「…」
なにやら砕けた魂を寄せ集めてでっち上げた形、すらも崩れてしまったらしい俺が
なぜ真っ当に人格を再起動したのかは全くもって不明だが、それでもまず最初に言うべきは
この一言だろう
「姉さん、瑞鶴、川内…帰ってきたぜ?」
「おかえりなさい!」
「おかえり、提督!」
「おかえりなさい、そら」
「……んで、どうなってんのこれ?
なんで俺がいない間に姉さんと瑞鶴は和解してて川内が魂に来てるの?」
俺の時点では時間跳躍してるからなにがあったのかまるでわからないんだけど?
「………色々あったのよ」
「そ、そうね!色々あったの、ねっ!川内!」
「えっ!?私っ?…そう…かも?」
どうにも混乱しているようで
説明自体がなされていない
…まぁ、仕方ないから取りあえずそれで納得しておくとしようか
「うん…それで、姉さんはどうするの?
これ以上姉さんが何かすると俺は姉さんを拘束せざるを得ないんだけど?」
「…そうね、もともと私はここでそらと永遠に一緒に過ごす計画を用意していたから
この先についての予定はないし
……そらの鎮守府に戻るわ」
結局なかった事にするのかよ
というような視線を全員に向けられた姉さんは、いったん深呼吸をして
「…海軍准将、リンガの提督は、深海棲艦と内通していたわ、空母棲姫と接触して、このパーティーを襲撃する算段を立てていた
上位の将官を殺して、その席を奪って元帥になるつもりだったようね
…死体を調べれば、指輪が出てくるはずよ、それが転送装置のポータルを固定しているピン、それを破壊すれば転送は止まるわ」
「もう死んでるのか…」
「後は全責任をその准将に押し付けて仕舞えばいいだけよ、簡単だわ」
「随分とひどい計画だな…まぁ、蜥蜴の尻尾だけど、姉さんの魂がどうこうよりは
まだ信憑性がある…かな?」
ついでになにやら細かい説明を受けて、取り敢えず外に戻る
そして
「…廊下から、隠し部屋に移動できる…さすが881研だな…まさか建屋自体の構造を偽装するなんて、ようやると褒めてやろう」
隠し部屋へと入った
どうもここの建築担当は881研の構成員だったらしく、その素材や技術がふんだんに使われているこの館は、半ば要塞と化しているらしい
…転送装置自体は設置していなかったらしいが…そもそも転送装置ってなんだ?
「881研が作った、成功率40%、射程距離20キロメートルの転送を実現する装置よ
使うには色々制限があるし
どうにもエネルギーや座標固定が安定しないって不評でもあったけれど
それでも時間をかけないで移動できる転送は魅力的だわ」
「そもそも成功率ってなんだよ
…っていうか、姉さんが転送のスポッターじゃなかったのか」
「おバカ、そもそも私は深海棲艦側を演じなければいけないのだから
人間側は他人に任せるのが当たり前よ」
姉さんと小言を言い合いながら
まずはいったん深呼吸をする
「…すぅ……はぁ………よし」
「落ち着いた?」
川内に問われて、応とこたえる
「…んじゃあ作戦を練ろうか、
まず絶対条件として、姉さんの肉体を回収すること、姉さんに責任を持たせないこと
加賀との重複保有を避けること
この三つが挙げられるわけだけど…?」
「…そうね、最悪、適当に艦娘の体を乗っ取ることも考えていたけれど
それについてはもういいわ
…空母棲姫を撃破、加賀がドロップ、出てきた加賀を解体、という流れなら
矛盾はしないと思うわ」
「結局責任はおっかぶせるので確定なんだね…まぁ、それが一番かぁ
よし、空母棲姫には死んでもらって、加賀ドロップで行こう」
川内と瑞鶴が同調して
姉さんのプランを推す
「…ならそれで、いくか…
証拠隠滅の片棒とか担ぎたくないんだが」
「それ以前の問題なんだけど…まぁ、仕方ない、か」
とりあえず話に決着をつけて
「それじゃ、みんなを魂から出すわね?」
「「「はい」」」
《center》反転《center》
そして、俺は現実に帰還した
大切なものを、無くしたまま
「コレデ!ッ!終ワリダ!」
姉さんの抜けた空母棲姫が、この距離では普通に攻撃するよりも早いと判断したのか、艤装そのものによる質量攻撃を叩きつけて来るが
やはりその軌道は甘いし、なによりも速さが足りない
普通に回避して、拳を叩き込む
そして
「どいてください…撃てぇっ!」
俺の背後からでてきた羽黒の砲撃が、空母棲姫に突き刺さった
ちなみに、格好つけて急に歌うの場合は
姉さんの魂と同化、泥臭く生還の場合は記憶喪失になる予定でした
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