「で、当日になってしまったわけだが?」
「礼装の提督カッコいいデース!」
「…普段はどうなんだ?」
「普段ももちろんカッコいいし大好きデスヨー?」
「お前はそう言う事を素面で言うから怖いんだよ」
ハイテンションで全力全開の金剛は裏表のない明るく素直で元気いっぱい、いつでも提督に真っ直ぐに好意を向けてくる
そんな姿にいつのまにか惹かれている人も多いだろう
「…だが、俺にそんな暇はない」
そもそもの生存時間が残り少ない俺に
そんな事を考えている暇はない
「行くぞ、金剛…ついてこれるか?」
「テートクの方こそ…ついて来るデース」
一つ軽口を叩いて、会場に向かう
「送迎ありがとう、扶桑さん」
「いえ…その、お二人に運転をさせるのは良くありませんから」
扶桑さんは普段の巫女服だが
夜に見ると一層映えるな…
「テートクー?」
[提督さん?]
「なんでもない、行くぞ」
少し歩いて会場となる館
吹鳴館に着く
「お、マジか」
どうも受付はオートメーション化しているらしい…そういうのは普通はお嬢さんが『招待状の確認をさせていただきます』とか言う奴だろ…
しかも確認するのは身分証
「ん、IDカードの提示か…」
常に財布やポケットなどに入れている身分証のIDカードをリーダーに通して
一秒とせずに扉が開く
…風情とかないのかよ…
「いくよ」「ハイ」
入場した俺たちは…まず、館の構造を把握するために壁の案内図を見る
俺の記憶力ならチラ見でも全体画像を記憶できるが…そこに見栄を張る理由はないので
普通にしっかりと記憶する
「えっと…ダンスホールはこっち
回廊は」
絵の全体をしっかりと覚えてから
回廊を進み、そこで
艦娘を連れた司令官、提督達と出会う
「…露骨に嫌な顔してる子もいるネ」
「だな、まぁ仕方ないよ
俺たちでどうにかできる問題でもないんだから」
残念ながら、そのあたりの問題はいったん置いて
顔合わせ、挨拶へ向かう
目上に対してはこれやっとかないと後々で面倒な事になるケースもあるからな
「おや、君も来ていたのかい?
大佐に昇進したんだね、おめでとう」
「早咲提督、お久しぶりです
…そうです、先日故あって大佐になりました、これも皆様の薫陶のおかげです」
「ふふっ、笑わせるなよ
馬鹿な事を言ってくれるのはいいが
それは君自身の手柄なんだ、ほかの人に譲ることはないよ…ね、大鳳?」
「私に問いますか?…はい
私もそう思います」
大鳳を伴っていた早咲提督
この人もまた、艦娘人権派の提督の一人だ
階級は大佐
「…おや、お早い到着だったね
久しぶり、神巫大佐」
「カンナギさん、お久しぶりです
金剛さんははじめまして、ですね」
「甲崎提督!それに……那智?」
「はい…口調だけでも整えている、私が武骨なのは否定しないが
こういった態度くらいは作ることもあるさ」
一瞬で素に戻った那智と
それに微笑む甲崎提督
「今回はこの子との参加となった、君達に会えるとは思っていなかったが
良い再会となったね」
「えぇ、そうですね…」
曖昧に笑って済ませた俺に
薄く不機嫌そうな様子を見せる金剛
どうも那智に気を取られていたのが気に食わなかったようだ
そして、こちらも
「あーら、カンナギさんじゃありませんの」
「…どうも、お久しぶりです准将」
そう、面倒なことに
このパーティは基本的に将官と大佐
そして相伴の艦娘という極めて小さいコミュニティの中でのパーティ
そして、そのコミュニティには
派閥が存在しているわけだ
「なんなのその態度!ちょっとあなた、礼儀がなっていないのではなくって?」
「…礼儀は尽くしております
おっと、ご挨拶はここまでとしましょう、もうじき開会してしまいますので」
素っ気なく聞こえるかもしれないが
めちゃくちゃ丁寧に、かつ敬意を持って接している…もちろん、嫌味だが
「金剛、いくよ」
「はい」
金剛も今回は相手が悪いと判断したのか、大人しめだ
「はじめまして、准将」
「お久しぶりです、大佐」
「少将に昇進なされたのですか
おめでとうございます」
そのまま他の将官や佐官にも挨拶をして周り
「…終わった、かな」
「挨拶はこれで終わりです
でも、この後が本命ですよ?」
そう、これはダンスパーティーなのだから
結局はそこが主眼となっているのだ
「…さて、あとは流れと予定通りに」
「行くと良いんですケドネ…」
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