戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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squad

「囚われのキングを助けるために、ですか?」

 

「その通りですよ大和さん!」

 

胸の奥から何か大切なものがなくなってしまったような喪失感はいまだ消えない

どころかより拡大しているように思える

 

提督の魂の残滓が消滅しつつある

 

「…会場まであと20キロです!」

 

「時間は?」

「約30分!」

 

「…足りませんね…遅い」

「そんなこと言っても、こんな普通道路……普通道路?…提督、後で請求するんですからね!

 

扶桑さん!高速のインターチェンジ!」

 

そう、叫んだ直後

やはり気付いていなかったのか

前方のトラックが急遽ルートを変更して高速道路の合流路線に入る

 

〈了解です!高速道路に乗ります!

ETCカードは?〉

「ないので領収書とります!」

〈…後で提督に請求しましょう!〉

 

インターチェンジから高速に入り

そのまま時速100キロでカッ飛ばす

 

「絶対燃料代ヤバいですよこれっ」

「それ以前に高速使ってるので料金ありますしね…」

 

大和さんと比叡さんが何か言っているようですが華麗にスルー!15分で現場に到着し

 

「ダイナミックエントリーします?」

〈流石に廃車はダメです!〉

 

自分としては長く連れ添ったこの車も捨てるくらいの覚悟で突っ込む提案をしたのですが、扶桑さんに却下されてしまったので

 

「わかりました、先に止まりますので、止まり次第荷台を開放してください!」

〈了解っ!〉

 

〈こちら鹿島、艤装は用意済みです

駆け込んでそのまま装備できます

私達は先行して出ますので、その後、荷台に残った艤装を接続、荷台を出て合流、という流れでお願いします〉

 

「わかりました!」

 

扶桑さんと私のトラックとK BOXが急停車し、一斉にドアが開き

その直後、荷台から鹿島さんたちが飛び出して…

 

大和さんと比叡さんが駆け込み

その中にあった二人の艤装を接続、長門さんと私の艤装を投げて来て

 

「ぬっ!」「よっと!」

 

受け止めると同時に接続

装備をつける

 

最後に大和さんと比叡さんが飛び降りて

 

「総員!点呼始め!」

 

長門さんの音頭のもと、確認点呼が行われ

 

「戦闘エリアの外周フィールドですね…突破をお願いします!」

「了解っ!」

 

戦艦メンバーが砲撃を開始

その堅固なフィールド外壁を…貫通した

 

「よし…やはり、提督の力は失っても

私達自身が積み上げて来た自力は消えない!」

 

「行きますよ…突入!」

 

吹雪、長門、天龍の先遣隊

大和、比叡、蒼龍、赤城の火力部隊

最後に私と鹿島さんの捜索部隊が突入

 

提督の捜索を開始した

 

side change

明石side out

 

愛宕side in

 

「…!」

 

提督の魂に何か、大型があったのを感じた私は、即座に席を立って

 

一緒に昼間出撃の報告書を書いていた霞ちゃんと摩耶、そして

「わたしも行きます!

この鎮守府の風紀綱正を担う憲兵として、この事態は見過ごせません!」

 

憲兵に転職していた時津風ちゃんと一緒に

 

なぜか不在だった明石さんが開けっぱなしにしていた工廠に入り、その中に安置されていた私達の艤装を回収して

 

「時津風ちゃんは私の艤装に乗って

愛宕、抜錨します!」

 

「待った、でありますよ」

 

先頭を切って海面に足を踏み入れるその瞬間、声をかけられる

 

「今は一刻を争う事態なのよ、邪魔をしないで、あきつ丸」

「えぇ、それは存じているであります…その上で、一言…自分には最短の道を提示する用意があるであります、なので」

 

「私達も連れて行って!」

 

あきつ丸を振り切ろうとして

そのあまりにも魅力的な提案に後ろ髪を惹かれる

そして

 

「摩耶、霞ちゃん、時津風ちゃん」

「異論なし、戦力は多い方がいい!」

 

摩耶の一言が道を定めた

 

「よし、今すぐ艤装を持って来なさい、鎮守府の正面に居るわ

…陽炎、あきつ丸

高速用の装備を使いなさい」

 

「「了解」」

 

二人と共に、愛宕艦隊は

一艦隊のフルメンバーで移動を開始し

 

程なくして

 

「…あれは…!」

 

摩耶の向けた探照灯に照らされた先にいたのは

 

古いリボンを持った、妖精サイズの少女

 

「…あ!」

 

「あれはぁ…提督の!」

そのリボンから、強く提督の匂いを感じた私達は、即座にその少女に接近して

 

「そのリボン、いったいどこで手に入れたの?」

 

少女に尋ねる

 

「…コン…これは、金剛のリボンじゃ

妾は提督の任務を受けて、ちんじゅふに応援を呼びに行く最中なのじゃ

どうか邪魔をせんでくれ

妾とて顕現の維持が限界なのじゃ…」

 

ふらふらとしている少女を抱えて

その手から落ちたリボンを取る

 

「…間違いないわね…これは創海鎮守府の金剛さんのリボン、この子は提督が出した使者よ!」

 

霞ちゃんが叫ぶと同時に

ついに妖精サイズの少女が気絶したのか、顕現が解除されてしまう

 

「…扇子…ですか?」

「おそらく初春さんのです」

 

霞ちゃんの陽炎ちゃんの言葉を信じて、その少女が味方であることを前提とすると

やっぱり

提督はなにかの危機的状況に陥っている

そしてその対応のために鎮守府から応援を呼ぼうとした、その使者が彼女である

…そう考えれば、一緒に出て行った金剛さんのリボンを携えて来たこともわかる

 

「自分はパーティ会場までの経路を把握しているであります、小春殿には悪いでありますが、全力で提督達と合流するために急ぐであります!」

 

私達は一際速度を上げて

全速力で提督の元へ急いだ

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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