戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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咆哮するは我にあり

〈敵を殲滅する、いいな?〉

 

「もちろんだ」

 

最後の一言と共に、爆発が巻き起こり

それは敵の装甲を突き破り、肉にまで到達し、瞬時に破砕して爆破

 

軽巡以下の艦級の個体は

ほぼ全てが一撃で轟沈していく

 

〈提督、これはどういうことだ〉

 

なぜ、長門にだけは高練度な状態が維持されているのか、という意味での質問であろうと解釈した俺は、そこ質問に答えることにした

 

「つまり、心柱に頼った練度っていうのは、本当に信頼できるかどうかは関係なくて、魂の波長の相性さえ良ければ別に俺以外でもラインが繋がればいいんだよ、だからさ…」

 

一旦言葉を切って

再びつなぐ…無断でやったことなので、少々心苦しいが

 

「みんなが出撃する前に、ちょっと第三艦隊全員の艤装をいじってラインを繋ぎ直した」

 

ネタバラシ、というわけではないが

必要に迫られて行った小改造、その内容を明かした

 

〈…貴様、そんなことができるならなぜ最初からしなかった〉

予想外に冷たい声が返ってきたが

多分誤解されていると思うので

一応の弁解を試みた

 

「あぁ、俺とラインを繋いだんじゃないから、そういう意味じゃない

俺が繋いだのは、みんなのほう

艦隊全員のラインを、長門に繋いだ…だから長門は実質全員分の力を集約した能力を持ってる…まぁ、エネルギー量での話だから、艤装機能自体は共有できないけどね?」

 

粗雑な説明であるが

艦隊に編成されている艦娘の霊力ラインは、実は提督以外にも姉妹艦の相互接続も存在するし

一本だけではない

 

作りそのものも旗艦の時だけ集中的にエネルギーを注がれ、そこから他の艦にエネルギーを供給するような作りになっている

 

だから一番保有するエネルギー量の大きい艦である旗艦が大破するとその時点で僚艦につながるためのハブが破壊されてしまい

他の艦娘が無事であっても、十分な能力を発揮できなくなってしまうため、撤退を強いられるのだ

 

「だから、長門の練度は現状高いってだけ、期間限定だし、他の艦が離脱したらその分能力が落ちる、それに時間制限付きなんだ…すまない

いままでと比べると随分と格に差が出てしまったが、それでなんとかやってくれ」

 

〈…まぁ、あまり多くを望むのも、と言ったところか…まぁいい!今のうちに全力でやらせてもらう!〉

 

テレポーターの転移ポータルの座標を突き止めるため、警報装置や哨戒ルートの洗い出しを行いながら、長門の声を聞く

 

溌剌としていて、特段副作用の様子も見られない、普段通りの声だ

 

艤装のコアに干渉する以上

なんらかの変化や副作用、異常などが現れる可能性は否定できないのだ

突貫工事な小規模改造

それにどんな影響が出るかもわからなかったので、(戦力の関係上仕方なかったとはいえ)一安心と言ったところか

 

「砲撃用意…って、俺が言っても違うか」

〈ふふっ…構わんよ

私は今も、提督のことを提督であると認識しているのだ、たとえ辞めてもそれは変わらない

魂の接続など関係なく、人物としてお前のことを認めているんだ〉

 

周囲の数隻の深海棲艦を撃破しながら

長門は笑う

 

〈もうじきポータルの座標に到達するが、私だけでいいのか?〉

「長門は現状、艦隊最強なんだ

単独突入は危険だが、俺は長門を信じている…単騎掛け、いけるな?」

 

返事は素早く、そして明るく

 

〈『行けるか』ではなく『行けるな』か…ふふっ、よし、提督の期待に応えよう!突入する!〉

 

空間が歪んだ転位ポータルに突入していく長門、俺と姉さんの視覚共有している彩雲もその後を追う

 

そして

 

「長門!三時!砲撃!」

〈!〉

 

その瞬間、出待ちしていたらしい複数の深海棲艦が砲撃してきた

長門は持ち前の装甲でそれを受け切るが

やはり攻撃回数の多さが原因か

装甲を突破されてしまう

 

〈ぐぅ…やるじゃないか!

だが私とて鎮守府の皆の期待を背負っている身、そう簡単にぐぁぁっ!〉

 

背後からの魚雷

それも味方の攻撃直後にタイミングをわざとずらした不意打ちでの一撃

見事にくらってしまった長門は大きく姿勢を崩し

 

〈不意打ちとは卑怯な…!〉

再び飛んできた砲撃を回避する

 

「いかん長門!この布陣はダメだ!

包囲攻撃に特化している!

作戦から負けていたんだ、ここは一時撤退して戦力を増強するべきだ!」

 

〈ならん!〉

 

俺の撤退指示に、長門が叫ぶ

 

〈ここで下がれば奴らの思う壺だ!

それに先程、空に流星が見えた!〉

 

砲撃、回避、再度砲撃

サイクルを続けながら、その言葉は続く

 

「蒼龍の流星爆撃隊の可能性が高い!蒼龍の護衛艦である龍田も、付いている速吸も

ここで戦っている可能性が浮上したんだ!ここで私が引いたら、そちらに敵の戦力が集中してしまうかも知れない

だから私は…この鎮守府で現状最強の私が!道を切り開く!」

 

赤く染まった海の中で

硝煙と傷に塗れた長門は

それよりもなお、傷ついた仲間たちのために、突き進むことを選んだ

 

「…わかった、長門

行ってくれ!」

〈応!かつては大和に超えられた身だが…再び名乗ろう!私は創海鎮守府最強

ビッグセブンの長門だ!〉

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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