「提督としての俺が帰ってこなくても、次に来る人が使う部屋なんだし
物持って帰るのはやめような?
あと白露、海風、江風、涼風
お前らは何故止めなかった
特に海風!お前がこの犬姉妹達のストッパーなんだから、止めてくれよ…」
「あっ…提督…すみません…」
慌てたように頭を下げる海風
…なんか一方的に叱り付けているようなイメージが湧いてくるが、
一応これも正当な事なのだから
ここは我を通させてもらおう
「…持ってったものは返してもらうぞ」
「はい、提督」
海風は大人しくて理知的だから
一番長女に向いているのに、なぜいっちばーん!が長女なのだろうか
白露型の7不思議の一つだ…
いや、悪雨ちゃんの足どこ問題とか
時雨すぐ病んでしまう謎とか
山風の父親は無数にいるだとか
どうだって良いような不思議もあるが
とりあえず一番長女に向いているのが7番艦という大問題は欠かすことができないだろう
「そもそもお前も止めろ白露っ!」
「え?なんで?どうやって?」
「どうやってって…普通に制止すれば良いだろうが…」
「嫌だよそんなこと、
やったら刺されちゃうよ」
時雨の方を見つつ、白露が笑う
「そもそも、これ言い出したのも私だし、私がいっちばん最初に入ったんだから、最初に怒られるのは私だと思うんだけど」
「知るか!全員同罪だ!」
連帯責任を引き合いに出して
とりあえず全員正座させる
…
「春雨、江風、涼風は帰ってよし」
とりあえず何も取っていなかった3人は返して、時計を持っていた海風は…同罪判定だな
「白露、時雨、夕立、村雨、五月雨、山風…お前らバカなの?
みんなして俺の私物を持っていってさ…吹雪なんて門の前で待ってたんだぞ?
信頼感が違うわ、全く
俺ってそんなに居なくなるイメージだったの?」
試しに時雨を問い詰めてみると、どうもやはり時雨にとっての俺のイメージは
すぐに居なくなってしまう人物らしい
「釣るだけ釣って餌もくれずに逃げていく、そんなひどい人だよ、
全く、僕は置いていかれっぱなしだというのに、すぐに別の女を引っ掛けてくるんだ
分かるかい?この悲しみが」
なにやら足元から縋り付いてくる時雨
その姿からは止めどない怨念じみた何かを感じる
「お前…お前……」
そんなんだから闇とか病みとか着くんだぞ
などとは口が裂けても言えなかった
「ねえ提督?僕は提督のことが大好きだよだからずっと一緒にいたいんだ最初は艤装技師としか思っていなかったけどもうそんな事はどうでもいいずっと一緒に居たいんだよなのに提督は次々にそこらの女を引っ掛けて遊びまわっているんだこれをどう思うよ
ねえ答えてよ提督どうしたの顔色が悪いよ答えてよねぇ」
とてつもない長文を一切止まる事なく言い切った時雨はそのまま俺の足から這い上がり
腕に絡みついてくる
「僕は提督のことが大好きなんだよほらこんなに簡単な一言じゃないかなぜ嫌がるんだい提督いや嫌がってなんていないよねそうなんだよね本当は言いたいのに何かの理由で言えないんだよねうんそうだよ絶対そうだ僕には分かる僕は詳しいんださぁ提督言葉なんかじゃなくもっと簡単で分かりやすい方法を取ろうよ具体的には直径2センチくらいの銀の環とかをおくれ?さぁさぁさぁハリーハリーハリー!」
だんだん圧力が高まってきた時雨を振り解いて、その唇に指を当てる
「これで我慢しとけ」
「んっ♡」
露骨な表情と共に指先に唇を押し当ててくる時雨…に構わず再び投げて話を強制終了する
「さて、次はおまえらだ、村雨と夕立!」
ビシィッ!と指を刺すと
びくっ!とする村雨達
「おまえらは止める側に立つ事はないからそれはもう良い!だがせめて自重くらいしろ!
特に村雨、おまえはいい加減俺のシャツを羽織るのをやめろ!」
「え?ダメ?」
「ダメだ!全く…伸びるだろうが」
豊かな胸部装甲があるせいで男性用の白ワイシャツは胸元が伸びてしまう
と思いながらそのあたりに視線を遣って
…いかん色気に負けるな、と引き戻す
「提督さんの私服って、センスない訳じゃないんだよね、ちゃんと着られてないだけでさ」
「ひどい言いようだなオイ」
村雨は俺のシャツを軽く引いて
「これだってさ、結構選択肢広いけど、無地同士で合わせたりとかはちょっとね
提督、外出する時も軍服だったり
シンプルなシャツとかロンTにジーパンだったりするじゃん?」
「すまん、ファッションについての話なら女子同士でやってくれ
俺にそんなことを考えている時間はない」
「ダメよ、ちゃんと考えなきゃ
せめて柄物のいくつかくらいは買いなさい
私たちの提督なんでしょ?なら恥ずかしくない位には着こなしてよね?」
「……はぁ……」
軍服だったりするじゃんと言われても
逆に提督として公務で外出しているのになぜ軍服以外で出掛けなければならないのかが分からないのだが、その辺はどうなっているのだろうか
「提督は顔だけならモテても良いくらいだし、ちゃんと磨かなきゃ勿体ないでしょ?
特に冬場は魅せる着こなしってのは限られちゃうけど、それでも格好いい着方、くらいは教えられるから!」
「別にモテる必要はないんだが?
そもそも俺、特定の相手を作る気はないし」
その瞬間、姉妹全員の瞳がぐるんとこちらを向く
「!?」
「………」
《…………》
しばらくの間、私室は無言となった
600話記念番外編は
-
過去編軍学校
-
過去編深海勢
-
裏山とかの話を
-
テンプレ転生者(ヘイト)
-
ストーリーを進めよう
-
戦争が終わった後の話を!
-
しぐ……しぐ……