「翔鶴、そっちはどうだ?」
「はい、蒼龍さんの艤装は……飛行甲板の表層、二次装甲は残念ながら破損がひどく全廃となりました、内装機関は被雷による損傷が大きいですが、復旧の目処は立ちました
主艤装については
4番のナット8本、同ボルト10本
5番のナット4本、同ボルト3本が交換必須、8mm外装用装甲板4枚、裏打ち用の素鋼板5ミリが3枚、排煙パイプ外径φ16が2m分
メインの配電盤が全損しているので交換必須、電探も小修理です、あとは溶接棒が……5本くらい使うと思います」
「結構使うね…蒼龍って電気溶接じゃなかったと思うんだが」
「この際です、外装だけでもビス打ちの部分は溶接に変えます
あ、あと木材も必須ですね、甲板と弓の新造に必要なので」
「わかった……木材ねぇ……どこに置いたかな……あんまり空母系が甲板焼いたりしなかったからなぁ……在庫なけりゃ注文かなぁ」
呑気な声を上げながら
在庫を確認しにいく
それに要求資材が被ってしまったから、それも充分量あるかを確認しないといけない
「えっと……甲板用だからぁー……」
遥か前に工廠を再設置したとき、強引に増設した資材置き場はその広さを存分に役立てて
主人である明石以外に場所を把握できないくらいに複雑に資材を配置していた
「……よし、あった!」
ボルトやナットやレンチやカッターといった工具の方は俺が手前で持っているものがあるが、資材については管理帳もあることだし、さすがにそういうわけにはいかない
だからこうして資材置き場に安置してあるのだが
木材というのはあまり使わない資材ゆえに奥に引っ込められてしまっていたらしい
「あ、でも赤城さんとかの修理にも使うからやっぱり注文は必須かな」
蒼龍一人の修理なら充分足りる量でも、ほかの損傷した艦娘の修理にも使う資材である関係上、このままでは少々不足してしまう
というわけで外注に注文しよう
蒼羅side out
大淀side in
「提督は回収した三名の艤装修理に注力するため、これより指揮を替わります」
その一言は、海域全体に響きわたり
艦娘達の不安を吹き飛ばした
回収された三名が、完全破壊判定になって解体されてしまわないか
そもそも死亡してしまわないか
鎮守府内の詳細な情報など手にはいない海域で、戦闘しながらも度々に、そんなイメージが頭によぎっていたのでしょう
「心配はいりません、蒼龍さん、速吸さん、龍田さんは全員無事回収済みです
戦闘に集中してください」
提督のようにはうまく指揮を取れない私ですが、鍛えてきた観察眼は役に立つはずです
提督の補佐艦として、働いてきた経験は伊達ではありません
「行けます……この戦いはもはや消化試合、包囲殲滅のみで十分です
ただし、敵陣に突入する事は避けてください、そちらは敵陣だけあって
どこに敵が隠れているかも知れません」
敵が全方位を囲んで撃ちまくってくるというのはなかなか恐ろしいし
そんな飽和攻撃に晒されたら大和型の装甲だろうと抜かれてしまうでしょう
そんなことをせずとも、敵が嫌がってテレポーターのポータルを消すように仕向ければ良いのです
テレポーターのことは提督から聞いていましたが、どうやら本当に大本営の一部に裏切り者がいたようですね
「球磨さん、ポータルに雷撃を打ち込んでみてください」〈クマ!〉
元気の良い返答の直後に
球磨さんが魚雷を投射する
「反応を確認、敵陣より魚雷と思しき航跡、白露さん、2時の方向へ」
〈了解!〉
魚雷の航跡が伸びていくなか
その正面方向にいた白露さんを誘導して回避させ
「……今、カウンターです!」
霧島さんがポータルにむけて砲撃を叩き込む、その姿を見ながら
自分で出した瑞雲の視界を使って索敵する
「全力攻撃を、ポータルにありったけ叩き込んでください、いけますね!」
《了解》
皆さんが返事をするより前に瑞雲を撤退させ、それでもなお轟音と閃光を感じながら
ポータルの様子を確認する
ポータル自体に実態はなく
それ自体に攻撃は当たらない
でもその向こうに通り抜けて、変色海域側の方にいる敵の方に行っている
敵の攻撃の頻度は高くないから、そうそう当たるようなことは無いはず
こちらの攻撃も当たってくれれば御の字、というところ
ロクな狙いも付けられない攻撃では、幸運のまぐれあたりがせいぜいですから
いいえ、焦ることはありません
じっくりと、焦らしながら
この際ですから、深海棲艦連中にはたっぷりと楽しんでもらいましょう
600話記念番外編は
-
過去編軍学校
-
過去編深海勢
-
裏山とかの話を
-
テンプレ転生者(ヘイト)
-
ストーリーを進めよう
-
戦争が終わった後の話を!
-
しぐ……しぐ……