスパルタ式になった鹿島のムチを喰らいながら(マジ痛い)

 

どうにか形だけは紳士を気取れる程度(鹿島基準)になったらしく

最終日は夜に練習の確認をするだけにして

休みにしてくれた

 

……まぁ、何をするというような事もないし、何かできるような時間があるわけでも

体力があるわけでもないから

俺がすることと言えば食う、寝るの二つだけだ…赤城?違うぞバカにするな

 

「俺はボーキは食わんからな」

[何言ってんのよ……]

[何でもない何でもない]

 

瑞鶴にすら微妙な顔をされながら

唐突なセリフを仕舞い込む

 

「それより、行くぞ瑞鶴、夕食だ、これ食べたらもう時期に練習の通し確認がある

その前に思い出してイメトレとか、ちゃんとしないとな」

 

ちなみに今日の夕食は和食

といつかサーモンとシラスの丼だった

(調理担当はあきつ丸)

 

「間宮さんか諸事情で忙しいので、今回は自分が担当させていただいたのであります

…海鮮系は少々入手に手間が掛かるので、お残しは許せないのであります」

 

「…乱太郎じゃないんだから、そんな残したりはしないよ?…まぁ、最初は飯食ってる余裕がなかったから、抜いたりしてたけどさ」

 

ちょっと吐きそうになったりもしたし

なんて笑い事では済まされないのだが

無理やり笑い飛ばして、丼に箸をつける

 

「…いただきます!」

「召し上がれ」

 

醤油とサビと生姜、サーモンとシラス

そして、それらを支える白米が重なり合い…「お、提督いるじゃーん」

 

「うごっ!?」

 

急に背中をぶっ叩かれて息が詰まる

 

「お、なんだ丼モノ食ってたのか、悪いな」

 

「悪いんなら次からはやらないでくれよ?レ級…お前パワー強いんだからな?」

「分かってる分かってる、ってか飯食ってるって分かってたらやってなかったよ

流石に食事中にまで邪魔はしないさ」

 

キヒヒヒ、と笑っているレ級だが

その目は相変わらず鋭い

…というか、俺の丼にロックオンしている

 

「…おい、やらんぞ?」

「分かってるよ、ちょっと貰うだけだ」

「ダメだっての!」

 

「一口、一口!」

「一口もだめ、ってかお前一口とかいって丸ごと飲み込むタイプだろ!?」

 

駆逐艦くらいなら丸呑みできるような尻尾ついてやがるんだから、全く

 

「ちぇっ…つまんないの」

「あのなぁ…あきつ丸、余りとかってある?」

 

「え…余分でありますか?

…先程、入手に手間が掛かると申し上げた通り…少量しかありませんよ?」

 

「じゃあそれ、レ級にやってくれ」

「え!?……いや違うぞ提督

食べたかったのは提督の丼だからで、他のとか、おかわりとかは関係ない

…ってこんな事言わせるな!」

 

何か言い出したと思ったら級に走り去って行ったレ級…高速はすごいなぁ

 

「…どうも要らないそうです」

「だな」

 

おかわり分は俺がもらおう

 

「…まぁ、あんまり食いすぎるのもなぁ…運動前だし、よくないかな」

「その通りです、提督」

 

唐突にかけられた声、

その主人は赤城

 

「お前もコレ狙いかよ!?」

「違いますよ……魚を食べたいと思っていただけです!」

 

「一航戦の誇りィィッ!?」

「…赤城さん、余り食べすぎるのは良くありませんよ」

 

野獣のような眼光でこちらを…いや、あきつ丸の手元を見つめていた赤城を

加賀が通り過ぎ様に回収して行く

 

……長年のパートナーなだけある見事なコンビネーションだった

 

「提督、私が赤城さんを連れて行きますので、お早めに」

「分かった」

 

凄まじい視線を飛ばして来ている赤城に、もはややむなしと判断を下し

一気に食べ切ることにした俺は

もったいないとは思いつつ、手の中にある丼を最大限味わいつつ掻き込む

 

「……ん、ご馳走様でした!」

「はい、お粗末様でした」

 

最後まできっちり言って、丼を片付ける

…とは言っても、あきつ丸が皿洗いまで引き受けてくれたので、俺がやったことなんて丼と味噌汁の碗と醤油の小皿を流し台に移す程度だ

 

「さぁ提督殿、レッスンに向かってください、ここは自分が引き受けたであります」

 

まるでこれから敵の足止めでも始めるのかというようなセリフを言うあきつ丸に、そこはかとない不安を覚えながらも食堂を後にして

 

講堂………の裏に急ぐ

 

(はーい提督〜?)

「お前はピエロか!」

 

唐突に出現した妖精に驚きながらも拳銃を抜きかけ…やめた

 

(こっちこっち、何日も面倒掛けたね〜)

(新たな構造物…楽しかった)

(すこんぶとうめシートがほしいです)

(結局最終日に間に合わせるのがやっとだったです 無念)

 

相変わらずおかしな妖精を宥めながら

誘導された先にある建物に入り

 

「…割としっかりしてんだな」

(そりゃあもう、当然よ!)

 

俺のこぼした単純な感想に

俺の肩に乗って来た応急修理女神妖精が笑う

 

「んじゃあ、もう講堂は使わなくていいのか?」

「はい、ちなみにここ、体育館としても使う予定なので、今回だけの無駄にはなりませんよ」

 

鹿島の声と同時に、金剛の足音

そして、

 

「テートクー!」

「金剛…っ!?」

 

金剛は…その身に秘めた情熱を表すような赤いドレスを纏い、電探の右には花の髪飾り

明るい笑顔はいつもどおりに

しかし普段よりも強く輝いて見える

 

「dress up してミマシタ!

見惚れるのはいいけど、ちゃんと踊ってクダサイネ?」

 

「あぁ…わかってる…よ」

 

ぼんやりと生返事をする俺に、金剛がからかいを入れてくるが、俺にはそれを捌いている余裕などなかった

 

「金剛…」

「なぁに?テートク?」

 

可愛すぎるだろああお前!あぁぁぁっ!

(限界化)

 

「テートク?」

「あ………なんでもない

大丈夫だ、金剛」

 

慌てて内心を取り繕い

まずは姿勢を直す

 

「大丈夫だ」

 

「なら、いいのですケド…」

 

そして、最後の通し練習が始まった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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