戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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タイトル通り


キューティーセンダイ

夢を、、見ている

 

 

多分、俺は今、とても幸せな夢を見て、、いた

 

「おーきーろー!!」

 

「うるさいよもう起きたから」

川内の声で目を覚ます

 

つまりは、そういう事だ

 

「最近あんまり話しかけてないって油断したでしょ!きんぴらごぼう作ってあげるっていったじゃん?だから美味しく作れるように練習してたの」

 

「それで俺を魂界に引き込んだの?」

 

「そうです!」

そんな元気な返事しなくてもいいじゃん、泣いていいかな?俺そろそろ泣くよ?

 

「俺としては流石にやめてほしい所だよ、疲れるんだぞ?」

 

俺が不貞腐れるように川内の甲板に座り込み、外縁を擦るように撫でながら抗議すると、川内は

 

「そっ、、そんなところ、ひゃん!」

 

とか謎の現象が発生しているようにぴくんぴくんと痙攣していた

 

「いや話聞けよ!」

思わず外縁を掴んで体重をかけ、反動で立ち上がり

「あっ、だめだめだめっ!っ〜!」

一際強くビクッ!と体を震わせた川内はくたぁと座り込む

 

これじゃ入れ替わりじゃないか

荒い息を吐いている川内に詰め寄ると

「待って今艦体敏感になっちゃってるから一歩一歩体に響いてくりゅう」

 

いや本当に謎なんだが

何があった

 

取り敢えず幸せそうな顔を晒している川内の目の前で手を振り

 

ダメだ、反応がない

 

「おい?川内」

「はへぇ」

だめだこれ、早くなんとかしないと

 

五分後

 

「川内!」

「はいっ!」

 

戻ったな、よし

「で、なんだっけ?きんぴらごぼう作ってくれるんだっけ?」

 

「あっ、、うん、待ってて!」

 

と言って何処ぞへと走り出す川内

いやスカートの短さは気にしようぜ

 

取り敢えずついていき

 

「ここだよ!ここ!」

船室で迷いかけたけど

川内本人が教えてくれた

 

「はーい、ここ座って!」

 

案内されたのは艦内の食堂

「今から作るからね、手早く済ませるより、ちゃんと手間かけて作る、これ美味しさの必要条件です!」

 

どんだけ気合い入れてるんだよ

 

そのままライブクッキングを始めた川内

 

どうやらちゃんと一食揃えて作るようだ

米も釜炊きとは思ってなかったが

いや、炊飯器なんてものはその時代には無いんだよな、つまりオールウェイズBBQ式

 

飯盒が持参品になる理由分かるわ

 

もっとも、やがてはその飯盒すらも鉄供出の名目のもとに奪われる訳だが

 

言ってるうちに味噌汁作り始めたか

まぁ、十分な温度にまで湯を沸かすのに時間かかる分当然かな?

 

そこから先は早かった、一時間どころか十分たったか分からないほどに早い

 

ライブクッキングって見てるだけで普通飽きるし、暇なんだけど

これはもうね、目線が吸われるやつだ

動作が連続していて、待ちの時間が殆どないのは単なる技量だろうけど、本人の手順組み立ても調理技能も揃ってこそだ

 

あとなんで味醂焦げないの?

テフロンコートしてる訳じゃないでしょうにベタついてる感じはしないし

 

あと、ちょっとした表情の変化が気になって川内の方に視線が寄った時に絶対に気付いてこっちに顔を見せてくれるのはすごく嬉しい

 

後半はもう手元よりも川内を見ていたと思う

 

「はいっ、召し上がれ」

「いただきます」

 

即答

 

メニューは、白米と豚汁に

赤魚の煮付け、金平牛蒡と野菜スティック

、地味に人参や牛蒡など、欠乏しがちな野菜類をカバーしているが、

一貫して肉魚を推すメニュー

 

子供にも大人にも人気の出る事だろう

 

赤魚の煮付けの複雑な味を子供が判るかは別としてな

 

あぁ、美味しい、、

って、こっちで朝食食べちゃったら後で食べられなくなるでしょ!耐えろよ俺

 

「大丈夫だよ?こっちの状態変化は基本的に向こうに影響しないから」

 

「それは有り難い」

 

そこからはノンストップで箸が進んだ

 

「ご馳走様でした」

「綺麗に食べてくれたね、おそまつ様でした」

 

いや本当に美味しかった、語彙力?馬鹿め奴は死んだわ

 

「でも、、調理中にぃ」

「なんのことかな」

 

「私の方ばっかり見てたのはなんでかな?ん?」

コイツ、、

 

「理由気になるなぁ、、

なんでなんでぇ?」

「んなことお前が可愛いからに決まって、、あっ」

 

「頂きましたー!録音済みでーす」

「アッこらおい!レコーダー寄越せ消してやる!」

 

そのまま競争になったが、どうせ艦娘には勝てない

だが、、諦めるわけには!

行かない!(俺の尊厳のために)

 

『可愛いからに決まって』

「きゃー!」

 

「おい!!」

 

「じゃーあー、消してあげても良いけど、夜戦しよ?」

「テメエその条件が通るとでも思ってやがんのか?」

 

『可愛い』

「待てやオラァ!」

 

競争でついに甲板にまで登ってきた、、

 

「ヘッヘーン!待てと言われて待つ馬鹿はいませーん!」

 

「馬鹿はお前だオラ!」

わざわざ手を避けてから足を止めて俺の方を向いていた川内を連続二度目の跳躍で捕まえる

 

そのまま押し倒して

「きゃん!捕まっちゃった」

 

ってオイ!この体勢

 

「ねぇねぇ、どうされちゃうの?捕まえられた女の子はどうされちゃうの?」

 

「甘えたような声でそんなこと言うんじゃありません!」

ベシッと頭を叩いて離れる

のだが

 

「私は良いんだよ?」

 

俺より早く立ち上がった川内は

俺の耳に声を吹き込んでくる

 

「ふぉつ、、何が良いんだよ?あぁ?言ってみろよ」

 

「言わせないでよ!」

突然怒り出す川内、意味がわからない

 

「もうっ!デリカシーないお馬鹿さんはこうだよっ!」

 

反転

 

「あの野郎!勝手に引き込んでおいて放り出しやがった!」

 

パッ!と目を覚ました俺は

起き上が、、れなかった

 

「ん、、一升瓶が、、にげるぅ」

 

隼鷹?

 

「お前何やってんの!」

 

俺の腕に抱きついている隼鷹

 

その、なんというか素晴らしい感触の原因を理解した瞬間に、俺は布団を跳ね上げて飛び起きた




単独初期ヒロインなだけあって出番も多いですね?!

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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