戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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年末の大行事

「はーいお前らー……大掃除するぞー」

 

やる気のない声だが、仕方ない

だってこれは一年の最後に近い行事の中でもっともやる気の出ないイベント

 

大掃除なのだから

 

「俺の部屋と執務室については俺がやるが、他の部屋については各寮監の監督の下、住民各自で行うこと……それと、本棟の施設については

駆逐艦『陽炎 不知火 暁』監督員として戦艦『扶桑』が多目的室、

軽巡洋艦『川内 五十鈴』が放送室、『大淀』が資料室

『夕張』が工廠、工作艦『明石』が酒保および商品倉庫

駆逐艦『夕雲 漣』が医務室および薬品庫

給糧艦『間宮』食堂、潜水艦『伊19 伊58』監督のため、揚陸艦『あきつ丸』が出撃ドック、以上のように分担する

 

事前にも言ったが、仮にも危険物や薬品を取り扱う部屋、重要な設備がある部屋が多いため、この中に名前がある艦娘は各寮の居室掃除には不参加として、本棟設備の掃除に注力してもらう」

 

講堂で講壇に立ち、艦娘達に訓示を垂れる姿は一端の指揮官のように見えるだろう

 

「それじゃあ始めるぞ、一時間ごとに各寮監は本棟に集合して、経過報告をよろしく」

《はい!》

 

「以上、解散!」

 

その言葉とともに集会を締める

一応会議室や講堂といった大きな部屋については大掃除はしない、という対策を立てている

そもそもこのような部屋は普段使わない部屋であるし、そんなに使用頻度は高くない

必然的にほとんど汚れはしない

 

やや埃はあるものの、それらは日常の清掃やメンテナンスで十分に間に合う程度のものだ

 

「というわけで……」

 

俺は、なぜかついてきている

榛名を背に、自室に入り

 

「……掃除するか」

 

とりあえず、埃をかぶっている棚や荷物の移動から始めた

 

「あ、手伝います」「いいよ、重いし」

「だからです、提督は最近腰を痛めているとお聞きしました、腰痛に重量物は大敵です!」

 

このあと、どれだけ宥めすかしても首を縦には振ってくれず、結局俺が折れて

榛名に手伝ってもらいながら掃除をすることになった

 

金剛型はみんなしっかりしているし

金剛型の部屋の掃除が疎かになるようなことはないと思いたいが

 

「……大丈夫だろ」

 

まぁ、問題になるような事はないだろう

霧島はしっかりしているし、掃除にだって手を抜くような性格をしてはいない

 

「棚はそのままじゃ運べませんよね」

「まぁ、仕方ないよ、とりあえずそいつについてはコレを使う」

 

資料室のような正式書類の堆積した山ではなく、幾らかのファイルと私物の本、それに艦娘達の持ち込みの品(単なる私物)を詰め込んだカオスな棚は

それだけに重量があり、ボトルシップやプラモデルのような繊細な扱いを要求してくるものも多いため、そのままでは運ぶ事ができない

なので、裏の隙間まで埃を取れると評判のワイパーを使って荒取りを終わらせたあと

一つずつ抜き取って別の場所に置き

その空き場所を掃除する、そういう繊細な作業を繰り返して少しずつ掃除していくのだ

 

「こうやって、少しずつ掃除していくのさ

榛名はそっちの……そう、そこの段を頼めるか?その段はファイルとか日記帳とかだから、繊細な扱いは必要ないものが集まっているから」

「はい!榛名は大丈夫です!」

 

こうして、榛名と俺の部屋掃除は順調に進んでいった

 

ものの二時間で私室全ての掃除を終え

執務室の方にまで手を伸ばし

そちらもそろそろ終わりが見えてきたというところ

 

「提督、こっちの掃除は順調だよ、放送室はそろそろ終わり、終わったら何するの?」

「終わったら?……普段と同じ、廊下とか、ほかの部屋とかの掃除に回ってもらうよ」

 

そう答えると、川内は明らかに嫌そうな顔になる

すぐ顔に出るなこいつ

 

「もうじきみんなが掃除完了するから、そしたらみんなで廊下とか窓とかの掃除に入ればいい、もともとそういうスキルが高い川内を単独にしなかったのは他のリーダー役をやってもらうためでもあるんだ

ちゃんとやっておくれ」

 

頭を撫でながら言ってやると

目を細めてとても満足そうな表情になる川内、非常に可愛い、猫っぽい

 

「大掃除終わったら炬燵をだすぞ?」

「よし提督何してるの他の所の掃除もちゃっちゃと終わらせちゃうよ!」

 

「お前調子いいなぁ」

 

まぁそんなこんなで

時間が経つほど掃除完了の報告は増え、そしてそれがみんな廊下ゃ窓といった目立たない場所にシフトして、それもすぐに終わっていく

 

「かんりょーっと!」

「瑞鶴は焦らなくていいぞ、翔鶴しか使ってなかった部屋だし」

 

「私のことは心配してくださらないんですね……」

「お前の好感度いまマイナスに突入してるからな?」

 

すでに名前呼び捨てどころか『お前』に成り果てている二人称から察してほしい所だ

 

「さて……軽巡寮はどうかな?」

 

流石に阿賀野もそこそこ真面目に働いているだろうし、天龍達も私物は少なく

部屋も掃除も行き届いていたので

そう問題を抱えているようなことはないと思うが

 

「酒保全体を一人では辛いですっ!」

「工廠と素材倉庫以下同文っ!」

 

明石と夕張が戯言を述べているが

全て聞かなかったことにした

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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